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C59(新)の組み立て(ワールド工芸)

C59 124

2013.6.9

7年ぶりにリニューアルされたワールド工芸のC59が発売されました。組み立ての要領は最近のキットと特に変わらず、それほど苦労なく組み立てられます。
しかし、油断して細かい部分の処理をおろそかにすると、それなりにハマります。

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これは私が組み立てた過程と結果の概略です。キットについて気のついた点もメモしています。正しい組み立て手順の説明ではありませんので、それはキットの説明書に従ってご検討ください。

キャブ

C53の組み立て記事をもとにしたので同じ文があるかもしれません(手抜きですみません)。他のキットと同様の部分は、簡単に流します。

キャブ外板の貼り合わせ
  1. キャブの形に歪みがないか確認します。ちょっと屋根のプレスが足りなかったので、そっと直したつもりが失敗して折り目がつきました。まあ、この先も色々あるでしょうから、あまり引きずらずにいきます。
    …実はしょっちゅう屋根の曲げを失敗するので、何も感じなくなっているのでした。困った傾向だと思いますが。
  2. 側板を重ねてハンダを流し固定。
妻板の取り付け準備
  1. 妻板は付属の角度ゲージに合わせて曲げます。この線は内側のふちぎりぎりなので、きれいに曲がらないことがありますが、今回は表からも軽く筋が入っており、きちんと曲げられます。
    (その代わり、表側にはディテール表現の模様は何もありません)
  2. キャブ本体にも、妻板の角度を保持するためのガイドが付きます。このために妻板がまっすぐ付きやすく、キャブの前後の傾きが起きにくいようです。
前部妻板の仮止め

先ほどのガイドは中央部分を切り離し、残った部分に合わせて妻板を固定します。
仮止めして様子を見ているところです。

ガイドの前縁と妻板をハンダ付けして固定したほうがよいか、フリーにしておいたほうがあとあとよいか、ここでは判断付きませんでした。

キャブ前方と上部
  1. 妻板をしっかり固定してから、合わせ目をヤスリがけして少し丸みをつけます。
  2. ひさしを固定。取り付け足だけのハンダ付けでは弱いので、ひさし下側と妻板の合わせ目にもハンダを流してがっちり付けました。
  3. キャブ天窓のパーツを組み合わせて固定。開閉どちらかを選べます。実物では中央のレールに数箇所、固定位置のラッチがあったりします。
キャブ後部と残りのディテール
  1. 信号炎管の取り付けは任意ですが、取り付けマークが表に見えていたので、穴を開けて付けてしまいました。
  2. 後部の縁を後部妻板よりも先に取り付け。そのほうがハンダごてを当てやすいように思います。
  3. 後部妻板を取り付け。
  4. ステンレス製の手すりを取り付け。ちゃんと付いておらず、あとで付け直しました。きちんと磨いてステンレス用のフラックスを付けても、はじいてしまうことがあります。
    なお、私の手元にあった124号機の写真では、前方の手すりは上部まで延び、雨樋につながっていました。
床板

床板を取り付け。ここで完全に固定してもよいか自信がなかったので、まだ全周にはハンダを流していません。結果は、完全に固定しても大丈夫だと思います。

ランボードとボイラー

今のランボードはリン青銅になっていて、ぐにゃぐにゃ曲がりにくくなっています。また、屈曲部の前後の高さが食い違わないように、内側に補強用のステーが付いているのも最近のキットの特徴です。

ランボードの折り曲げ

網目板を折り返して折り目をしっかり平らに潰し、裏側の要所の穴にハンダを流して固定します。空気溜めの取り付け部と前方デッキは、先に直角に起こしておきました。

後ろ側の細いブリッジ部は、切り取らずに残しておいて構わないと思います。そのほうがまっすぐ組み立てられます。

ランボード前方

前デッキの網目板は2種類が付属しており、製作するナンバーによって使い分けます。

  1. 付属のゲージを参考にデッキ部の角度を決め、表の網目板を貼り合わせます。左右にずれていないか、ステップ等を取り付ける穴がずれていないか、割と緊張する箇所です。
  2. 上下合体用ボスを固定。旧キットではボイラー側(煙室下部)についていましたが、今回はC53同様、ランボード側に付きます。これは小ギヤ軸と同じ部品なので、同じ袋に入っています。
ボイラーの合体
  1. ボイラーの下端が平行になっているかを確認。プレスの具合で歪んでいたので、気長に指先でクセをつけて直しました。
  2. 煙室下部を丸く合わせて固定。
  3. ランボードの各部のブリッジをボイラーの切り欠きにはめ込み、少量のハンダで仮付けしながらまっすぐ付けていきます。
キャブの組み合わせ

