前川   太平洋にそそぐ

中学校のころだったと思います。峠の駅まで、普通列車で行って、それから、滑川温泉まで歩いて行きました。だれだっかも覚えていません。しかし、山道の峠を越えるときに言いました、「ここを越えると、太平洋側だよ」。その時、意味は理解できませんでした。だって、自分は、東から、西に向かって歩いているのですよ、西に歩いているのに、なぜ日本海側から太平洋側に行くのか、常識的なところから考えても、無理があります。
今は、地図を見れば、確かに、川は太平洋側に流れているので、太平洋側ということが理解できる。

米沢在住の人に、「米沢で、太平洋にそそぐ川は?」と聞くと、たいがい、なぞなぞかと思ってしまう。それほど米沢で、太平洋にそそぐ川についての知識が無い。米沢の小学生は、4年生で、米沢の地理を勉強するのですが、先生は、こういう面白いことを教えてはくれませんので。
今、前川の支流の蟹ヶ沢のあたりは、地すべり問題とか、産業廃棄物の問題で、福島市民には、ホットな話題なのだが、残念なことに、米沢市民には、あまり知られていない問題のようだ。

春の前川 (2001年)
萓峠。
峠駅から、滑川温泉方面に林道を登っていくと、峠になる。この先が太平洋側だ。しかし、あくまでも米沢市なので、不思議な気持ちになる。これが分水嶺かと思うと、分水嶺という響きとは、違うような気がする。
(2001.5.19 E950)
萓峠を越えてしばらく行くと、前川が見えてくる。遠く谷間に見える姿は、小学校の時の夏休みに、町内の行事で、日帰りで滑川温泉にはじめて行ったときと変わらぬ姿のように見える。いつ行っても感動がよみがえる。
(2001.5.19 E950)
滑川橋 (昭和57年9月と書いてある)。
橋の上流で、前川本流と大滝沢が合流する。まだ雪解け水があるため、大滝沢の方が水量が多い。今の滑川橋の上流に、昔の橋の残骸がある。小学校から、高校時代は、この古い橋を渡って、歩いて滑川に来たのですが。
(2001.5.19 E950)
滑川温泉のそばの小さな滝。
前川ではなく、支流の大滝沢の「大滝」の方が有名です。大滝見物は、温泉のところの釣り橋を渡って行くと行けますが、くれぐれも浴衣姿でお散歩気分では行かないように。ひとやま越すのですから。
(2001.5.19 E950)
板谷駅から、五色温泉に向かう途中にある、板谷橋。
板谷橋の下流に、昔の橋の残骸が見える。
この下流で、前川は、蟹ヶ沢と合流するが、蟹ヶ沢周辺は、現在、地すべり防止工事中のため、写真撮影のために入ることは、今回はやめました。そのうちに入って、写真撮影してみたい。蟹ヶ沢は、米沢市と福島市の境界の川で、半分は、米沢市ですから。
それにしても、前川のここらへんの景色は、ほかの米沢の川にない情景で、心ひかれます。「川とおし」歩いて見たい場所です。なにしろ、両側が切り立った廊下ですから、川とおしあるくしかありませんね。
(2001.5.19 E950)
今年は、松川と羽黒川をメインにしていっていますので、前川は、ほんのすこしだけ書かせてもらいます。
前川、5月中旬版
(2001.5.20)


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