Nゲージ蒸気機関車蒸機の工作>雨宮タイプBタンク〔密閉キャブ〕(新)の組み立て

雨宮タイプBタンク(新)の組み立て その2

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上廻り

ボイラーはキャブに固定されるのではなく、床板に固定されているのがこのシリーズの特徴です。平らな床板を基準として、全体をまっすぐにまとめやすくなっています。

ボイラーの穴あけ

今回、ボイラーは煙突・ドームなどと一体のホワイトメタルに変更されています。ちょうど昨年の宮崎交通コッペル4号機のような感じです。

下部の2箇所には、1.4mmネジで留めるため、1.2mmドリルで下穴を開けました。深さは2mm程度で十分です。柔らかいのでタップは立てませんでした。

ボイラーの取り付け ボイラーを2本のネジで床板の下側から留め、さらに瞬間接着剤で固定しました。
一体なので、煙突やドームの裾もすっきりしていて、そこは旧製品よりよい感じです。
車体エッチング板

車体(キャブ+タンク)は1枚のエッチング板で、別パーツは前後妻板関連と手すりです。

概ね番号順に曲げていきました。最後の5は、先の細いヤットコかラジオペンチがないと、うまく曲がりません。個人的にはこの部分の板(タンクの内側側面)はなくてもよいように思います。

表板の折り重ね

1(タンク上部)を直角に曲げ、次に2を180度折り返して貼り合わせました。貼り合わせの前に、折り目はヤットコで平らにつぶしておきます。
最後に前方の3を曲げました。

タンクの下部(2の折り目)は、ヤスリでまっすぐにしておきます。

タンクふたの固定

タンクのふたを折り重ねてハンダ付けしました。外側のブリッジを切り離すと美しいのでしょうが、面倒なのでそのままにしました。
屋根の部分も片側だけ曲げていますが、特に意味はありません。

妻板の固定

残りの折り線を曲げて全体を箱にし、前部妻板を固定しました。妻板の上部の突起は、あとで屋根にはまり込むので削らずにおきます。

手すりの固定

ここで側面の手すりをハンダ付けしました。後ろをふさぐ前のほうがハンダ付けしやすいです。

手すりと後部妻板の固定

後部妻板と、タンクの背板を固定しました。これで全体が箱になりました。

屋根の曲げ

屋根を曲げます。最初に妻板のカーブをよく見て曲がり具合を覚え(これ結構大事なように思います)、ゴム板に丸棒で押し付けて少しずつ曲げました。
曲げやすいように溝がたくさん入っていますが、特定のところで折り目が付きやすいということにもなるので、油断できません。

後部タンクの固定

曲げた屋根に天窓を取り付け、それからキャブに固定しました。
キャブへのハンダ付けは、構造上どうしても裏側からはできず、泣く泣く表からやりました。しかも曲がって付いてしまい、あとで四辺をヤスって形を直すことになりました。

取り付け座の固定

左右つながったままの取り付け座に1.4mmタップを立て、底部に固定してから中央の仮ブリッジを切り取りました。

生地完成

これで塗装前の工作は全部終わりです。今回は材質がすべて銀色なので、未塗装でも銀色のきれいな機関車になります。

塗装

塗装は水性のメタルプライマーと、水性の黒で行いました。安全弁+汽笛は金色に塗り、塗装後に接着しました。
スライドバーの部分は、あとで塗装を剥がしました。

最終組み込み

通電部の塗装をはがす

モーター取り付け部のネジ穴は、もう一度1.4mmタップを立てて塗装を剥がしておきました。

ウォーム深さの確認

モーターを仮に取り付け、ウォームを差し込んでみて、適切な位置を確認しました。モーター軸よりも約1mm弱ウォームが出っ張るぐらいにしました。しかし、出っ張りすぎるとポイントやアンカプラーに引っかかるので注意します。

ウォームは旧製品では圧入でしたが、今回は接着になりますので、エポキシで接着しました。

配線

モーター端子にリード線をハンダ付けし、一方はモーター台にハンダ付けしました。他方にはフレームに接続する配線ラグをハンダ付けしました。いずれも配線用のヤニ入りハンダで、金属用フラックスは使いません。

配線ラグ取り付け

モーターを床板に取り付け、配線ラグは床板の穴を通して、動力フレームにネジ留めします。
このとき後方のネジを一度外し、段付プラワッシャーとフレーム(青色)の間に挟むようにします。ネジの部分は反対側のフレーム(赤色)の極性になっていますから、ここに配線ラグが触れるとショートします。

配線ラグは、床板など他の金属部分(赤色)に触れないよう注意します。

仮組み

動力フレームを仮に取り付け、試験走行しました。ややウォームの噛み合わせが固めでしたが、許容範囲だったのでそのままにしました。気持ちだけ、動力フレームを前寄りに取り付けるようにし、ウォームとの隙間を広げた程度です(たぶんほとんど変わっていないと思います)。

ロッドピン

長短2本ずつのロッドピンを両面テープで固定し、長のほうにワッシャーを挟んでから、黒のプラパイプを差し込んで接着しました。

輪心接着

輪心は目分量で方向を揃え、ゴム系接着剤で接着しました。
ロッドピンは傾かないように注意して、エポキシで接着しました。

非公式側

そのまま裏返したところ。90度先行させます。

サイドロッド固定

サイドロッドをロッドピンに上方から引っ掛けるようにはめ込みます。後方のロッドピンにはワッシャーが入っているので、ワッシャーと輪心の間にはめ込みます。

スライドバーの後部には凹形の逃げがあります。サイドロッドが一番上に来たときに、この凹部にロッドが逃げるようになっています。サイドロッドを付けたら慎重に動かして、引っかからないか様子を見ます。
問題なければ反対側も取り付けます。

クロスヘッド組み立て

クロスヘッドにピストン棒とメインロッドを重ねて、ロッドピンを固定します。
ピストン棒には上下の向きがあるように見えますが、説明書を見てもよくわからず、適当に付けました。

ロッドピンはハンダ付けまたはカシメとなっているので、今回はペンチでかしめました。ピンをなくさないように、両面テープを使っています。

クロスヘッド組み立て(拡大)

同じ写真の部分拡大です。

カシメの具合を確かめるため、メインロッドを動かしながら徐々に力を入れていき、メインロッドとピンが固定されたと感じたところでやめました。
うまく固定されたら、内側に飛び出したピンの足はカットしておきます。

メインロッド取り付け

クロスヘッドをスライドバーに引っ掛けて、メインロッドをロッドピンに引っ掛けます。サイドロッドとの間にワッシャーが入り込みます。
走行具合をチェックしながら、片方ずつ取り付けます。

カプラー取り付け

カプラーは、No.2001のショートシャンク(=No.2004)を使います。カプラーの中央のネジは通常1.2mmですが、ここでは1.4mmなので、穴を広げておきます。
また、カプラーと床板の間にはワッシャーが入ります。

完成

蒸気機関車の入門用キットとして最適です。
規模の大きいキットに慣れている方にも、土日のちょっとした息抜きにはぴったりです。組み立て時間は塗装含めて7〜8時間でした。初めての方は3倍ぐらい見ておいたほうがよいと思います。

完成
前方から 後方から

走行具合は旧製品と同じく、安定しています。ホイールベースが短いので、使用するポイントによっては無電部分に完全に載ってしまうことはあるかもしれません。2〜3両の貨車を牽いて、小さな単純エンドレスをトコトコ走るような遊び方に向いていると思います。


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