ボイラー後部を固定する前に、キャブがきちんと付くかどうか合わせて様子を見ています。

ボイラー後部の張り重ね

ボイラー後部の火室部分は二重構造になっているので、ずれないようにぴったり貼り重ねてランボードを固定します(わけのわからん方法で固定しています、すみません…)。
ここが曲がると、キャブの取り付けもランボードの高さもガタガタになるので、神経を使います。

屈曲部の前後でランボードの高さが食い違うと大変見苦しいのですが、このキットは白線用のパーツが付属しているので、それをランボード側面に貼り付けるときに多少のズレはごまかせそうです。
逆に、せっかくランボードがまっすぐになっても、白線用パーツを曲がって付けたら台無しになるということです。

火室下部
  1. 火室下部を折り曲げます。
  2. コンプレッサーの調圧器と配管を取り付け。後からでは困難と書かれています。ただ、忘れたら忘れたで何とかなることも多いですヨ。
火室下部を固定
  1. 火室下部を固定。この裏側にはあとで赤塗装した板が付くので、裏側は平らにしておきます。
  2. 火室の左右をつないでいた2本のブリッジのうち、前方のブリッジを切り取ります。
キャブを固定

キャブを取り付けます。曲がりがないよう左右・前後・上方から見て確認します。

私の場合、なぜか翌朝に見ると曲がっている?ことが多いので、ここで作業を終えて翌日もう一度確認します。

翌日、やっぱり曲がっているように見えて修正しました。一晩の間に模型のほうが変わっているのか、自分の目や感覚が変わっているのかわかりません。夜間にインターバル撮影などしてみると面白いのでしょうね。誰かが曲げているのが写っていたらイヤですけど。

バックプレートもこのへんで付けました。

給水温め器
  1. 給水温め器のキセを折り曲げて組み立てます。ただし上部の網目板は取り去ります。
  2. 代わりに、付属している2種の網目板(+シンダー除け)のうち、どちらかを選んで付けます。
  3. ヘッドマーク掛けを取り付け。

まだデッキには取り付けません。先に下部のステップを付けたほうが、ステップを少し取り付けやすくなります。

ステップの取り付け
  1. 左右つながったステップは、中段も含めて1枚の板を折り曲げれば完成します。
  2. 中央に1.2mmのタップを立てます。この穴は次の仮留め用に使うほか、あとでカプラーを取り付けるネジ穴になります。
  3. デッキの上部から1.2mmネジを通してステップを仮留めし、デッキにステップをハンダ付けしてからネジを外します。
    このネジはあとでカプラーを固定するときに、今度は下側から差し込んで使います。
前デッキ完成
  1. 傾斜部のステップを固定。
  2. 給水温め器を固定。
  3. 解放テコを固定。先に端梁をしっかり貼り合わせ、4箇所のテコ受けを90度ひねって、上から解放テコをはめ込みハンダ付けします。
    テコ受けをひねるときは、あまり根元ぎりぎりをヤットコでくわえると、ちぎれてしまうことがありました(そりゃ、そうでしょうけど…)。少し離したほうが安全です。

ボイラー上のディテール

ボイラー上のおもな部品

ボイラー上の部品を取り付けました。左右あるものは両方付けています。

  1. ランボード屈曲部を張り合わせて取り付け。その後、裏側の仮ブリッジを切り離し、ランボード側面の折り目をヤスリ落としました。
  2. 煙突と煙突スカートを固定。プレス成型のスカートがボイラーにぴったり密着するので、いつも感心させられます。
  3. 左右2箇所ずつのステップを固定。
  4. ドームを固定。これまたピッタリです。ドーム位置にはボイラーバンドの模様がもともと付いていないので、取り付け前にボイラーバンドを削り取る必要はありません。
  5. 左右の砂撒管を取り付け。中央の1本は後方に流しました。実機によって違います。
  6. タービン発電機、ATS発電機を固定。
公式側ボイラーの細部
  1. 空気作用管を固定。ボイラーバンドと重なる位置など、数箇所を少量のハンダで固定しました。
  2. 砂撒装置の空気作用管を固定。下側は少しカットし、元の空気作用管の束と合わせて固定しました。
  3. ドーム前ステップを固定。これが先だと2.の配管を固定しにくいためです。
  4. 0.4mm真鍮線を付属のガイド穴に合わせて曲げ、ランボードの穴に差し込んで固定。なお説明書に記載はありません。

