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D52・D62の組み立て(やえもんデザイン) その2

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テンダー

前作のD51では種車のテンダーをそのまま利用しましたが、D52では形が大幅に違うため、テンダーもキット化されています。
台車はKATOのTR41で代用します(別途用意)。

テンダー妻板
  1. 前後のテンダー妻板を2つ折りにして貼り合わせ。
  2. 後部ステップをつないでいる補強ステーは最後のほうで切り取ってしまいました。
テンダー車体

最初からプレス曲げされているワールド工芸製品に慣れていると、平板の状態から船底テンダーを曲げるのは心の準備がいりました。
昔、電気機関車の屋根と側板をきれいに曲げられずに悲惨な出来栄えになったことがフラッシュバックします。
しかし、難しいことを考えずに折り線に沿ってバキバキ曲げれば案外とうまくいきました。

  1. 万力に挟んで木片を押し当て、底部の浅い曲げを始めに曲げました。曲げの角度は、前後の妻板を参考にします。
  2. 一方の側板を万力に挟み、底部に木片を押し当ててぐいっと曲げました。
  3. 最後にこちらの側板ですが、万力の厚みのせいで最後まで曲げることはできず、残りは万力から外して平らなところに押し当てて曲げました。

テンダーの長さが49mm、手持ちの万力の幅が50mmなのでギリギリでした。

テンダー上部
  1. 船底状になっている炭庫の底板をヤットコで曲げました。少し固いので、しっかりくわえないと歪みます。
  2. 仕切り板を固定。
  3. 給水蓋の筒を固定。この中に1.4mmネジを差し込んでその下の台座にネジ留めします(台座から上物を取り外せるようにします)。また、上部には別に蓋が付きます。
  4. 手すりを固定。
  5. この台座は最終的にテンダー後部に固定します。テンダーへの固定は最後のほうで行ないました。
フチの取り付け(1)

テンダー側面の上端にはリン青銅製のフチが付きます。
位置決めのため、上端から帯の幅だけ離して(目分量)マスキングテープを貼りました。

フチの取り付け(2)

マスキングテープをガイドにして、テンダー上端にぴったり合わせてフチのパーツを置きました。
都合のよいことにテープ断面から少し糊がはみ出しているらしく、ある程度粘着してくれます。

フチの取り付け(3)

その状態で上端の合わせ目からハンダ付けしました。
最初は1箇所のみごく少量のハンダで留めて曲がりやズレを確認し、少しずつ点付けして、最後に全体を付けました。

蒸発できなかったフラックスが流れ込むハンダによって下側に押し出され、そこにハンダが回ってしまうことがあるので、とにかくコテ先に余計なハンダを載せないことが肝心です。コテ先に載っているハンダは、最終的に全部素材側に流れてしまいます。

ストーカー類

前部妻板をテンダー本体に固定し、下部のストーカー関連のロストパーツを付けました。

3つのロストパーツを合体して1つの部品にし、テンダー下部に固定します。2と3のストーカーエンジンを上下に重ね合わせ、横から1の中間緩衝器を差し込むような格好になります。

