シーン5 鋼の魔獣と白き亡霊 <デクストラ正位置>
―――――どことも知れない、暗い部屋。 そこに居座る、一人の人影。
ガシャッ、ガシャッ、ガシャッ・・・・・・金属音が近づいて来た。 それは例の人物の前で止まった。
「”リッター”、ただいま参上致しました」
「・・・相変らず、礼儀正しいな。 今日は何の用だ?」
「”ゲシュペンスト”より報告が届きましたので、ご報告に参りました。 ・・・ゼノンを倒した四名の者たちを<聖痕者>と確認。 調査を現在も続行中。 ゼノンは同志候補を一人確保していた模様。 その者は現在、件の聖痕者たちと共に行動中。 こちらの調査も開始するとの事です」
「ほぅ・・・ゼノンめ、私の言いつけは一応守っていたようだな。 しかし、報告を怠っていては、何の意味もないのだがな・・・・・・」
「聖痕者たちは現在、テーベの村に向かっている模様。 “ゲシュペンスト“は“キマイラ“と接触し、共同作戦を行なうようです」
「ほう、“キマイラ“か・・・・・・彼らの力を見極めるには、良い相手かもしれんな」
「“ゲシュペンスト“はこのまま監視につけておくつもりですか?」
「いや、その作戦が終了次第、帰還するよう伝えておけ」
「承知致しました」