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ボールドウィン9号機の組み立て

トーマモデルワークスの蒸機キットも順調にラインナップが増えてきました。
今度は明治村のボールドウィン9号となりました。今までのキットを元に、細かい改良点も多くみられます。

2014.3.19

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これは私がキットを組み立てた過程をメモ書きしたもので、特に確実な組み立て手順というわけではありません。
基本的には付属の組立説明書を元に検討しながら進めました。

キットの様子

キットの様子

エッチング板は2枚とも洋白です。B6のときのような真鍮板は使われていません。
モーターの接点や集電バネは、プラ完成品の模型ではよくリン青銅が使われますが、同じ洋白板にエッチングされています。

ボイラーとサイドタンクはウェイトを兼ねたホワイトメタルで、サイドタンクには洋白の外装板(折り曲げ済み)を貼り重ねる構造です。
従来、左右に分離していたシリンダーブロックは、左右一体化した真鍮ロストワックスになりました。また、今はクロスヘッドとメインロッドのカシメもあらかじめ行われており、ワールド工芸の事前サービスに近づいてきています。

動力フレームの組み立て

基本的には今までと同じで、モーターから完全に分離できるギヤフレームを、外から見えるダミーフレームの内部に装填する構造です。
車軸ははめ殺しですが、この動力は分解が必要になるほどの調整もなく走るので、今のところ特に困る場面はありません(組み立てを間違えて、分解するはめになったことはあります)。
モーターは簡単に分離できるので、その気になればギヤフレームだけ丸洗い?することもできます。

フレームの折り曲げ

右側フレームを組み立てます。
最初に底の歪み止めのフチを、ラジオペンチで直角に折り曲げました。

フレーム接合部の折り曲げ

両端の接合部を、説明書に従って折り曲げました。すなわち最初に側面をコの字に曲げ、次に上部を折りたたみました。ハンダで固定してから水洗いしました。

両端のネジ穴と、あとで集電バネの付くネジ穴には、M1.4タップを立ててネジ切りをしました。なおネジ切り位置はすべて説明書に記載があります。

反対側フレームの折り曲げ 左側フレームは底部を折り曲げるだけです。こちらもラジオペンチで曲げました。
片側の車輪の取り付け

右側フレームに車輪を通し、そこに真鍮スペーサーを通しました。

なお、フレーム両端のネジ穴には、プラワッシャーを接着しています。

ギヤ軸のセット

その上にギヤ軸を軽く差し込みました。

こちら側の車輪にも真鍮スペーサーが通るので、忘れないように置いてみています。

反対側の車輪の取り付け

左側フレームにも車輪を通し、真鍮スペーサーを通してギヤ軸に差し込みました。
いくつかはめ込みが非常に軽く、指で簡単に最後まで入ってしまったものがありました。こういう軸は忘れずに車輪と接着しておきます。ゆるいままではあとでくるくる回ってしまい、位相が合わせられなくなります。

圧入 真鍮スペーサーの位置をピンセットで直しながら万力で圧入しました。左右の車輪の軸が中央のギヤに当たったと思ったところでやめました。
左右フレームの固定

左右のフレームの間にプラワッシャーを挟み(事前に接着しました)、左側フレームには段付きプラワッシャーをはめてネジ留めしました。プラワッシャー2種は、金属のネジによって左右のフレームがショートしないようにする絶縁部材です。

軽くレールを転がることを確かめます。

ギヤの準備

3個の連動ギヤには、それぞれの両側に真鍮ピンを押し込みました。ピンの尖ったほうを上に向けて平らなところに置き(両面テープなどで仮留めすると安心)、上からギヤを押し付けました。

一番前のギヤをはめ込み

前側のネジを緩めて、一番前のギヤを左右フレームの間にはめ込み、もう一度ネジを締めました。

残りのギヤをはめ込み

今度は後ろ側のネジを緩め、2番目・3番目のギヤを順にはめ込み、ネジを締め直しました。

再び、レールの上を軽く転がることを確かめます。

集電バネの取り付け

集電バネは非常に細く、簡単に曲がってしまいます。形を修正してフレームにはめ込み、ネジ留めしました。

集電バネは車軸に接触して集電するので、取り付けると少し転がりが悪くなります。あまりしぶいようなら曲げ具合の調整が必要になるかもしれません。

ギヤフレーム完成

これでギヤフレームは完成です。残りは輪心の塗装後になります。

下廻りの組み立て(1)

ダミーフレームの折り曲げ

今度はギヤフレームの外側になるダミーフレーム(肉眼ではこれが本物のフレームに見える)です。
これもラジオペンチで直角に曲げました。あまり大きく歪んでいると、車輪や留めネジに当たって支障が出るので、なるべく正確に曲げます。といっても目分量でした。

