このエッセイ始まって以来の、前後編仕様である。 それだけ、私のこのシナリオに対する想いが、強い事を表しているのかもしれない・・・・・・
さて、前回の続きである。 キャスト達を殺さないための対策とは一体何なのか? そろそろお気づきの方もいるかもしれない。 そう、イクスこそがそのためのギミックである。 イクスもDAEDALUSの創り出した、人型ナノマシン兵器である。 それを利用し、自らの体を媒体にし、ナノマシン・ウィルスを散布し、全ての人型ナノマシン兵器達の活動を停止させる。 それが、イクスに与えられた役目である。 そして、役目を果たした時、イクスという存在は、消滅する・・・・・・・・・
このアイディア自体は、既にARMSでも出てきたものなので、イメージの湧かない人は、一度読んで見る事をお勧めする(第9巻に載っている)
このため、イクスはこの場で、死ぬか殺されるしかないわけだが、ただ死なせるだけでは面白くない。 ところで、この時イクスと共にいたのは、小嶋ただ一人。 これは千載一遇のチャンスである。 ここで私は、神業≪電脳神≫をイクスに飛ばし、彼女を洗脳して、小嶋に襲いかからせた。
私としては、小嶋が涙ながらにイクスを倒し、一時だけ正気に戻ったイクスが、彼に涙ながらに謝り、彼と共にいた幸せだった日々を懐かしみながら、砂のように彼女の体が崩れていき、それとほぼ同じ時間に、全ての人型ナノマシン兵器達が、イクスと同じ様に砂のように崩れていく・・・・・・・・・ という、美しいシチュエーションを期待していたのだが・・・・・・・・・
ダイス目(N◎VAではトランプ)やプレイヤーの意志は、容易くシナリオ(予定調和)を崩壊させてしまう。 ・・・・・・イクスが強すぎた(爆) 小嶋、あっという間に視力を奪われ、口もきけなくなり、ついには耳まで聞こえなくなった。 ・・・・・・もう、戦えない(死)
・・・・・・仕方ないので、量産型に囲まれて大ピンチだったはずのTEAM2の登場を許可して、彼らにイクスを倒させてしまったのだった。 ちなみに、その時の彼らの一言、
「ストーカーにとり憑かれたストレスで、ついにAIが発狂したか!?」
・・・・・・・・・全然、違うッ・・・・・・とは言い切れん気がする(爆)
そして、さらなる問題があることが発覚。 イクスの最期の言葉が小嶋に伝わらないッ!(爆) 仮に伝わっても、会話ができんッ!!(死) どうしようか、私は途方に暮れてしまった・・・・・・・・・ 苦肉の策として思いついたのが、小嶋の精神世界での会話だった。 科学的、物理的でないなんてツッコミはしないで頂きたい! 他に方法が本気で思いつかなかったんだから!!
そして、精神世界での会話が始まった。 涙ながらにイクスは謝り、冷淡な態度をとっていたのは、お別れが辛くならない様にするためだったことなどを、小嶋に語った。 なぜ、イクスが自らの命を犠牲にしなければならなかったのか? 小嶋のその問いかけに、彼女はこう答えた。
「イクス達、ナノマシン兵器は人間達に害をもたらすだけの存在。 産まれて来ては、いけない存在だったんだよ! だから、イクスと、弟や妹達の罪を、少しでも償いたくて・・・・・・・・・」
ここで、私は意外な一言を聞く事となった。
「そんなことあるもんか! 産まれて来ていけなかった事なんてないよっ!!」
私は、彼が第五話でイクスの事を、すっかり見捨てているものだとばかり思っていた。 まさか、ここで私(とイクス)の望んでいた言葉が聞けるとは思ってもみなかった。 この言葉を聞けた(あるいは言わせられた)だけでも、ルーラーをやってて良かったと、心底思った・・・・・・
イクスの想いは、報われたのだ・・・・・・・・・
今までで、最高のエンディングだった。 このまま、全てを終わらせておくべきだった。 しかし、時間はまだ残っていた。 そして、他のメンバーにGMをやる気は全く見られなかった。 仕方ないので、私は引き続きルーラーをやる事にした。 DAEDALUS社長、ブラック=マーキスは行方不明扱い(社長室にいたのは、ナノマシン兵器の一人で、ブラックの<カゲムシャ>)にしてあったので、続けるのは容易いはずであった。 そう、容易いとその時は信じていた・・・・・・・・・
今だから言える! Prof.Oの私的災厄レポート☆その8
最期の悲しくも美しい別れを演出するためだけに、この回のシナリオを作ったと言っても過言ではない。 当時は、Lute氏やししょーの手によって、K○NONやら○IRにハメられた時期であったため、特にそういうシナリオをしてみたかったのだろうと思われる(爆) 嗚呼、ダメ人間万歳!(爆死)
この試みは、小嶋くん(のプレイヤー)がいたからこそ、実現できたのだ。 ありがとう、小嶋くん!! 私は君の事を一生忘れない!! 何よりも、君にイクスを預けられて良かった―――――
「終わり良ければ全て良し」という格言(?)があるが、私は当時、それを嫌と言うほど実感した。 この時点でGMを別の人間に譲るべきであった。 どれほどワガママな人間に思われても、自分の意志を貫き通すべきだった。 今更ながら、自分の人の良さと意志の弱さを嘆きたくなってしまうのだった・・・・・・