Nゲージ蒸気機関車2012年のメモ>2012.1.26

ED61・ED62(トミックス)

ED61

2012.1.26

昨年リニューアルしたトミックスのED61・ED62を、前回品(1997年品)と比べてみました。
一応新旧ということになりますが、旧というと初期のホンコン製時代のものを連想するので、気持ちの中では最新と新 という感じです。


前回品とほぼ同時期には、ワールド工芸からもED61・ED62が発売されていました。欲しかったのですが、ぐずぐずしているうちにトミックス製品が発売され、あっさりそれを買ってしまいました。
ED75と同様に、小さなNゲージのレイアウトにもちょうどよいサイズということで、便利な機関車です。

全体

ED61 新 ED61 新 
(拡大写真)
2011年製品です。ED75と同様の動力ユニットを使った滑らかな走りには感動します。
ED61 旧 ED61 旧 
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1997年製品です。当時、外観的には大きいリニューアルのように感じましたが、動力はまだスプリングウォームでした。
ED62 新 ED62 新 
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2011年製品です。
ED62 旧 ED62 旧 
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1997年製品です。
ED61 旧(茶) ED61 旧(茶) 
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旧ED61の茶色のバリエーションです。これは1998年製品です。

なお、新動力仕様のED61(茶)は、マルチクリーニングカーとのセットで登場しています。
窓周りは新しい部品ですが、ボディーは旧製品のため手すり等は一体成型です。用途がクリーニング作業なので、扱いやすさが優先されているのかもしれません。

側面(ED62)

写真が歪んで水平の線がまっすぐに出ないことが多いので、最近は電気機関車を真横から撮るのはできるだけ避けていますが、ED62のみ撮ってみました。

ED62 新 ED62 新 
(拡大写真)
ED62 旧 ED62 旧 
(拡大写真)

新製品と比べると、旧製品は動力の頭がボディーに若干つっかえ気味という感じで、ボディ裾と下廻りに若干の隙間があるような気がします。
新製品で見た目に楽しいのは窓周りの表現です。旧製品では窓の凸部がすべて銀色でしたが、今回はHゴム部はグレーです。動力が直接見えていた側面窓には裏から黒が入っていて、色調にメリハリを感じます。

台車まわり(ED62)

台車のプラパーツは、新旧まったく同じ部品のようです。台車裏側の刻印も同じ番号です。

ED62 新 ED62 新
ED62 旧 ED62 旧

ただし動輪は別物で、旧製品は現在の製品よりもタイヤが薄くなっています。旧製品はKATO製品のタイヤ表現に近いように思います。

正面

ED61 新
ED61 新
ED61 旧
ED61 旧

ボディーの金型は同一ではないようです。全体の印象として、新製品は角ばった感じ、旧製品は丸みを帯びた感じです。
新製品では全体にディテールアップされ、賑やかさがありますが、旧製品も当時のトミックスらしい造形でシンプルな良さがあります。

前方

ED61 新
ED61 新 
前面手すりはユーザー取り付け、解放テコは取り付け済みという最近の仕様です。
ED61 旧
ED61 旧 
これより前の世代の製品と違い、クリーム部分は別パーツではなく、今と同様に塗装で塗り分けられていました。
ED62 新
ED62 新 
無線アンテナは必要なときに穴を開けて取り付けます。
ED62 旧
ED62 旧 
スカートはED61と同じものです。写真では未取り付けですが、無線アンテナも付属しており、取り付け方は新製品と同じです。

旧製品の発売された1997年はつい最近のように思っていたのですが、クリーム色の塗り分け技術の差を見ると、もう15年経ったことを実感します。
ただ何となく側面窓は、旧製品のほうがぴったりはまっているような気がします。

なおいずれの製品も、オリジナルはMカプラーで、密自連型TNカプラーが付属しています。ここでは訳あってマグネ・マティックカプラーを装着しています。カプラーの長短の違いは使用したカプラーの種類に起因するもので、製品そのものの違いではありません。

屋根上

ED61 新 ED61 新 ホイッスルカバーと信号炎管はユーザー取り付けの別パーツです。
ED61 旧 ED61 旧 全体的な印象は、新製品とほとんど変わりません。

運転席付近

ED61 新
ED61 新 
運転席は完全シースルーです。各種印刷もずいぶん細かくなっています。
ED61 旧
ED61 旧 
運転席内部には遮光板が入っているため真っ黒です。

動力ユニット

新動力は大きなフライホイールのついたシャフトドライブ、旧動力はスプリングウォーム式の伝達です。
新製品の動力ユニットは圧倒的にスムーズですが、旧製品も当時のD型機としては悪くない走りでした。

ED61 新 ED61 新 
ダイキャスト部分はED75と同一です(台車周辺プラパーツ等は違います)。
ED61 新 ED61 旧 
ライトは一応LEDで、当時としては標準的な形状ですが、今のチップLEDに比べるとずいぶん大きいです。

ED79から始まった新動力は新製品の大きな強みになっています。KM-1+KC-1を使っても、発進前のブーンという音が小さいですし、発進加速の安定したフィーリングは他にはないもので快適です。
ただ停止時の過走が大きいのは、もしかしたら好みが分かれるのかもしれません(私は好きですが)。その後のF型機の動力ユニットでは、フライホイールの効果が少し抑えられているように感じます。

ED61・ED62は、900×600mmぐらいのホームレイアウトにもちょうどよいサイズの機関車ですが、今回の製品はミニカーブレールにも対応しているので、より狭いスペースでも使えます。

これぐらいのサイズの新製品が蒸気機関車でも欲しいです。たとえばC11とか。今の各社の技術なら、標準の縮尺でかなり有意義なものを作れそうな気がします。


●比較した模型について
・トミックス 9114 国鉄ED61形電気機関車
・トミックス 9115 国鉄ED62形電気機関車
・トミックス 2136 国鉄ED61形電気機関車(青色)
・トミックス 2137 国鉄ED62形電気機関車(青色)
・トミックス 2138 国鉄ED61形電気機関車(茶色)


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