Nゲージ蒸気機関車2009年のメモ>2009.1.17(C57135/C57180門鉄デフ)

C57135/C57180門鉄デフ

C57180(アリイ/関水)

2009.1.17

マイクロエースより、C57 180門鉄デフと、C57 135が発売されました。
既存製品をベースに多少のアレンジが加えられたもので、再生産的な位置付けでしょうから、もともと独特だった模型のプロポーションは今までどおりです。いつものマイクロエースの形から外れてはいません。実物に似ているかどうかといえば、あまり意見は割れないのではないかと感じます。

他社製品もいくつかあるので、一緒に並べてみました。


C57 180 門鉄デフ

C57180 アリイ

マイクロエース (拡大写真)

車体は、一昨年のC57 1(やまぐち号)をベースとしているようで、よーく見るとボイラー脇にあった放熱管の穴を軽く埋めた跡があります。
今回、空気作用管の色が、今までよりも金ピカ感を抑えたものに変更されています。

C57180 関水

KATO (拡大写真)

昨年8月に発売されたばかりですが、2009年版カタログからは早くも落ちてしまいました。標準デフのC57 180はまだカタログ掲載品です。

KATOは全体のプロポーションを重視して、大きさは1/140のオーバースケールとし、マイクロエースは全長1/150スケールを重視して上下方向に変形させています。どちらが受け入れやすいかは人によって違います。両者を同時に走らせると互いの違和感が大きいので、なるべく避けたほうがいいと思います。

C57 135

C57135 アリイ

マイクロエース (拡大写真)

車体は、10年前に発売されたC57 177三次型北海道タイプをベースとしているようです。180号機とは逆に、ボイラー側面に放熱管を取り付けています。デフの切り詰めや、ドーム後方の切り欠きはありません。気になる方は工作もできます。

C57135 ワールド工芸

ワールド工芸 (拡大写真)

135号機を最初に発売したのはワールド工芸でした。こちらもすでに9年前の2000年発売です。まだ荷重分配装置がなく、ウエイトを兼ねたテンダーの石炭が特盛りです。

C57135 天賞堂

天賞堂 (拡大写真)

2005年発売で、価格は当時最高の9万5千円でした。しかし、いまやワールド工芸のメーカー完成品もそれくらいです。全体のプロポーションはよく、作りも非常にしっかりしていますが、目立つ何箇所かの表現に少々の弱点があって損をしています。高いと、色々言われてしまうんですよね(安いマイクロエースも言われてますが…)。

写真よりも絵のほうが比べやすいので、マイクロエース製品と実物の絵を作りました。長さ方向の大きさが揃うように並べてあります。灰色の外枠は同じ大きさです。細部に解釈違いもあると思いますがご勘弁ください。

マイクロエース

マイクロエース

大雑把な図で申し訳ありません。フランジは描いていません。

実物

実物例

フランジは描いていません。135号機風に描いてみたイメージ画です。

切り詰めデフ、ドーム後端の切り取り後の格好にしてみました。機炭間はマイクロエースに合わせて広げてあります。

寸法にすると少しの差なのに、それだけで別物に感じるのですから難しいものです。身近な人の目や眉の位置が、ほんの1センチでもずれたらとたんに別人になるようなものでしょうか。 でも、耳の位置や髪の分け目などは多少変わってもわからないと思うので、模型にもそういう部分はあるのでしょう。

前から

C57180 アリイ
マイクロエース(C57180門鉄デフ)
ライトは直径の改良された最近のものです。レンズ表面に縦縞モールドがありますが、非点灯時はあまりレンズらしく見えず、かえって映えないようです。
C57180 関水
KATO(C57180門鉄デフ)
久々の門鉄デフ製品でした。煙室の下部がエプロンに埋まった感じなどがよく出ています。
C57135 アリイ
マイクロエース(C57135)
今回の製品です。さようなら運転のヘッドマークシールが付属しています(台座を自作する工夫が必要)。
C57135 ワールド工芸
ワールド工芸(C57135)
C57135 天賞堂
天賞堂(C57135)
煙室扉が小さく、その周囲が平面なのが特に目立ってしまいます。
C57135 交通博物館
実物(交通博物館時代)
ちょうど10年前に撮影した保存機です。

テンダー後方

今回のマイクロエース製品です。

C57180
C57180 門鉄デフ
C57135
C57135

いずれもライトは表面に縦縞をモールドし、銀色を塗ったという表現です。石炭の盛り具合は135号機のほうが多めになっています。

密閉キャブ

C57135 アリイ
マイクロエース
腰高のしわ寄せがキャブの形に影響しています。これは前回の北海道型と変わりません。
C57135 ワールド工芸
ワールド工芸
写真では見えにくいですが、テンダー前方には実物どおり、密閉キャブと干渉しないための後退角がついています。
C57135 天賞堂
天賞堂
C57の特徴であるキャブ前方の角の丸みがなく、継ぎ目になっています。テンダー前面には後退角がついています。

マイクロエース製品を使う工夫

車高を下げたり、ランボードを付け直してプロポーションを改善する試みもできますが、車両には手をかけずにレイアウト全体を楽しむという、いにしえのNゲージの趣旨から見れば大げさな気もします。

部分的な見え方に限れば、ナンバープレートの交換だけで印象が大幅に変わります。初めての方にもリスクは少ないです。

未加工
未加工品
このナンバープレートの上に、少し大きめの市販のナンバープレートを貼り重ねます。ゴム系接着剤を使い、元のナンバープレートの上辺に合わせます。
ナンバー変更
ナンバー交換
これだけで寝ぼけた感じがなくなりシャキッとします(ライト点灯は感じを見るために画像に色を塗っただけです)。

ナンバープレートは色々売られており、メーカーによって大きさなどが微妙に違います。ここでは銀河モデルのN-342「C57北海道筋用」を使いました。 大きめのものとしては、レボリューションファクトリーの「C57ナンバー 北海道 改良 KATOサイズ」も、文字がくっきりして好印象です(KATOサイズは側面に使うには少し大きいようです)。

ナンバー変更後

あえて全体を撮影していないのがなんとも(笑)。
でも、一番よく見える角度を探して眺めるのは、特にヘンな考えではありませんよね。プラモデルなんかもそうですし。あまり苦しい工夫をしなくてもいい製品が一番望まれるとは思いますが…。


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