ダミーフレームの穴あけとネジ切り

曲げたところです。

後方に、床板を仮留めするためのネジを切りました。前方の穴(赤い矢印)は、下から止めネジが通るので、ネジが入るようにヤスリで広げておきました。

前端梁

前の端梁を曲げます。小さいので結構面倒に感じました。
まずは上部を直角に折り、さらに中央部を下側に折り返しておきました。

前端梁の完成

前面は模様が表になるように折り返し、左右の板を後方に折り曲げてハンダ付けしました。

前端梁の取り付け

組み立てた前端梁をダミーフレーム先端にハンダ付けしました。前後左右に傾かないように保持するのが難しかったです。何十分もかかったわけではありませんが…。

後端梁の取り付け

後ろの端梁も折り曲げて組み立て、ダミーフレーム後部にハンダ付けしました。前後がなかなか平行にならず、何度もやり直しました。

後端梁の取り付けの様子

裏側から見たところです。

キャブ床板の取り付け

キャブの床板は、中央をネジで仮留めし、曲がりのないよう確認してから要所をダミーフレームにハンダ付けしました。仮留めネジはモーターを取り付ける前に外します。

床板前方の2箇所には、M1.4タップを立てました。ここにはあとでモーターをネジ留めします。

スライドバーの組み立て

スライドバーは、曲げ方向に注意して折り曲げます。細い曲げ部分にはハンダを流して補強しました。

スライドバーの取り付け

完成したスライドバーを、ダミーフレーム側面の2箇所の凹みに合わせてハンダ付けしました。反対側も同様にします。

前回のB6に比べますと、ダミーフレームの前後が端梁で閉じられているうえ、あとで付けるシリンダーブロックも左右一体なので、普通の取り扱いでダミーフレームが歪んでしまうことはなさそうです。

キャブの組み立て

私が今まで組み立てたNゲージのキットにはあまりない構造でした。前後の妻板のベース板を一体で曲げ、ここを基準に形をまとめていきます。

キャブ基本部分

キャブのベース板(B1)を折り曲げます。前方はダミーフレームに重なって長く伸びています。
前端・後端の穴にM1.4タップを立て、適当なネジでダミーフレームに留めました。

側板の取り付け

これを基準として側板を取り付けました。

側板は2枚重ねになっているので、ずれないように合わせます。

前妻板の取り付け

次には左右の側板の前縁の間に入り込むように、妻板を重ねてハンダ付けしました。

後妻板の取り付け

同様に後ろの妻板と、炭庫のふたを取り付けました。

ふたはここで付けるのかよいのかどうか、よくわかりませんでした。上から定規のようなものをあてて密着させようとしても、中央に突起があるために湾曲してしまい、うまくいきません。
後ろを閉じてしまうとハンダごてが入りにくいので、何とかここで付けました。

タンク後部

タンクの後部の板は、先に両端の手すりをハンダ付けしました。
手すりの穴が大きいのか、手すり側に付いているストッパーが小さいのか、そのままだと手すりがすっぽり最後まで入ってしまったので、何とか浮かせるようにしました。

手すりを付けた板を、炭庫後部をふさぐように取り付けました。が、これこそ中にハンダごてが入りにくいように思えるのに、私はどうやって付けたんだろう…。
ひょっとして下の角のあたりしかハンダが回っていないのではと、この文を書いている今になってドキッとしています。

残りのキャブパーツ

左右の入口に手すりを取り付け、後部にライトの台座を取り付けました。

屋根

さて屋根です。自分で曲げなくてはいけません。

片側にエッチングの細かい溝がたくさん入っているので、そちらを上にしてゴム板に置き、ガンダムマーカーの軸(やえもんデザインのC12より…)で少しずつ転がすようにして丸みを付けました。
細かい溝のおかけでそれほど苦労はしませんが、油断すると稜線のような折り目が付くことがあります。修正しようとしてよけいひどくすることがあるので、多少のことは気にせずに…。

丸めたら、両端をヤットコで少し斜め上に折り上げました。

天井ステーのカット

屋根を固定する前に、天井にある2箇所の帯状のステーをカットしました。
そのほうが、フチのほうをハンダ付けしやすいからです。接着のときはあまり関係ないかと思います。

ここで、上から見たキャブが平行四辺形に歪んでいることに気づき、何とか直せる範囲まで直しました。

屋根の取り付け

屋根をずれないように合わせ―それでもズレましたが(笑)―、裏側からハンダ付けしました。
その後天窓を折り曲げて固定しました。

これでキャブは完成です。前方に長く伸びているベロの上には、あとでサイドタンクを接着します。

次は下廻りの続きと、ホワイトメタルのボイラー周辺です。


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