春のブルターニュ:ヴァンヌ&ナント      2019.4.16~4.19

4月16日(月)晴れ Paris8h57===(TGV)===11h57Vannes
 朝テレビを点けると、ノートルダム大聖堂の火事の様子をやっていた。《フランス人にとっての大変なショック》が
迫ってくるような感じであった。ただ、私にはじっくりテレビを見ている時間はなかった。駅で《まだ切符の受け取りの
手続きがしてない》ことに気付いたからだ。
 ホテルを出る。歩いて5分足らずでモンパルナス駅に着く。家内にホールで待っていて貰い、日本でいうところの
《みどりの窓口》を探す。とてつもなく大きな駅でなかなか見つからなかったが、《KIOSK》のおばちゃんに聞くと
直ぐに分かった。窓口は長蛇の列。TGVの発車の時間まであと20分。《並んでいたら間に合わない。》少しばかり
焦った。(´Д`) 丁度そこに若い女性の駅員がいた。事情を話すと《OK》と言って、何台か並んでいる機械で直ぐに
切符を取り出してくれた。《BON VOYAGES!》(旅をお楽しみください!)と言って私に切符をくれた。彼女の笑顔
が輝いて見えた。(^_-)-☆

    
    《車窓からは一面の菜の花畑が見えた》

 TGVに乗って20分もすると、広大なフランスの大地が広がった。春、菜の花畑がどこまでも続いて綺麗だった。
フランス西部・ブルターニュのヴァンヌに行くのはおよそ30年振りである。《その時に泊まったホテルのご主人は
お元気だろうか?》《相談に乗ってくれた優しい毛糸屋のおばちゃんとは会えるだろうか?》楽しみであった。途中
の大きな駅、レンヌに列車が停まった。《あの時出会った、アンダースタンド?の若い女性はどうしているかなあ?》
と家内に話しかける。レンヌのカフェで昼食を取った際、隣に座っていた女性と話したとき、何かにつけて《アンダー
スタンド?》とカタカナ英語で話してくれたことを思い出していたのだ。もう30年も経っていた。懐かしい思い出である。

 パリから3時間、列車は予定通り12時前にヴァンヌに着いた。私たちは駅前のホテルに向かった。《ボンジュール!》
フロントには従業員なのか若い女性がいた。チェックインは2時からということで、荷物だけを預けて街に出て昼食を
取ることにした。駅からなだらかな坂を下り、お城の庭を通ってヨットバーバーまで歩いた。30年前の懐かしい景色が
あった。海からの風が心地よかった。

    
    《ヨットハーバー前のカフェレストランで昼食を取る》

 
                     《ヴァンヌ大聖堂とお城の美しい庭》

 旧市街地は昔のままだった。思い出の《毛糸屋さん》を探してみたが分からなかった。30年も前のこと、場所も
不確かだし、店ももうないのかもしれない。

 ホテルに戻り、《30年前に泊まったことがある。ご主人はお元気ですか?》と聞いてみた。《数年前に私たち
夫婦がここを買ったんです。》とのことであった。ホテルの名前は前と同じだったので、経営者は同じものと勝手に
思っていた。残念であった。(>_<)

4月17日(火)晴れ ヴァンヌ市内散策

 
《旧市街地入り口の門:街の雰囲気は30年前と一緒》(^_-)-☆

 街の中心広場で露天市をやっていた。近隣の町から大勢の人たちが出て来て大盛況。私たちは市場が
大好き。人々の生活に直に触れる感じがする。食料品や衣料品の店がずら~っと並ぶ。店番のおじさんや
おばさん、若い店員の威勢の良い大きな声が飛ぶ。どこの国でも同じだ。私は《バンド》を買い、家内は
《ハチミツ》を買った。

  

