Nゲージ蒸気機関車>蒸機の工作>D51船底型テンダーベースセット
久々にやえもんデザインから発売された、Nゲージ関連のパーツ製品です。
最近は各社ともNゲージの金属キットの新作がなくなっていたところ、いつかは作りたいと思っていたものが発売されたので、大変嬉しく思いました。
これはベースセットのため、細部の装備やディテールは組み立てる人が実機に合わせて別途用意します。改装後の船底テンダーは同じものが1つもないのではないかと思えるぐらい、側板の形から各部装備までまちまちですよね。
2023.12.2/12.9
キット内容は従来のやえもんデザインのキットと同様です。いつも通りしっかりしたエッチング板とロストパーツで構成されています。おまけパーツとして光造形の台車も付属しています。
小パーツがパーツケースに入っているのが嬉しいですね。組み立て中も小部品の保管に便利に使えました。
他に用意するものは人によりまちまちですが、説明書のうえではD51標準形のテンダーが必要とされています。
使うのはテンダーの中身と車輪です。テンダー台車の車輪を外して使う以外には、KATOの「11-611 中空軸車輪(スナップ式台車用・黒)<車軸短>」も使えます。比べたところ同じものだと思いますが…。
テンダーの中身はジャンク箱からD51やC57の部品を集めて、D51標準形と同じものを合成しました。
今のところ具体的に作りたい特定機がないので(漠然と、船底テンダーのD51でいい)、まずはベースをそのまま組み立てました。
この製品はテンダー上端の高さが、キャブのひさし下部と同じぐらいのタイプです。実物は低いもの高いもの色々です。
船底テンダーの底部を折り曲げる前に、曲げゲージを兼ねて前後の妻板を作りました。
多くの部品は硬いベーク板の上で、ナイフで押し切って切り離しました(手持ちのニッパーが入らない箇所がありましたので)。
前後とも模様が表になるように折り返して貼り合わせました。
後部妻板のステップ部分も折り曲げました。
左のステップの中段(穴が開いているところ)には、あとで小さなステップが付きます。
後部妻板にテールライトを付けるときは、ここで穴開けしておいたほうがよさそうです。
妻板の形を参考に、テンダー外板の底部から折り曲げました。
大きな力は要りませんが、必要に応じて万力や木片などを添えながら徐々に曲げます。
まあこんなもんだろう、と踏ん切りを付けたところです。
全長に渡ってすべて同じ角度で曲げるのはなかなか難しく、このあとも微調整を繰り返しながら組み立てていきました。きちんと曲がっていないとテンダーが左右に傾いたりもしますからね。
側板の上部に沿って洋白製の細いフチを貼り付けます。外板の曲げに続いて緊張する作業です。
位置決めのため上端から少し離してマスキングテープを貼り、そこにフチを突き当てて、ごく少量のハンダでハンダ付けしていきました。
前後の妻板を固定しました。歪まないように微量のハンダで側面を1箇所ずつ点付けしながら様子を見ていきました。
最後に側面との突き合わせ部にきちんとハンダを流しました。底部は少し隙間が空いてしまいましたが、特に埋めずにいます。
前の妻板に石炭皿やデッキ、ハシゴ、水管留めなどを固定しました。細かいパーツは付属していませんから、この先は自分で好きなようにディテールを付けることになります。
青い矢印の位置に少し横に長い穴があり、手ブレーキハンドルのフックを付けることになっていますが、該当する形の部品が見つけられなかったので、必要な人は自作するという意味かもしれません。
とりあえず、ブレーキハンドルは簡単に作れますので付けることにしました。
ベーク板の上に真鍮線を曲げて貼り付け、合わせ目をハンダ付けしてから適当にカットしました。
フックは適当に自作してハンドルを差し込み、固定しました。
この写真を撮ったことで傾いていることに気づき、このあと修正に四苦八苦して一度ブレーキハンドルを壊しました(笑)。
後部はステップなどの付属パーツをそのまま付けました。連結器座はロストパーツです。
底部には台車受けや側受けなどのロストパーツや、梁の端部6個をハンダ付けしました。
中央にある4つの穴はATS車上子を付ける際の穴、その手前の丸穴はブレーキシリンダーを固定する穴だと思います。恐らく別売のやえもんデザイン製のパーツに適合するのではないかと思いますが…。
ブレーキシリンダーぐらいは付けたいのですが手持ちパーツがないので、これぐらいはあとで接着でもよいかと思いスルーしました。ただ、ATS車上子があとで欲しくなると、配管の追加なども要りますから、できれば最初にどうするかを決めて塗装前にハンダ付け工作したほうがよいかなと思います。
