2009.5.12
たまにこのサイトに顔を出している、KATOのC50を改造して8620風にしたものです。8620と言い切るには苦しいのですが、市販品が少なかった昔に、手持ちのバリエーションを増やすのには役立ちました。 作り方のご質問を頂戴したので、思い出しながら書いてみました。
全体の形をまとめやすくするため、もとのC50の車体構造をなるべく崩さないように注意しました。
赤い部分が切り取るところ、青い部分が追加するところです(配管類を除く)。
|
|
非公式側も同じ要領ですが、公式側とはランボードの長さが少し違います。 前方ランボードの高さとキャブ裾の高さは、うまくつじつまが合いませんでした。このタイプの8620は、前方ランボードとキャブの裾が同じくらいの高さですが、そうするとテンダーに対してキャブの裾が高くなりすぎてしまい、仕方なくキャブ側を少し下げました。ちょっと不満です。 |
|
ボイラー後部のテーパーは、上側を削っただけなので、上から見ると太いままです。 |
テンダーはまったく未加工です。
青色の部分が、新しく作ったランボードです。ランボードを取り付ける前に、ボイラーから冷却管など、不要になる最低限のモールドを削り取ります。 第一動輪のフランジが入るカバーは、現物合わせで寸法を決めて、走行に支障のないようにします。エアタンクとハシゴは元のパーツを移植して代用し、冷却管は0.3mm真鍮線を折り曲げました。 煙突はもとのままです。煙突の後ろの消音機と、安全弁の間の汽笛は、確か1.0mm真鍮パイプに適当な太さの真鍮線を通したと思います。 キャブはゼロから作ると、私の実力では平行・垂直などを出すのが難しかったので、もとのキャブを土台にしました。はじめにヤスリでキャブの屋根と側板をある程度薄く削り、外側から0.3mmプラ板を張り重ねました。これは意外と簡単でした。 |
|
見えるところは下手くそ、見えないところは手抜き…ですが、裏側です。 ランボード裏側の丸穴は、2枚重ねにするために接着剤を流した穴です。キャブ裏の穴も、外板のプラ板を張り重ねるため、内側から接着剤を流すために開けたものです。屋根の後端だけ、張り重ねたプラ板が少し見えます。 |
煙室扉の外周の手すりは削り取り、上部に新しく作ります。 前デッキには、板台枠の前端が飛び出すので、それを0.3mmプラバンで作ってバネの両側に張り重ねます。その上の板も0.3mmプラバンで作ります。 一体モールドのディテールはできるだけ原形を活かしたかったのですが、工作中にハンドレールの一部を破損してしまい、仕方なく真鍮線で作り直しました。 |
動力ブロックはほとんどそのままですが、シリンダーブロックを上から切り取るのと、ダイキャストの前端の段を少し切り取るのは必須の加工です。加減リンクの上半分もカットする必要があります。 ランボードが一段下がって、ボイラーとの間に隙間ができるため、そこからダイキャストブロックが直接見えます。ここでは少しだけ上から削って向こう側が見通せるようにしました。途中にネジがあるのでそこを避けて削ります。 ここで改造後の先輪に使われているのは、ダイキャストが崩壊して動けなくなったB6の従輪です。もともとは動輪もスポークの抜けていない古い製品だったのですが、近年新しい動輪に交換しました。 |
改造前 | |
改造後 |
この作例は色々と不十分な感じですが、やってみるとなかなか難しい部分もありました。C50と8620では共通点もありますが、違う箇所も多いんですよね。でも、上手な方のご作品はこれよりずっとよく8620に似ていましたから、こうした工作にご興味がある方なら、きっとうまくできると思います。
ところで同世代の9600がKATOの今年度のカタログに載っていますから、前回買い逃した方も、もうじき入手できるかもしれませんね。