PART7  かりそめの終焉(前編)  〜Last Tears

 

 我が心の友(笑)Lute氏の一言から、全てが構築されていったシナリオ。  ついにそれをセッションで行う日が来た。  ここまで来た以上、迷っている暇はない。  うぉ〜っ、やる気マンマンだぜぇ〜っ!!(灼熱の獅子モード)

 

 では、そのシナリオの概要を説明しよう!(一度は言ってみたいよね、このセリフ・・・・・・(^^;)  キャスト達はICALUSの突入部隊と共に、DAEDALUS本社ビルに突入し、DAEDALUS社長、ブラック=マーキスを捕らえる、もしくは殺すという、強引かつ大胆な作戦(?)に参加する事になる。  そして、ICALUS側の一員として、イクスも加わっている。  実は彼女こそ、この作戦の重要なキーとなるのだが・・・・・・・・・それについては、後々のお楽しみ、という事で・・・・・・・・・ 

 私は早速キャスト達を、ICALUS本社ビルに召集し、作戦の説明を行った。  だが、案の定と言うべきか、そこで私は痛い指摘をされてしまうのだった。  笹沼(のプレイヤー)、私に向かって一言、

 

「お前、俺のキャストのスタイルわかってるか!?」

 

 ・・・・・・普段、余計な事しかしないくせに、そう言う時だけそういう事言うんだね、君って奴は・・・・・・・・・  要するに彼は、自分のキャストは探偵(フェイト)だから、探偵らしい事をさせろと要求してきたのだ。  普段は、チンピラみたいな事しかしてないくせに。  しかし、今回はこのシナリオしか用意してきてない(普通はそうだと思うが)  私は何とか彼を説得するしかなかった・・・・・・・・・

 

 N◎VAの致命的欠陥(?)の一つとして、キャスト達が独自に動きすぎるというのがある。  ダンジョン探索物などのわりと普通のRPGと違って、N◎VAではパーティを組むのが有益とは限らない。  むしろ逆に、害になりうる場合がありうる。  キャストのスタイルが正反対の時などは特にそうなりやすいだろう。  故に、パーティを組まずに、一人で勝手に動くキャストが出て来たりする。  そういう、ある種の自由度が魅力でN◎VAをやっている人達もいるかもしれない。  しかし、ルーラーをやって初めてわかったのだが、それを統率しなければならないルーラーの苦労は、並大抵のものではない。  この時の苦い経験が、未だ私の心の中で古傷として残り、痛むのだ。  だからこそ、私はもう二度とN◎VAのルーラーなんてやりたくない。  私にそれを捌くだけのキャパシティは存在しない・・・・・・・・・

 

 話を元に戻そう。  私は笹沼(&プレイヤー)を何とか説得し、作戦チームに加えた。  そこで、私はキャスト達とイクスを再会させた。  大喜びする者が、若干一名(笑)  しかし、当のイクスの反応は、極めて冷淡であった・・・・・・・・・

 

 ついにDAEDALUS突入の時間となり、私はキャスト達を2チームに分けた。

 

  TEAM1  小嶋、広瀬唯人、イクス

  TEAM2  Dr.LED、笹沼政次、NPC一名(チームリーダー)

 

 私としては、このチームで行動して欲しかった。  しかし、ここは背徳の街トーキョーN◎VA。  そして相手は、神をも恐れぬ不遜なキャストどもである。  ルーラーの言う事なんて、聞くわけがない・・・・・・・・・

 広瀬、いきなりTEAM1から離脱。  TEAM2と勝手に合流。  もしかして、二人に気を遣ってくれたのだろうか?(笑)  それこそ、大きなお世話なのだが・・・・・・・・・  そして、邪魔者(笑)のいなくなった小嶋は、遠慮なく<コミック・ヒーロー>と称して、イクスを押し倒す(爆)  怒り心頭のイクス、<エンジェル・アーム>を発動させて、小嶋を本気で撃ち殺そうとする(爆)  なんで小嶋がからむと、こうも容易くコントと化してしまうのだろうか・・・・・・・・・(笑えるからいいけどね)  そして、一方のTEAM2の二人。  チームリーダーの言う事などあっさり無視して暴れ放題。  あまつさえ、そのままチームリーダーを置き去りにして、さっさと先に進んでしまうのであった。

 

 ・・・・・・確かに、私は君達のスタイルを理解していなかったようだ。  だが、もうどうでもいい。  もうこれっぽっちも理解したくない。  さっさと人型ナノマシン兵器達に、殺されてしまえ!!!

 

 今回のギミックとして出したのが、大量の人型ナノマシン兵器達。  当然、イクスの改良発展型であり、量産機とはいえ、ルーラーの都合で鬼の様に強い。  <コア>を破壊しない限り再生を続けるので、神業かよほどの大ダメージを与えない限り、まず勝てない。  今までのセッションでも、いくつかの試作機を出していたのだが、一体ずつしか出さなかったので、キャスト達の神業だけで何とかなっていた。  だが、今回ばかりはその手も通用しない。  さあ、そのまま殺されてしまえ(爆)

 

 ・・・・・・・・・というのは冗談である。  いや、マジで。  そこまで私は酷いルーラーではない。  当然、解決策は用意してある。  しかし、その説明は後編に回す事にする。  今回は文章が非常に長くなってしまうので・・・・・・・・・


今だから言える! Prof.Oの私的災厄レポート☆その7

 

 登場判定の事、すっかり忘れてたなぁ、この時は・・・・・・  成功・失敗がある程度プレイヤーの自由にできるN◎VAでは、実際上記のようなことも不可能ではない。  ゲームデザイナーの意図とは全然違うルールの使い方であるだろうが。  こんな奴らを雇ってしまったICARUSも、敵対する事になってしまったDAEDALUSも、不運な・・・いやそれ以上の言葉では到底表し切れない災難に見舞われたものである。

 

 それにしても、笹沼(のプレイヤー)のあの発言は、実にすばらしい迷言である。  後にこの時の事を知人の毒V◎ICE氏と語った時、彼はこんな事を言っていた。

「奴らは、自分がしたいロールプレイができる状況ならよく動くけど、そうでないと全然動かないから!」

 いや、もう、心底納得できるお言葉でしたよ(笑)  自分から目指すものへと動こうとする気がなく、あまつさえそれを全てGMに押しつけるとは、どこまで厚かましい連中であろうか。  ちなみに毒V◎ICE氏のこの名言も、彼らとのN◎VAセッションから得た経験の賜物である事をここに付け加えておく。

 

 その後、笹沼政伸のプレイヤーは、「オレにはTRPGは合わない」と宣言して、そのままサークルを去っていった。  彼は彼で色々と悩み、考えていたのだろう。  私は彼のその行動まで非難するつもりはない。  むしろ立派な決断であると思う。