色紙と紙の種類




サインをもらうときに書いてもらうものはたくさんあります。たとば色紙であったり、写真であったりボールであったりと正に星の数だけ種類は存在するでしょう。

その中でも特に皆さんがサインをもらうときに使用するのは『紙媒体』だとおもいます。

というわけで今回は以前「サイン収集法 書くもの 書かれるもの」内の書かれるもの(紙など媒体)』『書かれるもの番外編(色紙について)』で書いた『紙媒体』のことを色紙中心に更に分かりやすく解説。重複する部分があると思いますが、『紙の種類』を早見表形式で紹介したいと思いますので参考にしてみてください。


紙の種類早見表(ポイントには色を付けておきます
色紙の種類 詳細
奉書(ほうしょ)

本来、楮皮(麻葉、要楮、真楮など)の繊維を原料にして手漉き(流し漉き)で抄紙した嵩のある柔らかい和紙であるが、現在では手漉きで純楮の奉書紙は、昔の面影としても容易に見られなくなり、奉書紙といえば機械で木材ハルプを原料としたものを指す

最近では練習用の紙として格安で売っているのをよく目にする。

一般に『サイン用色紙』といえばこの色紙が該当することがほとんど。

本鳥の子(ほんとりのこ) 本来は雁皮紙(かんびし)をさし、その色合いが鶏卵の殻の淡黄色に似ているところから鳥の子と呼ばれた。本鳥の子は紙料によって、特号紙(雁皮紙)・一号紙(雁皮+三椏)・二号紙(三椏)・三号紙(三椏+パルプ)・四号紙(マニラ麻+パルプ)の種類がある。
鳥の子(とりのこ) 本鳥の子が手漉きでつくられるのに比べ、鳥の子は抄紙機を用いて漉く(要は機械で漉く)
麻紙(まし) 麻を紙料として漉いた和紙
画仙 本来、中国からきた紙をいう。中国の紙が手に入りにくくなった昭和20年代に、 三椏紙の産地を中心に竹・稲・木材など各種の原料を配合して中国風の書画用紙を漉き始め、 因州画仙紙(鳥取県)、 甲州画仙紙(山梨県)などとと発展。近年ではそういった日本で作られた画仙紙を『和画仙』、本来の画仙紙の元である中国の画仙紙のことを『本画仙』と区別している。
ワトソン紙 木綿繊維を主原料とした紙で、表面は消しゴムにも強く、デッサン、スケッチ、水彩画に最適
スケッチブックとしても売られている。
ケント紙

木綿や麻の繊維を主成分とした高級な紙。
普通は一枚の紙として売られているが、ケント紙材質のイラストボートやケント紙版のスケッチブック(本来はデザイン用などに使用)のような感じでも売られている、絵を描く人にサインをもらうのには色紙よりケント紙のイラストボードにもらったほうが実はよかったりする(もちろんその限りではないが)。

昨今ではケント紙材質の色紙も登場しており、もしその色紙を見つけたら’油性マジックで絵を描く作家さんにサインをもらうには一番適している’くらいに考えて購入してもよいだろう。
ただし、まだ本来の色紙に比べると圧倒的に普及していないので、無かったら素直に諦めるかWebショップの通販で探してみよう。
最近では油性マーカー「コピック」に特化した専用色紙もコピック販売メーカーから発売されている。

マーメイド紙 目の粗い高級な水彩紙。デッセン、スケッチ、水彩画には最適な紙。スケッチブックとしてよく売られている。
ブレダン紙 乳白色で弾力性があり絵の具の吸い込みがいい版画用紙。版画用紙ということだけあって木版、リトグラフ、シルクスクリーンに適している。
水彩、墨で描く絵にも適していて、いい味がでる。
キャンソン紙 高級画用紙。カラーインクの発色に優れている。水彩やエアブラシも◎
画用紙 広く知れ渡っている紙。とは言っても『画用紙』とは’画をする用紙’と言う意味なので全ての紙が当てはまってしまう。

なので実際に見てみないとその材質は分からない。

本当はもっと色々な種類の紙があるのですがサイン用としてもらうのにはこれくらい挙げておけばいいでしょうか。
上記の下の4つは主にスケッチブックとして売られている紙です。
余談ですが、スケッチブックとクロッキー帳(クロッキーブック)を間違えて買わないようにしましょう。
クロッキーの場合だとクッキー紙というペラペラの紙ですのでサインには向いていません。


 



よくみかける色紙の一般的な種類早見表
《個人で調べたものなので間違っていたらゴメンナサイ!》

色紙の種類と売られているときに見かける名前 詳細
まる松 普段「サイン色紙」として売られている最もポピュラーな白い色紙にじみの無い白色紙なのでサインには適しているが、
純粋に「和紙」として見るといい材料は使っていないと思われる。だが、にじまず引っかかりも無いので書くほうにとっては書きやすいのは確かなのでサインもそうだが、なんかのお祝いで寄せ書きとかを書くときはこれをお勧めできる。
ただ、個人的な意見としては下記にある松(奉書)よりは紙の厚さがあるので、色紙の台紙が透けて見えることはないと思われる(奉書は多少見えているので)。

