Nゲージ蒸気機関車>2007年のメモ>2007.10.6(D51 398の加工)
2007.10.6
北海道型のD51としてはリアル・ライン製品が注目されましたが、マイクロエース(以下アリイ)からもキマロキセットとして398号機が再生産されました。こちらは丈夫でよく走るのが特長なので、単純に車高を下げて、リアル・ライン製品と並べても大きな違和感がないように形をそろえてみました。
[1] 2
こうした加工は、しなければならないというわけではありませんので、段階を追って考えました。
まずは単純に車高を下げました。リアル・ライン製品とランボードの高さを揃えるには、約1mm下げればよいと思います。
車高を下げる方法は今までと同じです。分解してダイキャストブロックを削っていきます。なかなかボディーがうまくはまりませんが、今回は赤丸で囲ったあたりの削りが不十分で時間を取られました。前方のサイド(シリンダーの上あたり)は、関係ないかと思ったのですが、どうしてもボディー前方が浮き気味になってしまい、ちょっと側面を削っただけでぴったりはまりました。 なお、スノープローが線路に当たるようになるので、一度切り離して足を切り取り、エポキシ系接着剤で接着しなおしました。 |
|
ここまででこんな感じになります。ライト、ドームなどアリイ製品のクセはそのままですが、これで十分と感じられましたらここまでで終えます。 | |
左がリアル・ライン、右が車高を下げたアリイです。 |
もう少し各部の形を整えていきます。部分的にリアル・ラインの模倣もしてみます。
まずは角ばっているドームです。 平ヤスリを使って上から削り、少し高さを下げ、それから前後左右の角をゴリゴリ落としていきます。 |
周りを傷つけないようにマスキングテープなどでぐるぐる巻きにして削っていきます。こんなテープでも、あるとないとでは大違いで、間違って削ってしまっても被害が小さくてすみます。 こんなふうに削ってしまったら、あとで塗装するのが大変そうと思われるでしょうが、特に心配要りません。私は削りっぱなしで何も塗っていません。 |
北海道型後期のD51は、デフの前端が煙室前端とツライチになるまで切り取られていて、真横から見ると扉のふくらみがはみ出しています(アリイはそれより引っ込んでいます)。ライトもデフより前方にせり出しているので、製品のライトも交換したほうが実物の雰囲気に近くなります。
ただし、多少似ていなくてもライトが点灯したほうが面白いという場合は、そのままにします。北海道内では降雪などの関係で、点灯している場面が比較的多かったと思います。
まず、似なくなっている原因のひとつである、煙室扉の上部の手すりを引き抜き、取り付け足をぎりぎりまで切り詰めて接着しなおします。 製品のライトは付け根から切断し、上部に少し溝を掘って、市販のダミーライトを取り付けます。本当は前面から穴を空けて差し込むと簡単なのですが、少し下がりすぎるようです。 |
この例では副灯も交換しましたが、副灯は取り付けのための穴あけなどが面倒ですし、主灯も合わせて市販パーツを買うと高くつきます。 なお、北海道切り詰めデフのスタイルに詳しい方は、前面とデフの前後関係にちょっとした違和感を感じられていると思いますが、写真のようにデフの前端をほんの少し削って後端と同じようにすると、ずっと似てきます。気になっている方はやってみてください(割と強くお勧めします…)。その部分だけ縁取りがなくなりますが、ほんのちょっとですから、ナイフでスジを入れてごまかしてやれば大丈夫です。 煙突は、テーパーのないただの土管で(その点はリアル・ラインも同じ)、少し長く見えますが、うまい整形方法がないので少し切り詰めるだけとしました。 |
リアル・ラインには少し高めの増炭覆いがついているので、同じくらいの大きさのものをプラ板で作って取り付けました。長さ15mmくらい、表から見える部分の高さは2.5mm弱です。 |
厚さ0.5mmのプラ板を2枚重ねたので分厚くなりましたが、この部品は付けても取れやすいので、しっかり接着します(あえて外せるようにする方法もあります)。なお、内側の石炭の側面は、分解組立のときに増炭覆いが邪魔にならないように切り取ってあります。 後ろには北海道型特有の位置に覆い付きのライトが付きます。手元に市販パーツがあったので付けましたが、普通のライトに紙などでヒサシを作っても十分それらしくなります。 |
キャブは気にならなければそのままでよいかもしれませんが、ドアの窓を少し小さくし、前方に幅を広げました。赤い部分を切り取り、緑の部分を付け足してあります。ドア前側の手すりを一度引き抜いてから加工します。 本当は、上下にも少し小さくしたいのですが、そうするとランボードとの段差が小さくなりすぎておかしくなります。それでキャブを下げると、今度はテーパーボイラーが太いせいで、キャブの頭の段差が少なくなってシルエットがおかしくなります。適当なところであきらめました。 |
ここまでで、こんな感じになります。
アリイ 加工前 | |
アリイ ここまでの加工後 白線と空気作用管の金は黒で塗りつぶします。このほうがお客さんに喜んでもらえるだろうとメーカーが考えてくださったのでしょうが、ここでは塗り潰させていただきました。 ドームは削ったのでプラの地がむき出しですが、そんなに変ではないでしょう。 |
|
リアル・ライン |
アリイはモーターが収まっているボイラー後部のテーパー部が太く、シルエットに影響して気になりますが、ここはさっさとあきらめるしかありません。小型モーターに取り替えて、テーパー部を切り取って作り直せば改善はできると思います。
これで実用になりますが、リアル・ラインで目に付くちょっとしたパーツを取り付けてちょっと飾ってみます。
[1] 2