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D51スーパーなめくじ(3Dプリンター)

3Dプリンターで出力したD51スーパーなめくじ

2021.2.26

先日作ったD51なめくじのデータを変更して派生型を作りました。D51のスーパーなめくじは2両だけなので、いつも自分は避けることが多い特定ナンバー機ということになってしまいました。


考え方

特徴的なのは何と言ってもドームなので、まずそこを変更し、その周辺から順に修正していきました。
タブレットキャッチャーが付いたあとの23号機にしました。手持ちの実物写真はナンバープレート移設前の公式側と、移設後の非公式側の2枚だったため、わからないところは想像したり、既存の模型を参考にしたりしました。

ボディ部完成データ

一番わからないのはドーム延長部の形状で、後部断面もはっきりとはわかりませんし、上部の曲面変化も正確にはわかりませんでしたが、シルエット的に自分が自然に見えるようにしました。…のはずが、最終的には作りやすい形に作ったということになってしまいました。
これは最後に書きます。

3D造形について

3DプリンターはD51なめくじに続いてPhrozen Sonic Mini 4K を使いました。

UV樹脂は前回謎の残留固形物ができて使用を中止した SK ABS-Like Black にしました。
ちょっとディテールが太く出るような気がしますが(使用経験が少ないので理解不足かもしれません)、硬さと柔軟性のバランスは嫌いではなく、色の感じも好きなので、多少ぼってり気味になるのは覚悟のうえで使い切ってしまおうと思いました。

残留固形物は、この3Dプリンターでは他のUV樹脂でも発生するものがあり、1回ごとに3Dプリンターのクリーニング機能で取り除く方法に落ち着きました。 クリーニング機能とは、レジンタンクの全面に30秒程度照射を行い、底部のUV樹脂を残留物もろとも固めてしまうというものです。それを剥がして捨てればOKです。

撹拌ワイパー?

とはいえ残留物はできないほうがよいので、30分に一度ぐらい、層と層の照射の間にプラットフォームが6mm上昇している間、レジンタンクの底をさっと撫でてみることにしました。

その30分以内にもう残留物ができていれば無駄ですけども。

撹拌イメージ

こんなふうに、わずかにプラットフォームと造形物がレジンタンクの底(=FEPフィルム面)から浮いた数秒の間に、さっと下をくぐらせて撹拌してみました。

撹拌した造形物

だめだこりゃ

30分に一度ぐらい撹拌した箇所で、必ず強い線が入っています。
それまで徐々に沈殿するなどして変化していた液の混合状態が一気に変わるうえ、流動が起きたまま次の層の照射が行われるので、露光中に材料を動かしてしまったようなものなのでしょうね。

毎層ごとに確実に安定的な撹拌を行い、液の流動が収まってから次の層が照射されるのならよいのでしょうが、ちょっとムリです。おまけに残留固形物は少ないながらちゃんとできまして(笑)、何も解決しませんでした。

撹拌しなかった造形物

今度は造形中、何もしませんでした。こっちのほうがいいですね。

やっぱり各部ディテールが太く出る樹脂で、ランボード下の冷却管も間が埋まっていますが、これ以上露光時間を短くすると今度は歪みも大きくなったのでここでやめました。

造形終了

ボイラー側は積層ピッチ0.035mmで各2.5秒の露光、テンダーは積層ピッチ0.05mmで各5秒の露光としました。4秒では後部の上辺が歪むことがありました。

造形後に落として前ステップを折ってしまったり、テンダー後部の手すりを削り落としてしまったりとドジも踏みました。テンダー手すりが細くできているのは、修理のためKATO製品のテンダーから手すりを拝借したからです。

以前の機種では、積層ブレの線を防ぐため、デフやテンダーの脇に板を立てたりしていましたが、この機種では有意差がなかったので付けていません。ブレの線はあまり激しくありませんが一定量どうしても入ります。くっきり造形されるためにかえって目立つこともあります。ある程度ボヤッと造形されるほうが、平面部の線は目立たないです(テンダーの積層ピッチを大きくしたのはそれを狙っています)。

