Nゲージ蒸気機関車2008年のメモ>2008.3.15(怪しいED75)

怪しいED75

ED75

写真手前は70年代からのファンの方ならよくご存知の、旧トミーナインスケールのED75(香港製)です。が、訳あって下廻りはKATO製になっています。
実は、動力がかなり前に変形して走れなくなっていたのですが、放っておいても直らないので、丸ごと交換することにしました。

2008.3.15


いまや文鎮


問題がこの反りだけなら多少は走るはずですが、残念ながら何箇所かで完全に割れていまして、接着剤でつないでいるのでもう走れません。何しろ30年以上前の普及品なので、多少大きな変化が起きても別に不思議ではありません。

変形した動力

ただこれは同製品のなかでも初期型で、もともと他に比べて短命に終わる品もありました。当時は「廉価品だからしょうがないな」程度で済んでいたと思います。また、用途と値段、想定勾配層の年齢から考えて、これが10年以上も可動する必要性は少なかったでしょう。その間にトミックスでは丸ごと新規作成したED75を出していますから、この黎明期の模型はとっくに役目を終えていました。

動力交換

トミックス動力の利用

当時と同型で元気な動力は入手できないので、フレームを作り直すか、似たもので丸ごと交換するしかありません。
トミックスの現行品の動力であれば、前後の遮光板兼スカートを外すだけで、あとは特別な加工なしにすっぽりかぶせられます。これはED75 1000(JR貨物更新車)の動力にかぶせてみたものです。

しかし、私が持っているトミックスの現行のED75はこれ1両だけなので、この動力を供出するわけにもいかず、余分に持っているKATO製品を使うことにしました。

KATO動力の利用

こちらはKATO製動力です。使ったのは現行品のひとつ前のタイプです。スカートはボディーマウントですが、運転席表現がなく、パンタ下バネがあり、台車のブレーキが浅いところにモールドされているものです。

スカートの一部が、左右のブロックの絶縁スペーサをかねているため、そこだけ残してスカートを切り取ります。また、トミーのED75の前面ガラスが内側に厚く、かつ後方に少し長いので、動力ユニットの当たる部分を少々削る必要があります。それだけですっぽりはまります。

左右に0.5mm厚プラ板を貼ってボディーとの隙間をなくし、別途アーノルドカプラーを台車に固定して完了です。当然ながら抜群の走行性能になります。

なお、ライトには透明パーツがはめ込まれていますが、うまく導光されず点灯しないので、ライトの基板は外してしまいました。

トミーナインスケールのED75やDD13などは、当時見てもオモチャっぽい感じでしたが、その頃は日本型Nゲージの車両が圧倒的に少なく枯渇感があったため、許容されていたものでした。

車幅について

車幅の違い

現在の動力が比較的楽に入るのは、トミーナインスケールのED75の車幅が現在の製品よりも広かったためです。

動力ユニットとモーター

動力ユニットはモーターの幅ぎりぎりです。当時使える最小のモーターでも、ボディーを広く作らなければ収まらなかったのでしょう。

それにしても、何で窓枠が白に塗られていたんでしょうね。
※出荷時期によっては塗られていないものもあります。

ED75とタンク車

今さら動力を交換なんて、このED75をこれから使うつもりなのかよと問われれば、残念ながらそれはないと思います。ただ、歪んだ体をそのままにしておくのも痛々しくて…。

その後…なんと、正常なED75の後期製品をお譲りいただき、動力ユニットもトミー製に戻って、ほぼオリジナルに近い復活を遂げました。
足回りをもがれていたKATOのED75も元通りに復帰。一応、あとで元に戻すことを考えて加工してあったため、両方とも生き返りました。ありがとうございました。
気付いたのですが、初期型のED75に後期型の動力を入れることは無改造で可能ですが、その逆はできません。後期型の動力のほうが、モーター部の幅が狭いため、ボディー内側にそのぶんリブが張り出しているためです。ここを削ってやれば収まりそうです。ただ、動力が生きている前期型をお持ちなのであれば、それをそのまま維持したほうが貴重かもしれません。


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