ストーカーのジョイント部

1のストーカー座に2の取り付け板を固定し、テンダー内側に出っ張っているピン(前の写真で取り付けた1の後部ピン)に差し込んで固定。

前部妻板のパーツ

よくわからなかったところもあり、間違えているかもしれません。

  1. 妻板の上部を少し後方に押し曲げ。
  2. ブレーキハンドルを固定。
  3. 左右に手すりを固定。
  4. 取水コックの取り付け座(穴2つ)を固定。
  5. ロストワックスの取水コックを固定。下側は妻板の穴に差し込み、上側は余分な足を切り取って(メーカーサイトに補足説明あり)、4の穴に差し込みました。
  6. こちら側は穴1つの取り付け座を固定。
  7. 0.3mm真鍮線を固定。下側は切りっぱなしです。しかし、先にこれを付けると、あとで前方からステップ板を付けるときに邪魔になります。
  8. 写真ではまだ付いていませんが、石炭皿を固定。
底部のパーツ(1)
  1. 前方ステップ(横長の網目板)を貼り合わせて固定。あとでこの左右にハシゴが付きます。
  2. 前後の台車受梁を固定。中心の穴には台車のセンターピンが入るので、3.0mm丸ヤスリで整えました。
  3. 台枠(長・短)を固定。
  4. エッチング板を曲げた梁を8箇所に固定。
後部妻板
  1. 裏側からステップ・手すりを差し込んで固定。
  2. カプラー解放テコを固定。
  3. 下部ステップの中段を固定。
  4. 下部ステップの下段を直角に折り曲げ(写真ではまだ曲げていません)。
  5. 暖房ホースを固定。
  6. ライトを固定。電気配管もそれらしく付けるとよいのでしょうが、先を急いで省略してしまいました。
  7. 後部妻板を本体に取り付け、補強ステーをカットしました。しかし、組み終わってみれば別にカプラー等にも干渉しなかったので、切る必要はなかったです。→フランジに当たりました。やっぱりカット(笑)。

ほか、テールライトも2個付属しているので、使うときは穴を開けて取り付けます。

底部のパーツ(2)
  1. カプラー座を固定。使用するカプラーによっては、一部削り合わせやカットが必要かもしれません。
  2. ATS車上子を固定。隣接しているのでパーツの一部を削りました。取り付け位置は使用線区などによって違いがあり、前後にかなり離れていることもあります。
  3. ブレーキシリンダーを固定。あとで一部が車輪に当たることがわかり、外して削りました。
  4. 適当に配管を固定(本当に適当だこりゃ)。
  5. 後部のカプラーポケットの差し込み穴には、床板の上側から同じ形の板を貼り重ねました。「C59、C61用」と書かれたエッチング板にあります。
テンダー生地完成
  1. 上蓋の取り付け座をテンダー後方にぴったり合わせて固定。上部の固定穴には1.4mmタップを立てます。
  2. ネジ留めしたあと、上からかぶせる給水蓋。2種付属しています。塗装組み立て後、ゴム系接着剤で付けておきました。
  3. 左右にハシゴを固定。
  4. 塗装後、内側にウェイト(実は棒ハンダ)を置き、ウェイト留めをはめ込んでテープで貼り付けました。

下廻り組み込み

ここまでは部材を揃える作業で、ここから実際の組み付け作業になります。

動力ユニット加工
  1. 一度動輪を外し、左右にあるエアタンク取り付け部の突起を切り取ります。
  2. シリンダーブロックの上に厚さ1mmぐらいのプラ板を貼って車体をかさ上げしました。 非公式側のモーションプレートがエアタンクに干渉したため、モーションプレートを少し削りました。
    付属のかさ上げパーツ(エッチング板)を使う場合は、もっと車高が上がるので、モーションプレートを削らなくても大丈夫かと思います。
  3. モーター押さえの上にプラ板を張り重ねて高さや傾きを調整しました。

この3箇所のプラ板の上に両面テープを貼って、金属車体を留めました。
ライトは非点灯なので、あとで基板は撤去しました。基板を外すにはフライホイールを浮かせる必要があります。

火室部分の加工

火室部分は元のD51の火室下部を薄く削って取り付け(矢印で指した赤色の部分)、絶縁と配管取り付けを兼ねました。
削りすぎると配管取り付け部が取れそうになります。

削った火室下部とダイキャストブロックとの固定ボスは1箇所になるため、傾きが安定しないので、両面テープを併用しました。

配管の取り付け

D51から取り外した配管パーツを火室下部の穴にはめ込みました。キャブ下に当たる部分は一部削り合わせを行ないました。

金属車体側は、火室下部の丸穴を下側まで切り開き、そのまま上からかぶせるようにしました。

テンダー台車

テンダー台車は下側(写真では上側)を平らにヤスり、KATOのプラ製のセンターピンで留めました。
テンダー車体に接するほうを削ってしまうと、車輪のフランジが底に当たります。

最初はセンターピンのはめ込みが固いので、車体の穴に3.0mmヤスリを通したり、センターピンの割りピンの先端を少し削ったりしながら押し込みました。
一度着脱してしまうと、少しピンが削れるのか、2回目以降は簡単に着脱できるようになりました。