残りの部品も順番に固定しました。8のハンドレールは後方をカットしました。

非公式側ランボード上の部品
  1. 付属のガイドで0.4mm真鍮線と0.6mm真鍮線を曲げて取り付け。
  2. 逆止弁を固定。
  3. 調整ネジを固定。
  4. オイルポンプ箱を折り曲げて組み立て、固定。
  5. 小型オイルポンプ箱を固定。
  6. 清缶剤挿入装置を固定。
  7. タービン発電機と、ATS発電機の排気管を固定。
  8. 通風管を固定。曲げ方がよくわからず、途中でひねったりしています。
  9. ハンドレールを固定。
デフ
  1. デフ外板の傾斜部と、内側の補強リブは、両者を重ね合わせる前に曲げておきます。重ねてから一度に曲げようとすると表側に型跡がつくことがあります。
  2. 傾斜部を曲げた外板と内枠を重ね合わせて、少量のハンダで固定します。
  3. 下枠はランボードの穴に差し込み、上側はボイラーの穴に差し込みます。まっすぐに付いているかを慎重に確認しながら固定します。
煙室扉
  1. 煙室扉の周囲の4箇所の手すり穴を0.4mmドリルで貫通させ、手すりを丸めて差し込み固定します。中央のライトが入るところは固定後にカットします。
  2. ライトの穴を0.7mm〜0.8mmドリルで開け、ライトを固定。
  3. 煙室扉中央に0.4mmドリルで穴を開け、ハンドルの軸(D1-15)を取り付け。その上にハンドルを重ねて固定しました。説明書では重ね順が逆になっていますが、このようにしました。
  4. 裏側には本体への取り付けガイドを組み合わせて固定します。ボイラーに差し込むときに、デフの取り付け足などに当たらないように位置を決めます。
フロント部完成
  1. 煙室扉を取り付け。下側にシンダー除けがあるので、少し入りにくいです。
  2. 左右のつかみ棒を固定。
  3. エアホースを固定。
  4. ダミーカプラーを1.2mmネジで下から固定。Zゲージ用#905も取り付けられます。

ランボード下

コンプレッサー取り付け板
  1. コンプレッサー、給水ポンプの取り付け板をボイラー下部に固定します。あとでぐらつかないよう、しっかりハンダ補強しておいたほうがよいです。
  2. 取り付けツメが出っ張ったままになっていますが、あとで第三動輪フランジに当たります。この周辺の内側の出っ張りは、どんなに小さなものでも見逃さずに削り取っておいたほうがよいです。ごく軽く何かが動輪に触れていて、目でわからない程度に回転の抵抗が増したり、変なショートの原因になったりします。結構、第三動輪周辺の内寸がシビアです。
公式側ランボード下
  1. コンプレッサーを固定。
  2. ドロダメを固定。124号機ということでずいぶん下についています。レールや従台車には接触しないので大丈夫です。
  3. 冷却管を固定。後部は適当に曲げてコンプレッサーの下部に接続しました。
  4. ホワイトメタルの空気溜めを固定。熱に弱いので接着が安全ですが、素早くハンダ付けしました。もし間違えて付けたらどうするつもりだったんでしょう…。
    前後の向きは説明書の図とは逆になりました。また、上端に「面取り有」とありますが、私の買ったものにはなかったと思います。
  5. キャブ下の配管を固定。
  6. ホワイトメタルの分配弁を固定。これも熱に要注意です。
非公式側ランボード下
  1. 給水ポンプを固定。
  2. 後部の配管をキャブ下に固定。
  3. 0.6mm真鍮線をガイド穴に沿って曲げ、前端を給水ポンプ裏の溝に固定。後端はキャブ下の構造に適当に合わせて固定しました。
  4. チリコシを給水管に挟み込んで固定。
  5. 冷却管を固定。
  6. ホワイトメタルの空気溜めを固定

コンプレッサーと給水ポンプの取り付け足は、内側に出っ張らないよう平らにし、さらに確実に付いているかを確認しておきます。

エンジン上廻り完成

エンジン側の上廻りの素組みは以上で終わりです。部品が少ないので時間もそれほどかかりません。手を加える方は、後部ランボード下、火室まわりの配管あたりが重点になるのでしょうか。

次は下廻りとテンダーです。


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