綱木川   米沢で一番きれいと思いたかった

「あそこには川が流れていたなあ」という程度が、綱木川に対する感覚でした。綱木の集落に、糸畔、烏川から行く道がまだ砂利の林道のようであった頃、オフロードバイクで、そのまま百子沢の林道をぬけて、桧原湖に抜けたりしました。スカイバレーの土砂崩れで、スカイバレーにトンネルができる前のころです。そのころの私は、釣りには入れ込んでいなかったので、綱木川という名前や、その川に魚がいるという感覚はなかったのでした。
釣りについては、小樽川でフライを学び、綱木川でルアーを学んだと思っています。今思い起こすと、蟹屋敷のあたりからずっと、登って行って、烏川との合流点あたりまでは、とてもすばらしい川だったと思います。私の、ルアーの師匠と連れだって、綱木川に行って、「いいか、あそこにルアーを落とす。そして、あそこらへんに来たときにくるからな」といわれて、キャストすると、うまうまと予定の場所に落ちました。頭の中で、水中の様子を想像しながら、巻き取って行き、ここで、「あたる」といわれた、その場所で、ガツンと来ました。まったく、脚本通りのその反応にびっくりすると、25cmくらいのイワナが、ついていました。それが、過去形になってしまったのは、ダム工事のためですが。
さて、綱木川との深い付き合いは、ある日を境に始まったといえます。結婚した相手方の親類が住んでいました。しかも、嫁さんの親しくしていた、「おばちゃん」の嫁ぎ先であったということで、しょっちゅう通うこととなりました。もちろん、嫁さんが、親類の家にいる時に時間があれば、ルアー一式を持って、川に行きました。今考えると、なんて幸せなひとときだったのでしょう。

早春の綱木川 (2001年)
綱木の集落の上流の堰堤。
平成6年の堰堤ももはや埋まっている。人工の滝になってしまいました。
(2001.3.25 E950)
綱木の集落より下流方向を見る。
河川改修のために木を切り倒す前は、なかなか良い場所だったのですが、何にもなく、まっ平になってしまいました。
この下流で、イワナとヤマメの養殖をしていた、Nさんは、大水が出た年、養殖池が土砂で完全に埋まってしまったため、廃業に追い込まれてしまいました。当時も、ここの上流には、いくつかの砂防目的の堰堤はありましたが、とうの昔に埋まってしまって、いざと言うときには無力でした。どうせ、役に立たないのなら、はじめから作らなければいいのに。
(2001.3.25 E950)
綱木川橋より、ダム工事方向を見る。
綱木川橋は、ダムの迂回路として、2000年8月に完成しました。旧道は、この画面の左側になります。良い道だったのですが。夜、親類の家から帰るとき、ウサギが出たりしたものでした。
(2001.3.25 E950)
初夏の綱木川 (2001年)
百子沢林道から見える堰堤。
10数年前は、少し深みが残っていて、イワナの影も見えたのですが、今はいるのやらいないのやら。下からは登って来れないし、漁協も放流している場所でもないし、もう絶えてしまったかな。
ハルゼミも鳴いていました。
(2001.5.26 E950)
一の畑橋。
集落よりだいぶ上にあります。この上には、もう名前のついた橋は無いはずです。
昭和45年に作られただけあって、だいぶコンクリートの表面がやられています。
(2001.5.26 E950)
今年できた、堰堤。
どのくらいで埋まってしまうか、見せてもらいますよ。これがスタートの証拠写真です。毎年撮りましょうか。
(2001.5.26 E950)
土砂で埋まった堰堤に、魚道をつける工事をはじめていました。
どうせ工事するなら、埋まった堰堤を壊してしまえば、魚道も要らないのに。無理やり作った人工の滝に、魚道という名の、魚の通らない構造物をつくるのは、へんだと思いませんか。
(2001.5.26 E950)
大橋と、綱木の集落。
大橋は、昭和36年にできています。コンクリートがぼろぼろです。
綱木地区の人は、「綱木川」を、「大川」と呼びます。沢とか、側溝の流れと区別する呼び方であり、特に川の名前を意識していません。
なお、この橋の下流にある沢を、この地区の人は、「二の沢」と呼びます。県南漁協の配っている紙には、「二ノ沢との合流地点の上流280mを基点として、その上流790mまでの区域」を禁漁区としていますが、この文を地元の人に聞かせると、「それは、この集落のそばのあたりが、禁漁ということに読める」と言うが、実は違うらしい。地図入りで説明してもらわないと、読解できない。
(2001.5.26 E950)
綱木橋。
こんなに車が通るのは、この季節が、山菜取りと魚釣りの人が押しかけるから。ただし、ご注意願いたいのは、ここらへんの山は、すべて個人の所有物で、山菜やきのこを取って、収入の一部にしているため、所有者以外の人が採った場合、「盗った」とみなされます。ですから、この季節はいかに泥棒が多いことか。どうも、山菜が好きな人は、「早く採りに行かないと、俺の山菜が誰かに採られてしまう」と考えているようですが、それは間違いです。「あなたが泥棒です」
それから、入漁料を払わないで釣りをしている人がほとんどですが、これも犯罪です。「監視員が来たら払おうと思っていた」と、言い逃れをするようですが、「確信犯」です。アメリカのように、現場徴収という制度を無くして、犯罪者とすべきです。
(2001.5.26 E950)
綱木川橋のそばより、旧道方向。
今は、ダム工事で、通れなくなっている。山菜取りの人が入りこんでいたので、あそこまでは行けそうだ、今度写真撮りに行こう。
まだ、ダム工事に入る前に、ヨメさんに運転してもらって、助手席から見える景色をビデオに収めたのは、もう12年くらい前。高速転送できる時代になったら、そのビデオキャプチャーして、webにアップしようかな。
(2001.5.26 E950)
ダム工事の上下を見ていると、昔はよかったと言うしかない。なぜ、米沢以外に、水を供給するために、ここにダムを作らなくてはいけないのか。ダム工事を中止する県知事が現れないものか。
綱木川、6月版
(2001.5.30)


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