フランジがストーカー下部などに当たってしまい、色々削り合わせました。

ドローバー

ドローバーは連結ピンの位置に1.2mm穴を開けて使用しました。
あとで集電線が必要になったときのために、先のほうは少し長めに取っておいてあります。今のところ、エンジン部のみの集電でも問題がなさそうなのでこのままにしています。
※フライホイールの慣性が大きいのも寄与しているように思います。

あとは塗装し、安全弁・カプラー・ライトレンズ・ナンバー・窓ガラス等を取り付けて完成です。
ナンバーは1、70、75、100、333、451が付いています。一番大きいものを付けました。

D52完成

やえもんデザイン D52 公式側

従台車を工夫すればD62としても作れると思います。ただしD62のナンバーは付属していません。
適当な先輪を持っていなかったので、とりあえずスポーク先輪に薄い金属板を貼り重ねておきました(ワールド工芸のどれかのキットに付属していたもの)。

やえもんデザイン D52 非公式側

やえもんデザイン D52 前方

細かいので難しいところもありましたが、基本的には前作のD51と同じ要領でできました。
コンバージョンキットのよさで、走りはとてもよいです。当然ですがKATOの新D51と重連させても息はぴったりです。
同時発売のC59、C61も基本的な車体構造は同一なので、組み立て手順も似ています。

D52は今まで模型雑誌で度肝を抜かれるようなご作例も発表されており、表紙を飾っているご作品を店頭で見た瞬間レジに並んでいたということが何度かありました。今も、たまに拝見してはため息をついています。


D62

半年後にD62が追加されました。従台車廻りの構成が違うので、D51のキャブ下配管パーツは使わない仕様に変更されています。
キャブ下以外はD52と同様ですが、ライトがシールドビーム2灯仕様になっていたり、テンダーに増炭枠が付いていたりと味付けが変えられています。

D62キャブ周辺

D52キットには付属していなかった、分配弁ブロックとドロダメ等が付属しています。そのほかの配管は自分で好きなようにやります。

空気作用管は前方がランボード上ぎりぎり、後方がランボード下に沿っているものが付属しています。ただD52と同タイプの、ハンドレールに沿っているものも付属しています。

D62従台車

従台車は、ロストの軸受けの左右に、同じくロストの台車枠をはめ込む構造です。
ただ車輪が付属していません。D51やC11の先輪を利用するように指示がありますが、どこでも簡単に手に入るものでもないので、早めに押さえておいたほうがいいと思います。軸受けが細いため、中空タイプの車軸の車輪は使えません。

上部に金属板をネジ留めして車輪押さえにします。この先端はうまい具合に曲げて、本体に取り付けたときに台車が傾かないように調整します。

ドローバーの調整

D62キットには側方・前方の増炭枠が付属しています。
前方の増炭板は中央部が高くなっているため、カーブでキャブの屋根の角に当たりやすく、注意がいります(側方だけなら心配ないと思います。前方に付けるときが要注意です)。R249をぎりぎり通過するようにドローバーの長さを調整しました。このD62は増炭板の高さがそれほどでもないので楽なほうです。

C61東北タイプの組み立てのときは、機炭間隔を広げずに削りだけで調整しましたが、増炭板が高かったため結構手間がかかりました。

D62完成

できました。細かいミスはいくつかありましたが(部品を飛ばしてしまい自作するなど)、大きい失敗はありませんでした。

やえもんデザイン D62 公式側

やえもんデザイン D62 前方

副灯が主灯より高い10号機風にしました。以前のやえもんデザイン製品では、シールドビーム灯が銀製でしたが、今は材質が変わっているようです。ハンダ付けはちゃんとできます。
テンダーの台車枠は付属していないので、またTR41を使いました。使っていなかったトキ15000から頂戴しました。

D52と同様、テンダーから集電しなくても走りは良好です。ボイラー内部に余裕があるので動力の取り付けも苦労せずにすみ、気が楽でした。
(終わり)

塗装メモ

水性、ターナー
メタルプライマー 1:5、黒1:4
黒はこの濃度では時間がかかりすぎ。コンプレッサーが長時間動きっぱなしで、臭いがしなくても騒音の問題が出てきてしまった。次回は1:3あたりか。


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