Nゲージ蒸気機関車2013年のメモ>2013.4.18

アリイのED-58(EDシリーズ 電動プラ模型)

アリイ ED58パッケージ

2013.4.18/2023.5.20

1971〜1975年頃まで存在したアリイの鉄道プラ模型に、EDシリーズ?という4種類の電気機関車がありました。16mmゲージの円形レール一式が付いた、モーターで走行するものです。
自由型ということで「ED-58」となっていますが、箱絵を見るとナンバー以外はほとんど実物のEF58と変わりません。

…しかし、現在も売られているアリイ(マイクロエース)の、103系等の鉄道プラ模型とは構造がまったく異なります。

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キットの様子

一番目立つ箱絵は実物のEF58に似た格好ですが、よく見ると他にもイラストが付いています。

左上のイラスト
パッケージ左上にあるイラスト。ライムグリーンの車体にD形の電気機関車が。これがED-58?
側面のイラスト
同じパッケージの側面イラスト。こちらはもう少し箱絵に近いかもしれません。EF58のようですが動輪4軸です。
なお、説明文にはちゃんと「自由形電気機関車」と記されています。

中身はいずれとも違います(笑)。ドキドキします。でも想定の範囲内です。

箱の中身

ふたを開けると、きれいに揃った曲線レールと車体が見えます。中央にはシリーズの紹介を兼ねた飾り帯。
これは欲しくなります(そしてまた騙されるのね!)。

購入価格は600円でした。初期は500円だったようです。当時の小学校高学年のお小遣いでも、ぎりぎり買える可能性があったでしょう。この時期、モーターで動く鉄道プラ模型は概ね1,000円以上に値上がりしていたので、これは相当なお買い得です。 どんなところでコストを切り詰めているのかに注目していただければ興味深いと思います。

なお、当時のKATOの2軸貨車は500円、トミーなら350円でした。何とか小学生のお小遣いでも買えた値段です。
これが蒸気機関車になると、最も安かったドックサイダーで2,500円、C11で3,500円ですから、現在の大人が金属蒸機の完成品を買うような覚悟ですね。

飾り帯1

内部を横切っている飾り帯。EDシリーズの4つが紹介されています。形式名はすべてハイフン入りです。
まずはED-100、ED-70。

ED-100と一緒に写っているのはD51の切り詰めデフです。北海道にいたという設定(交流)?
ED-70は発売当時、すぐ組み立てました。ピンク色っぽい梨地仕上げの車体がめちゃくちゃ不気味でした。

飾り帯2

残りはED-66、ED-58です。

ED-66、格好良さそうですね。中身は存じませんけど…。

車体

車体はザラザラに梨地仕上げされています。「ボディつや消し仕上げ」とあるので売りのひとつのようです。
下側は、床下と台車のイラストが書かれた厚紙の装飾により、パッケージに固定されています。なおイラストの台車や床下機器は、実際のキットの形状とは特に関係ありません。

私は持っていませんが、設計にあたってはカツミのED58なども大いに参考にされているのでしょうね。

部品袋(表)
動力関係のパーツが入った袋です。
“★スケールモデル★オリジナルモデル★ユニークなアイデア★”
…アリイのコンセプトを的確に表しています。もっともアリイの「スケールモデル」はあまり覚えていませんけど。

部品袋(裏)
裏側でも熱い主張が続きます。
“★最高の設備と技術”
“★常に躍進をつづける”

アリイのプラ模型の説明書は、絵はアレですが手順はわかりやすいものが多かったと思います。
このキットもそうです。

部品図

説明書の部品図。左上の大きいのが何か気になりますね…。
シリーズ共通のランナーになっているらしく、4タイプのスカートがモールドされています(使うのは1タイプ)。「不要部品」とあちこちに記されていますが、この図を見ると必要なものがないように見えてしまいます。

なお中央付近の小さな2個の部品にバツ印がありますが、このバツは間違いで、ちゃんと使用するパーツです。

ランナー

実際のランナーはこんな感じです。左上の大きな部品は床板でした。
部品番号というものは存在せず、説明書にもランナーにも番号はありません。しかし、部品が少ないので対応は簡単にわかります。

組み立て図(中盤) 組み立て図(終盤)
組み立て図の一部です。定規が使われているのにフリーハンドのように見えるのがとてもヨイ味です。
右上でドライバーが光っているように見えます。これは焼き止めしろということです。なんにもそんな説明はありませんが、当時のプラ模型ではたまに焼き止めが必要でした。
終盤になるとイラストレーターさんが疲れてしまったのか、かなりテキトーな感じ(笑)。今ならコンピューターで合理的に画ける部分も当時は手画きですものね。でも当時の他のプラ模型メーカーの説明書が、全部こうだったというわけではないんですよね。
組み立て図(中盤) 組み立て図の一部です。定規が使われているのにフリーハンドのように見えるのがとてもヨイ味です。
右上でドライバーが光っているように見えます。これは焼き止めしろということです。なんにもそんな説明はありませんが、当時のプラ模型ではたまに焼き止めが必要でした。
組み立て図(終盤) 終盤になるとイラストレーターさんが疲れてしまったのか、かなりテキトーな感じ(笑)。今ならコンピューターで合理的に画ける部分も当時は手画きですものね。でも当時の他のプラ模型メーカーの説明書が、全部こうだったというわけではないんですよね。

40年のほったらかしの後ですが、早速組み立てます。


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