Nゲージ蒸気機関車蒸機の工作>2001.1.2

ワールド工芸のC55流線型を直接駆動式にする

ワールド工芸のC55流線型は、とても良いプロポーションですが、動力が改良前の製品のため、牽引力や安定速度の面で難があるのは否めません。
そこで、その後発売されたマイクロエースのC55の動力を使って、ワールド工芸のC55流線型の走行性能を向上させてみました。

2001.1.2


要領

マイクロエースのC55は曲線通過のため横幅がかなり広くなっていますが、金属製のワールド工芸製品なら肉厚が薄いため、狭い横幅でも曲線通過が可能です。

左:改造前、右:改造後

上の写真の左が改造後のワールド工芸製品、右がマイクロエース製品そのものです。
ボディー幅が狭くマイクロエースの動力がそのままでは収まらないので、上から見てバルブスピンドルガイド・モーションプレートの表面を、シリンダーブロックよりも外側にはみ出さないように削ります。
バルブスピンドルガイドを削るため、コンビネーションレバーが取れてしまいますが、最終的に外側に側板がぴったりはまるため、完成時にはコンビネーションレバーを取り付けることが可能です(この意味はやってみれはすぐわかります)。

なお、リターンクランクもかなり外側に出っ張っているので、私はピンを少し切り詰めました。

ボディーの組み立て

ボディー側の加工

ボディーはキットをほぼそのまま組み立てますが、動力にかぶせる部分のみ工夫が必要です。
まず、キャブ前妻板が傾斜しているため、モーターがつかえるので、モーターはキャブ後方に1mmほどはみ出します。そのためキャブ後妻板をモーターが入るように欠き取ります。強度を持たせるため、後妻板を丸ごと切り取るのは避けたほうが良いと思います。
床板も切り取り、ボディー下部2箇所にある横ステー(本来の下回りを取り付けるためのもの)も取り付けずにおきます。
また、キャブ前妻板の下部の欠き取り(上の写真で、キャブとボイラーの仕切りのように見える部分)も少し広げます。ここに動力ユニットが当たるためです。ボイラーいっぱいまで広げる必要はありません。

下廻りとの組み合わせ

組み合わせの要領

下廻りは、A・Bの2箇所に両面テープを貼ってボディーと接合しました。A部はテープを3枚ほど重ねて動力との隙間を埋めます。ここは絶縁もかねています。
テンダーは製品の側板をすべて切り取り、床板の幅を詰めて利用します。テンダー下部カバーは、キットではアンダーフレームと一体になっているので使用できず、4mm幅に切った帯材を床板側にエポキシで接着して作りました。
なお写真のCは、製品のテンダー屋根から出っ張っていた突起です。台車のタッピングビスがここにねじ込まれているため、この突起だけを元の屋根から切り取って利用しました。

上から見たところ

左:加工後、右:マイクロエース製品

ボディーと組み合わせて上から見たところです。左が加工したワールド工芸製品、右がマイクロエース製品です。横幅の違いがはっきりわかります。

完成

完成

以上で完成です。KATOやMODEMOの客車を10両以上安定して牽引できますし、プロポーションも良いので成功です。ユニトラックのR282もちゃんとクリアします。
製作に要した時間は6時間ほどでしたが、すでに組み立て済みのキットからの改造であれば、もっと早くできるかもしれません。
私は、改造中にどこかを曲げてしまいそうな予感がしたので、新しいキットで1から始めました。


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