Nゲージ蒸気機関車>蒸機の工作>4500タイプ(3Dプリンター)
2022.9.16
トーマモデルワークスの雨宮Bタンク用動力ユニットを並べ、4500形の上廻りを載せました。
この動力ユニットはモーターが横置きのため(自動車のエンジンなら縦置きですか…)、4500形の長いサイドタンクに隠れて好都合です。写真で並んでいるのは特に関係しないB6です、すみません。
実物の4500形は前後の走り装置が思ったより近接しており、Bタンクの動力ユニットをぴったり並べても、上廻りに比べてだいぶ長くなってしまいそうでした。
できる範囲で動力ユニットを切り詰めました。
後方は安全にギヤケースの直後でカットしました。ギヤを完全露出させるのはやめました。
後方動力の前側も削り込み、前方動力の後端がはまるようにしました。
前後の動力が少し食い込む感じに並びます。まだ長いのですが、市販動力を利用する遊びですから割り切って先に進みました。
こんな感じなので前方動力の首振りはあきらめました。見たところ一般的なR280やR320程度なら走れそうです。
キャブや炭庫が改造された後の姿にしました。手持ちの資料でわからなかったところは自分なりに決めて作図しました。
長さは下廻りに合わせず1/150としました。下廻りは全体的に少し前にずらしますが、それでも最後の動輪が乗降口の真下に来るので、念のためステップの下段はカットしました。
内寸には比較的余裕があるため肉厚1mmを確保しました。端梁周辺のパーツは塗り分けのために分離しました。
上下の固定はスマートな方法が思い付かず、とりあえず調整の余地も残して両面テープ留めにしました。赤い部分が動力部の床板に載ります。
機材はPhrozen Sonic Mini 4KとPeopoly製FEPフィルムです。UV樹脂は靱性の高いxUltrat Blackです。
なるべく側面に強い筋目が入らないよう注意して造形しました。側面はリベットだらけのため、ペーパーがけが必要になってしまうと面倒だからです。
1層はxy解像度と同じ0.035mmとし、各層5秒の露光としました。昇降速度は少し遅めにしました。室温は28度程度に保ち、4時間少々で終わりました。
車体は30秒程度表面を二次硬化させたあと、ざっとサポートを切除して裏側まで紫外線が当たるようにしました。それから改めて裏・表をきちんと二次硬化させました。今回はまずまず狙い通り、しっかり造形できたと思います。
他のパーツは造形高さが低いので、それぞれ20分〜1時間程度で造形が終わりました。
ナンバープレートは形式入りの赤地としました。J.A.マッファイのメーカーズプレートは黒地にしようかと迷いましたが、結局同色としました。
メーカーズプレートは細かいので、何かがゴチャゴチャ書かれている感じがするだけです。切り離すとどちらが上かもよくわからなくなってしまいます。
長く見えるサイドタンクは3.7センチ程度です。Nゲージは小さいですね。
4500形として見ますと下廻りはもう全然違いますけども、やってみたかったことはこういうことになります。
写真を参考に、煙室扉はボイラー中心より少し低い位置に作りました。
前のシリンダーに直径の大きい円板を貼り付けると、低圧シリンダー風になるかもしれません。
後ろは特によくわからなかったので、実物とはかなり違うと思います。
カプラー取り付け部が後部にはみ出しており、そこにNo.2001をそのまま付けたのでさらに出っ張っています。特に編成での活用は思い付かないので、短い固定式にしてもよかったかも。
完成したニセ4500形を実際に走らせた印象は、Bタンクを重連で走らせるのとほぼ同じでした。2人で入る動物の着ぐるみを連想してしまいました。
曲線通過はR280程度までは平気だったので一安心でした。R249ではさすがに苦しい様子で、R280以上限定としました。
手軽に一風変わったものができたのでちょっと嬉しいです。
●おもな参考書籍(書籍名のみ・一部)
・蒸気機関車スタイルブック(旧版・新版) 機芸出版社
・明治の機関車コレクション 機芸出版社
・切りぬく本 紙で作る日本の蒸気機関車 誠文堂新光社 ※4500形のペーパーモデルも収録されています。
・1号機関車からC63まで ネコ・パブリッシング
・ドイツ生れのBBマレータンク機 国鉄4500形を作る 鉄道模型趣味1984年7月号(NO.445) 機芸出版社
・4500形マレー・タンク機 組み立てリポート 鉄道模型趣味1998年4月号(NO.639) 機芸出版社