Nゲージ蒸気機関車蒸機の工作>C11の後部ライトの点灯化(2009.2.26)

C11の後部ライトの点灯化

C11

マイクロエースのC11は後部ライトが点灯しませんが、内部にはスペースがあるので点灯化してみました。

2009.2.26


あまりスマートな加工ではありません。

ライト基板の自作と取り付け

動力部のリード線

最初から点灯機構のあるKATOのC11では、モーター後部にもしっかりした床板があり、その上にライト基板が固定されています。しかし、マイクロエースのC11にはその部分に床板がないので、どうやってLEDなどを固定するかを考えなくてはいけません。

また、どこから給電するかも難しいです。従台車の集電板(1)から、モーター前方のダイキャストブロック下部(2)まで、集電用のリード線が延びているので、ここから拝借することにしました。(1)の従台車側の接点に新たなリード線をハンダ付けするのが簡単ですが、従台車に4本もリード線が付くと動きの妨げになりそうなので、リード線の途中から引き出すことにしました。

使った部品

使ったのは3mmのLED、抵抗器、ユニバーサル基板の切れ端です。LEDは電球色を使いましたが、どうせあとで軽くオレンジ色に塗るので、安い白色LEDでも同じです。

抵抗器または定電流ダイオードは、使うLEDの規格や流す電流に応じて用意します。わからない方はLED系のサイトや専門書で調べてください。小さいからといってワット数の少ない抵抗器を使うと焦げたりもしますし、LEDにあまり高い電圧を加えると逆進時に壊れる恐れがあります。

ここでは手元にたくさんある適当な抵抗器を使っています(最終的に使ったのは写真のものではありません。明るすぎたので)。

基板の取り付け

基板は横3×縦4穴にカットし、モーター押さえに取り付けることにしました。モーター押さえの根元に穴を開けて1.4mm×6mmの小皿ネジを内側から差し込み、基板の2箇所の穴に固定しています。

モーター押えの後方にはモーターのシャフトが少し出っ張るので、モーター押さえと基板の間にプラ小片を挟んで少し浮かせてあります。また、普通配線は裏側でやるものですが、ハンダのでこぼこがモーターに当たってショートする恐れがあるのと、行き当たりばったりに作ったため、試行錯誤がしやすいように表側で配線しました。

車体の取り付けの確認

部品を取り付ける前に、車体に取り付けてうまく収まるかを確かめておきます。

基板の上端が、石炭の前端に当たったので、その部分の石炭パーツを少し削りました(外観には影響しません)。ただ、基板の一番上の1列は使わなかったので、基板側を削ったほうが良かったかもしれません。

リード線の処理

台車から伸びるリード線は、途中で切断し、基板の途中に引き込むことにします。

この作例のC11は車高を下げてあるため、リード線の取り回しを下側に変更しています。最初から長さが少し足りないので、下図のようにさらにリード線で延長したりしてちょっと面倒でした。台車側のリード線が短すぎると台車の動きが悪くなりますし、同じ場所が繰り返し曲がって断線しやすくなる懸念もあります。

基板の配線

基板上でLEDと抵抗器を直列につなぎ、その両端から余った部品のリード線を少し延長して、その先に台車のリード線をハンダ付けしました。

もし、KATOのC11のライト基板(LED式)があれば、それを利用して取り付ければ簡単かもしれません。ただ後部ライトの基板は少し大きいので収まりにくいかもしれません。前部ライトの基板なら小さいので大丈夫そうです。

配線後

LEDは位置を調節したりするので、リード線は少し長めに曲げておきました。足を根本から急に曲げると壊れることがあるので、少し距離をとって曲げたいところですが、スペースはぎりぎりです。

LEDの極性はあらかじめ確認しておかないと、進行方向と点灯の関係が逆になってしまいます。

点灯試験

点灯

線路に載せて通電し、発光をテストします。

最初に計算のうえ使った抵抗器は、実際に点灯させてみると明るすぎて全然だめでした。

ボディーをかぶせて点灯

車体をかぶせてテストしてみることにします。

ボディーにモールドされているライトに、直径2mmドリルで穴を開けます。湾曲しているので、先にキリの先のようなもので十分に下穴をマークしておかないと、ドリルの刃先が滑って周りを傷つけます。穴の真後ろにLEDが来るので、光ファイバーなどの導光材は使っていません。

穴をあけたらそのままかぶせてみましたが、LEDの光が直接そこから見えているため、まぶしくて周りから浮いてしまいます。最終的に抵抗を変えて大幅に暗くしました。

ただの抵抗器で、決め打ち的に電流を制限しているだけですから、運転状況や使用するパワーパックによって明るさは変動します。

完成

ボディーに開けたライトの穴は、断面を銀色に塗り、銀河モデルの蒸機用大型ライトのレンズをはめ込みました。これで完成です。

完成

非点灯時もそれほど不自然ではありません。あとは、LEDの表面にオレンジ色(茶色)のマジックを軽く塗って発色を整えました。
作ったら念のため、ボディーをかぶせずにしばらく走らせてみて、異常に発熱していないかどうか確かめたほうがよいと思います。

ところでマイクロエースのC11は長らく再生産されませんね。もしかしたら今度生産されるときは、初めから後部ライトなどもついているかもしれません。これからのことはわかりませんが。


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