確証はないが、見た感じ『まる松』と『松』の違いは明度の差があり『まる松』のほうが明度は高い。

注・あくまで私の地元の売っている色紙を見て参考にしているだけですので、参考程度にしておいてください。
松(奉書)

画仙張りより少し強度のある和紙の「奉書紙張」

白色の奉書紙で作られた機械張りの色紙。書きやすく吸収もよいがにじみはあまり無い。表面は滑らか
「サイン用色紙」「練習用色紙」としてまる松と同じくもっともポピュラーな色紙。

練習用のせいか奉書系の色紙はFクラスの色紙はほとんど売っていない。(ネットの普及でF系の奉書も見るようになった ※2018年)

確証はないが松梅竹というのは紙質のランク。価格でみると竹>梅>松の順が多い。

梅(奉書)
竹(奉書)
松画仙

”にじみ”活かす柔らかい和紙を使った「画仙紙張」


白色の機械で作った画仙。書きやすく吸収がよく、やわらかなにじみが美しい画仙。墨の発色も良く、美しい色が出る

画仙系の色紙は小型の色紙からF10の色紙まで画材専門店や和紙専門店に行けば80%くらいの確立で手に入る(・・・と思う)


確証はないが松梅竹というのは紙質のランク。価格でみると竹>梅>松の順が多い。

竹画仙
梅画仙
鳥の子(並)

普段よく見る黄色い色紙。雁皮と楮を混ぜ合わせた良質の紙。
書くほうにとってはペンが滑らかに進むらしく書きやすい紙質。
普段見受けられるのは機械漉き鳥の子で、クリーム色をしています。繊維が密で紙肌は大変滑らか。 吸収が遅くにじみが無いので、上記の通り書くほうにとっては書きやすい紙質。

本来はサイン用ではなく俳句などを書くために色紙らしい。

鳥の子系の色紙も小型の色紙からF10の色紙まで専門店に行けば80%くらいの確立で手に入る(・・・と思う)

鳥の子(特上) (並)がクリーム色に対してこちらは茶色がかっている。風流な色で個人的には好き。
あまり売っていないのが難点。
紙表は平滑で、きめ細やかな凸凹がある。吸収が遅くにじみはない。サインには適さないかもしれないが、日本画とかには最高の風格を漂わせる色紙なんじゃないか。
鳥の子(極上) 鳥の子の白地タイプ
上記のものがよく色紙売り場に売っている色紙の種類です。
それに加えて『松・竹・梅』と書かれている欄のものには
『ドーサ引き』『簾の目入り』と言うものがあります。
下記の『用語や小ネタ』の欄を見ていただければ分かると思いますのでご参考になさって下さい。

参考までに
1 ドーサ無し で 簾の目無し の色紙
2 ドーサ無し で 簾の目有り の色紙
3 ドーサ有り で 簾の目無し の色紙
4 ドーサ有り で 簾の目有り の色紙
という1枚の色紙でも4種類存在します。


ちょっとした用語や小ネタ

和紙という言葉 普段「和紙」という言葉を耳にしますが、これは日本で作られた紙なので「和紙」であり、中国で作られた紙は「唐紙(とうし)」と呼ばれます。
ドーサ引き ニカワとミョウバンを混合した液を紙に浸透させ吸水性を緩和しています。

ニカワ(膠)って日本画とかでよく使うんですが、水を弾く性質があります。
簾の目(簀の目)
(すのめ)
紙を透かして見た時の竹ひご模様のこと。色紙の場合、紙と台紙がくっついているので透かせないが、見たら一目瞭然。

簡単に言うと、色紙を見たときに横線が入っている色紙のことです。
管理者より一言 えーと、一概には言えないと思いますが、サインをもらうときにこれだけはやめておいたほうがいいと思う色紙があります。それは100円ショップで売っている色紙です。出荷元のメーカーにより材質が違うとは思いますが粗悪なものがかなり多いです。私が見た感じですとコストを極力抑えた極薄の紙を台紙に貼り付けただけという感じで、売られている時から色紙そのものが弓なりに曲がっていることもしばしばです。
また、100円ショップに限らず粗悪品を買うと、紙と台紙の間にゴミなどの不純物が交じる場合があり、数年経つとそこから茶色いシミが発生し、もらったサインが台無しになります。

2枚セットで100円と手頃かもしれませんが、著名人にもらうサインでしたら極力ちゃんとした画材店で買ったほうがいいです。





トップページへ

Legend of navy