配管はあとで欲しくなっても、塗装後の接着ではちょっと心許ないので、0.3mm・0.4mm真鍮線を用意して2本だけハンダ付けしておきました。
手前の暖房管の配管留め(小さい虫メガネ状のパーツ)は付属しています。また配管の前方はハシゴの裏側に重ねて固定し、ハシゴの補強も兼ねています。
今回は金属部の工作はここまでで終わりです。
ドローバーはテンダー前側のフックを引っ掛けるため、後端から12.5mmの位置に丸穴を開けます。少しズレたような気もします。
カプラーとドローバーを付け、台車に車輪をはめて付属のワッシャーと1.0mmネジで留めました。
タップでネジ切りする必要はなく、直接ネジ留めできました。カプラーは元のD51のカプラーポケットがそのままはまります。
テンダー中身の加工です。説明書には「ドローバー部突起をカット」とありますが、恐らくここかな…
ニッパーで根元からカットしてしまいました。
なお集電機構はオミットされているため集電板も外しました。KATOのD51はエンジン部だけでも結構普通に走行できますが、ものによってばらつきがあるかもしれません。 テンダーから集電するには台車集電板を付けられるよう台車の作り変えが要りますし、床板に集電板の通る穴を設けたり、通電ドローバーとの接続方法を考えたりと、手間はかかります。
石炭をはめ込んでベース部完成です。
おまけ台車はちゃんとバネが3列のD51用になっています(D52は2列)。軸箱の向きは左右が点対称ではなく線対称なので取り付け向きに注意です。これで合っています…よね?
ただ組み立てるだけでしたら特に難しいところはなく、手ごろなボリュームでした。
この先どうするかは考えていませんが、ブレーキシリンダーの固定と、ATS化すると決心したら車上子の取り付けと配管追加でしょうか。
形態は千差万別で調べるときりがありませんね。今はこれだけで十分楽しいですけど…。色は塗ります。
船底テンダーは基本的に1000番台ですから(振替例はあり)、やはりナンバープレートも1001以降の桁の大きいものが似合うかと思います。
やえもんデザインも「Y-035 D51ナンバー(戦時型) ¥858」を販売しており、1000番台のナンバープレート13両分が含まれています。ただ通信販売の最低金額は1,500円+税なので、これひとつだけを直販で購入することはできないようです。他のパーツとまとめ買いか、他に取扱店を探すことになりますね。
エンジン側に使うD51標準形はATS仕様のため、テンダーのATS配管も0.3mm真鍮線で1本だけ不徹底に追加しました。
これは塗装前にハンダ付けしました。
中央にはATS車上子とブレーキシリンダー、テコを合体させた部品を作って接着しました。
参照した図面では、ブレーキテコは水平ではなく少し斜めになっているように見えたので、そのように作りました。まあ、いいかげんですけど…。
今回はこれで終わりです。石炭部は前方がちょっと妻板に引っかかったので、引っかかった部分を少し削ってはめ込みました。
KATOのD51標準形に感じが合うようにツヤを調整して黒塗装しました。勘なのでまったく同じにはなりませんでしたけども。
ナンバープレートはやえもんデザイン製を付けました。D51 1000番台の形態はエンジン側・テンダー側とも様々なので、ぴったり適合する番号はないだろうと思い、好きなものを付けました。
ちなみに実際の1021号機はカマボコドームのままで、デフは門鉄デフ、側面ナンバーはタブレットキャッチャーを避けて前方にずれていました。
先にD51標準形付属のプラ製ナンバープレートのうち、使わないものの番号を平らに削り取ってから、取り付け部の角穴を埋めるようにはめ込みました。その上にやえもんデザインのナンバープレートを貼り重ねました。
すぐ見慣れてしまいますが、一風変わっていてよいです。
テンダーを交換していないD51標準形と並べますと次のような感じです。
D51標準形(テンダーそのまま)
D51 船底テンダー
側面がきちんと平らな面になるのは金属キットの良さです。
3Dプリントではなかなか難しいです。
D51 船底テンダー
このテンダーセットの初回の発売は売り切れましたが、今月中旬頃に次回の入荷があるようです。
大体こういうものは欲しいと思ったときにはどこにもないので、気になりそうな方はチェックしてみるといいかもしれません。
あとで気になるかどうかはわからないのですが…。