組み立て終了

色々と歪みをきたしていますが無理やり組み立てました。

D51スーパーなめくじ

D51スーパーなめくじ

D51スーパーなめくじ

いつもは何もしませんが、デフとテンダー側面はサンドベラでヤスって軽く縞模様を消してみました。#400→#800→#1200の順です。

持っていると信じていた23号機の形式入りナンバープレートが実は32号機だったため(笑)、いつものように金紙に黒で印刷して間に合わせました。使っていない32号機を付けてもよかったんですけど…。

安全弁

安全弁は立体感をはっきり出したくて深い角穴にしました。
Nゲージのスーパーナメクジでは、天賞堂と中村精密が角穴、シバサキ(→キングスホビー)のパーツが丸穴です。私はどちらでもよいです。

マイクロエース

どちらでもないのがマイクロエースで、安全弁自体がありません。
簡単な改造を施してみるのも面白いですね。

他のなめくじと

D51スーパーなめくじ

今回作ったスーパーなめくじです。D51の中でドームが一番長いタイプです。

D51スーパーなめくじ

前回作ったD51なめくじ(動力逆転機仕様)です。
ドームの後端は、安全弁前のボイラーバンドに重なる程度の位置にあります。D51 1号機もこのタイプかと思います。ただし有名なD51 1号機の組み立て図は少し短いようです。

以上が私が3Dプリンターでこしらえた、どこかへんてこなもの(→決してそうしたかったわけではないが…)。

D51一次形東北仕様

KATOのまともな市販品、D51一次形東北仕様です。この中ではドームが一番短いです。
先の作例はどちらもこの動力を使っています。…なので、動力を奪われた上廻りが無残に残っております。

ドーム延長メモ

ドーム後方はガイドレールを3本だけ描いて伸ばしました。
このように作ったというだけで、決して実物がこのとおりの形というわけではないと思います。
3D CADは無料のAutodesk Fusion 360を使いました。

D51なめくじ蒸気溜め

複数パートに分かれているD51なめくじのドームカバーのうち、一番後ろの蒸気溜めカバーを撤去しました。

砂箱延長

その前方の砂箱断面をそのまま後方に延長し(ここがすでに怪しい)、新しい蒸気溜めカバーとしました。
砂箱断面はD51 1の組み立て図を参考に作っています。

後方の作図

さらに後方です(図は裾部を作る前の原形です)。

横から見たシルエットのみ決め、あとは成り行きにまかせました。

まず垂直にスケッチ面を作り、頂上に稜線のレールを画きました。前方の蒸気溜めから接線でつないでいます。
次に底面に水平なスケッチ面を作り、両脇のレールを画きました。レール前方は次第に幅が狭まり、後方は平行にしています。横から見たとき、火室上部のドーム裾を水平にしたかったためです。

3本のレールができたら、それに接するよう、最後部に2枚目の断面を画きました。ここはキャブ妻板上になります。

ロフト実行

ロフト機能を実行し、2つの面をプロファイル1・2とし、3つのレールを選択しました。

途中に断面を増やしたりしてもよいですが、形がマズいと計算上うまくつながらず、画面で見ても変な歪みやしわができることがあります。適当に、どこかで妥協しています。

裾の形

ドームとボイラーを重ねて、交差したラインをそのままドームの裾のラインとしています。
そのままでは図のように、ボイラー外側のテーパー部と重なる2箇所に角が付くので、ここはあらかじめボイラー側(ボイラーと同じ形をした作図用の土台ボディー)に丸みをつけておいてから交差させました。

なお最終的に中を空洞にくり抜き、裾のフチも付けています。

以上、前回のD51なめくじなどと合わせて約7両分のボイラー、3両分のテンダー、その他少々を造形したところで500gのUV樹脂をほぼ1本使い切りました。
全部成功したとして、テンダー機関車の上廻り1両あたり、400〜500円ぐらいの材料費ということになるのでしょうか。たいていは数回やり直すので、まあ1つの機関車模型につき1,500円分程度はかかっているのでしょうね。


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