タキタローツアーをふりかえって


第2話 1999年 「口飽するとは、なにごとだ」の巻


前年の1998年の夏は、水害のひどい夏だった。神奈川県で、キャンプ中の人が大雨で災害にあったのは、1999年だが、新潟県、山形県、福島県付近は、1998年の8月の方がひどかったと思う。1998年8月の、我が家とKさん一家との、合同キャンプでは、佐渡ヶ島で死者の出る大雨に遭っている。1998年の9月に県内の川に入ると、「魚はいったいどこに行ったのだ」というような状況で、魚はいないし、身長をかるく越す高さの木に、増水の時のゴミがひっかかっていた。
しかし、1999年の春は、いつものようにやってきた。雪は1月に、まとまって降ったものの、3月の陽気で、またたくまに消えていった。屋根の雪降ろしは、市内では、1度で済んだところもあっただろう。

いつものように、電子メールで、いつものみんなに、ツアーのお誘いを出したのは、5月中旬。いつもなら、6月初旬にO池に行きますから、準備は、5月中旬から必要です。でも、この年はひとつの計画がありました。1990年に長男が誕生して以来、子供とO池に行くのがひとつの夢でした。二男は、幼稚園の年長になったし、そろそろ行けるのではという時でした。雪のとけ具合は、例年並で、6月の第一土日に、いつものメンバーで登り、次の週は、学校が休みの土曜日となるため、2週連続ではありますが、ちょうど良いタイミングと考えました。

みんな忙しい人ばかりだし、海外出張で、行けそうに無い人もいた、大好きなのに、仕事で行けないのは、なんとつらいことだろう。結局、日程の都合がついたのは、副隊長のTさんと、小学校時代からO池で釣るのが夢だったという、Kさんと比の3人となってしまった。一番の常連の、S氏は、最近彼女中心の生活となって、付き合いが悪くなってしまっていた。釣られてしまったというところだろうか。長年いっしょの親友のH氏も仕事の都合がつかず、休場。年に一度のO池を楽しみにしている、A氏も、「たこ部屋」適環境の激務で、休場となった。


川沿いの登山道には、いつものようにスノーブリッジができていた。


釣れすぎて、だいぶリリースしたけれど、この数を3人で食べきれるのだろうか。1人10匹以上になると思うのだが。


山小屋で、たくさん釣った夜の乾杯ほど幸せなことは無い。まな板の上には、ヒメマスの刺身が山盛りになっている。ほかに、イワナの刺身と、焼き物用のイワナもあるのだが。この大漁ため、K氏は、ヒメマスの刺身を食べきれず、「口飽きした」と、これ以上無い贅沢な言葉をはいてしまった。(ふとどきものめ!!) 残った刺身は、翌朝に、バター炒めで、醤油をたらして、おいしくいただきました。まことに贅沢のきわみです。


 

T副隊長は、昨年のバス釣り修行の成果があり、かなりの数を、ものにした。K氏は、長年の夢のO池で、始めて来て、爆釣を経験するとは、タキタローにハマルわけです。



それでは、いつもの報告書で詳しく見てみましょう。

20回近くO池に来ていますが、釣れたということでは、歴代ベスト2の状態と思います。しかし、ここ10年くらいは、人が多くなったためか、全体に釣れなくなっているので、近頃まれに見る爆釣となったわけです。いっしょに行った皆様の、釣りの技量も良かったし、企業秘密とも言うべき、「Oスペシャル」の成果でもあります。特に、K氏は、トラウトの釣りは2度目のはずなのに、言われた方法をきっちりとこなす技量のため、「釣れすぎちゃって怖い」状態でした。いちおう、これが普通のO池の状態ではないよと説明はしましたが。


家族でO池に初めて行きました

6月12日(土)
長男の幼稚園時代から、家族ぐるみでお付き合いしている、Sさん一家といっしょにO池に。
Sさんのところのお兄ちゃんは6年生のため、来年からは、あまり遊べないということもあり、絶対に行くということに。比が、荷物をかついで、3時間かかるルートを、自分の分を背負った子供は、それより早く登っていく。ゆっくり行く比についてくるのは、うちの長男だけ。ヨメさんは10年ぶりのO池ルートであるが、途中一箇所の分かれ道さえ、気をつければ迷うことは無いので、先に行っても問題無し。

子供は、山小屋に着くと、寝袋で遊び始めた。Sさんのところの、弟くんは、旅館があると勘違いしていて、山小屋で、ひとつの部屋にたくさんの人が泊まるということで、ショックのようだつた。キャンプですら、自分のうちのテントだったものね。

お兄ちゃんは、管理釣り場での経験もあり、ルアーでヒメマスをキープできた。

山小屋の食事。ヒメマスのお刺身定食。

お兄ちゃんは、こんな風に釣っていました。

帰る前に、山小屋の前で、記念撮影です。
帰りは、天気が良すぎて、あまりの暑さに、子供たちは、登りよりばてたようです。特に、帰りは、後半に冷たい水場がありませんから。


「幼稚園でも登れるよ」を実証しました。


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