 ヴァンヌからナントへはバスを使って行こうと考えていた。自宅のPCで調べたところ、国鉄だと一人23€に対して、
バスだと0.99€(約100円)なのだ、信じられない安さ。《所用時間はほぼ一緒》となれば、勝負は決まっている。
夕刻、駅前のバスセンターに行ってみた。バスが停まっていたので運転手さんに聞いてみた。《明日、二人でナント
まで行きたいのですが、切符はバスの中で買えるのですか?》《インターネットで買うと良いよ。その方が安いよ。》
《いくらですか?》《インターネットだと、二人で11.6€。運転手に現金で払うと35€するよ。》 運賃の決め方がよく
理解できない。《自宅で見た0.99€は何だったのだろうか》と思ったが、いずれにしても大変な違いに驚き、ホテル
に戻って事情を話し、インターネットから切符を買って貰うことにした。
 フロントにいたマダムにそのことを話すと、快く引き受けて切符を買ってくれた。(^_-)-☆

4月18日(水)晴れ Vannes10h00---(Flix bus)---11h20Nantes
 午前6時、窓際が少し明るくなって来た。ぐっすり眠れて気持ちよく目が覚めた。ナントへの移動日。準備をする。
バスの切符を確認。アレッ?? 切符が2枚ある。1枚は《ヴァンヌ=ナント:11.6€》 もう1枚は《ヴァンヌ=パリ=
リヨン:189€》 《マダムに切符を買ってもらったとき、ヴァンヌ=パリ=リヨンが何とかかんとか言っていた。それを
PCの画面から消し忘れて買ってしまったのかもしれない?切符があるということは支払いも済んでいるということ?
だとしたらキャンセルしなくては!》 直ぐに1階のフロントに行ってみたが、まだ朝早くて閉まっていた。
 午前7時スギ、再びフロントに行ってみると、ダンナさんがいた。《ボンジュール!》 切符を見せて、事情を話すと、
彼は直ぐにPCに向かい、難しい顔をしながら画面とにらめっこ。《これは大問題だ!》と。
 5分位経ったろうか。《大丈夫、何とかなります。》落ち着いた顔に戻っていた。そして、《キャンセル料を差し引かれて、
代金はFlix-bus利用券で戻されます。これは、私共の全くのミスですので、この利用券を私共が買い取り、現金をあなた
にお渡しします。それでよろしいでしょうか。》《勿論です。ありがとうございました。》 一件落着!(^_-)-☆

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 午前10時、バスは軽快に走り出した。30年ぶりに訪れたヴァンヌともお別れである。高速道路をひた走る。ただ、
景色は期待に反してあまり良くなかった。広大なフランスの大地をイメージしていただけに、雑木林を切り開いた
高速道路には少しがっかり。

 ナントはブルターニュの南端の町、人口は約30万人、大都会である。私たちは、まずホテルに入り休憩。それから
街に出てみた。《30年前とは随分変わったなあ。》 町並みが整備され、賑やかだった。


《ナント城》                            《入り口1階、出口3階:坂を利用した綺麗な商店街》

4月19日(木)晴れ ナント市内散策
 現在フランスでは少し大きな町ではトラムが縦横に走り、市民の重要な足になっている。約30年前、私がナント
訪れた時、《フランスで初めてのトラム》として親しまれていた。その当時は現在のA線のみであったが、現在では
B線、C線と延長され、街の東西南北に延びている。
 午前中私たちは、《B線の終点まで行ってみよう》と、トラムの旅を楽しんだ。B線は町の東の山の手に向かう路線だ。
トラムはドンドン坂を上って行く。眼下にナントの街が見えた。暫くすると、緑いっぱいの大きな公園のような地区に出た。
どうやら大学のようだ。学生さんらしき若者が三々五々歩いていた。《素晴らしい環境の大学》 都市部に集中する日本の
大学との違いを感じた。

     
     《昼食:レストランの中の素晴らしさに驚く》

《白身魚をほぐして、マッシュ・ド・ポテトと合えた一品:絶品》    《牛ヒレ肉とポテト》

 昼食の後、ナント島の《Les Machines》に行った。ここはナントが生んだ作家、ジューヌ・ヴェルヌからヒントを得たテーマパーク。
特に、象機械が有名で子供も大人も楽しめる、夢のあるパークだ。象や蜘蛛の乗り物に乗るには有料だが、入場は只。
ここは、今回私たちがナントを訪れた目的の一つだった。

     

 象が鼻から水を吐きながら園内をゆっくり移動する時には、子供たちはキャーキャー興奮しながら一緒に飛び回っていた。