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3D 5形蒸気機関車(トーマモデルワークス)

5形Bタンク

2021.12.28

トーマモデルワークスによる光造形一体ボディーの蒸気機関車キットです。動力部は組み立て済みで大変よくスローが効きます。
半年前に発売された類似構成のキット「3D雨宮タイプBタンク」に比べますと、ディテール表現が1段階細かくなり、精密感もアップしています。


組み立て

3D雨宮タイプBタンクの次のステップという感じのキットでして、説明書すら見ずに完成させられる方も珍しくないと思います。
部品の切り離しと各部整形のあと、ハンドレールなどの金属線の取り付けがあります。あとは塗装と組み立てです。

金属線を通す小穴を0.3mmドリルでさらうという比較的細かい作業も一部ありまして、初めての方にとってはがんばりどころになるかと思います。

●部品の準備

小部品の切り離し

部品はほとんど切り離されて入っていますが、小さい後部ステップと煙突キャップは床板とつながっていますので、自分で切り離します。

プラ模型に使われているプラスチックに比べて硬いので、少しずつナイフで傷を付けるように切り込んでいきました。

切り離したステップと煙突先端

切り離したところです。小部品を床板につないでいたブリッジも不要なので切り取り、床板側の切り口もざっと平らに削っておきました。床板側の切り口は上廻りを取り付けると隠れるので、あまり仕上げに念を入れなくても大丈夫です。

これらの部品は塗装後に接着することもできます。私は紛失を恐れて塗装前に接着してしまいました。

0.3mmドリルで穴開けするところ

ボイラー左右と炭庫後部、前端梁に金属線の手すりを通します。それぞれの取り付けノブには小穴が開いていますが、造形の事情で穴が小さかったり塞がっていたりするので、0.3mmドリルでさらいます。全部で8箇所あります。

穴開け

ボイラー後部の穴には垂直にドリルを通しにくいため、ちょっと緊張しました。

ノブの頭は大変小さいです。不用意に力を入れて割らないよう慎重にやりました。

前部の穴あけ

前部の穴は完全に塞がっていたので、ドリルの刃を軽く当てながら気長に掘っていきました。
樹脂の粘度や造形方向にもよりますが、普通の吊り下げ式光造形ではこういう極小の穴が埋まりやすいです。

タップ立て

ボイラー底部の3箇所と床板にタップを立ててネジを切りました。

すべてM1.4ですが、私は床板の後部のカプラー穴のみM1.2にしました(赤い矢印の箇所)。先日3Dプリンターで作った偽のNo.2001カプラーをM1.2ネジで留めるためです。

サポート痕の切削

サポートを切り離した跡や、接着面など気の付いたところをヤスリで適当に平らにしておきました。必要ないところもあったかもしれません。

サポート痕の切削

先ほど開けた穴に付属の金属線を差し込んで接着しました。アロンアルフアを針先に少量付けて合わせ目に付けました。

煙突キャップと後部ステップもここで接着してしまいました。塗装後に接着したほうが塗り分けが簡単なことがあるかと思いますが、私は筆塗りで塗り分けることにしました。

●塗装

塗装

今回は多少ツヤを加えて半光沢にしてみました。最近の3Dプリントの造形物はかなり滑らかになっていますので、完全なつや消しにしなくても表面の積層模様が目立ちにくいようです。私は今年の中ごろになってそれに気づきました。

前端梁は筆で赤に塗ってからカウキャッチャーを接着しました。写真ではすでに接着してあります。

側面と後部のみ窓ガラスを貼りました。

前面ナンバー

前面ナンバーは金一色に見える写真もありますけども、せっかく凹凸表現されているので墨入れしました。

先に強い塗料のMr.カラー金色を塗りました。乾いてからタミヤカラー アクリル(水性)のセミグロスブラックを塗り、専用アクリル溶剤を軽く浸み込ませた綿棒で凸部をふき取りました。黒塗りとふき取りを2回繰り返して終えました。

●組み立て

床板取り付け

まず組み立て済みの動力ユニット後部に、床板をネジ留めしました。

ギヤカバー

床板の上部にバックプレート(ギヤカバー)を接着しました。両面テープで貼り付けることになっています。

上下組み合わせ

動力ユニット前方に前端梁を重ね、ボイラー部缶台にネジ留めしました。

後部は床板の2箇所の穴をキャブのネジ穴に重ねてネジ留めしました。

最後にカプラーをネジ留めしました。これで組み立ては終わりです。

完成

北海道炭礦鉄道のマークのエッチングパーツが余っていたのでキャブ側面に貼りました。ボールドウィンの銘板はテプラの金文字テープで作りましたが、ちょっと大きいうえに勘違いで番号が1つ間違っていました。肉眼では読めないので目をつぶっています。

5形 完成

5形 完成
(拡大写真)

5形はいかにも従輪を付け忘れましたというようなバランスの機関車でして、実際あとで従輪が追加されています。

走行中心に使いたい方は煙室内側とか前台枠内側など、開いているところにウェイトを追加したほうが良いかもしれません。効果は未確認です。

ボイラーと前端梁が別部品で分解時に分かれるため、両者をつなぐ斜めのブレースは省略されています。何となく前端梁はボイラー側に接着しても大丈夫な気もするので、お好きな方は真鍮線などで追加することはできるかもしれません(これも未確認です、すみません)。他にも追加のディテールを作っていく遊び方はできます。

5形 完成

ライトには試しにWAVEの「H・アイズ3ミニ(クリア)」の直径2.5mmを入れてみたところ、取れなくなったので(笑)そのまま付けています。
普段は丸みのあるほうを表にしていますが、これは平らなほうを表にしました。

5形 完成

後部のナンバーもテプラで作って切り抜きました。最近テプラはよく活躍しています。

この模型の売りのひとつである組み立て済みの動力ユニットはじっくりと低速が効き、その割に音も大きすぎず大変良い感じです。
前回の3D雨宮タイプBタンクに続き、ガイドヨーク部でスライドバー後部がサポートされているため、不用意にそのへんをつかんでスライドバーが内側に寄ってしまうようなトラブルも減っていると思います。
確実に走って簡単に組み立てられるキットが1万6千円程度で売られているのは、驚きでもあり嬉しいことです。

私は実物のサドルタンク機にはあまり興味を持つことがないのですけども、模型としてはユニークなものや興味深いものが発売されていますので、結果的に結構買っています。バックマンのドックサイダーは特に、最初に模型店でセットを見つけた時の衝撃が大きかったものでして。


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