先日一足先に組み立てた客車の続きです。機関車も客車と同様、国鉄の車両をそのまま模型化したような構成で、モーター動力で走ります。
特に記されてはいませんが、上廻りの寸法は国鉄C62形のほぼ1/80になっています。C62の鉄道プラ模型とみなして組み立てることができます。
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これは商品のパッケージです。1981年の再販品「さよなら銀河鉄道999」ですが、買ったのはずっとあとです。
普通、プラ模型の箱というものは中身のモデルを一番大きく描くものだと思いますが、中身たる機関車と客車はむしろ一番小さく描かれているので、これだけ見ると何のキットかわからないかも。
もちろん側面には中身の説明が書かれていまして、模型店で目にするのは積まれている箱の側面なので、それで足りるのですね。
キャラクターものですから、映像作品に応じた独特な表現やデフォルメが施されていても不思議はないと思えますが、ランナーに付いている車体はいたって普通のC62に見えます。
1/80近辺の国鉄C62のプラ模型で実物のスケールモデルと言えそうなものは、他にはナガノのC62ぐらいではないかと思います。16.5mmゲージ周辺ではアリイやエルエスのように、外見より腕っぷしを重視した商品が目立っていましたからね。
実際、箱にも何箇所か「C62の精密スケールモデル」と記載されています。ただその割に縮尺の記載は一切ありません。
動輪は確かに6個です。それが当たり前ですけども…過去の経験から、数えないと安心できなくなっているかも。
先に組み立てた客車は部品にバリがほとんどなかったのですが、機関車にはバリが目立つ部品や成型が崩れ気味の部品もちらほらありました。一見、技術レベルが違うメーカーが製造した部品が混じっているかのように感じるものもありました。
まあそれでも、当時のプラ模型の平均と比べますと、特に悪いというものはなかったと思います。
最初に車輪を組み立てます。
シャフトは金属製で、写真の下に移っている丸いものは打ち込むための台です。
先輪は台車枠の外側に出ますから、ここで一緒に打ち込んでしまうとハマります。
先台車、従台車の組み立て中です。
先輪はシャフトを先台車に通してから打ち込みます。
説明書の手順ではずっとあとになりますが、テンダー台車も一緒に組み立ててしまいました。
いつも、終盤の車輪や台車の組み立ては気持ちが乗らないんですよ…。それでモチベーション曲線を変更しました。
客車と同様、そのまま組み立てると適合軌間は15mm程度になるようです。KATOの16.5mmゲージの線路には載りませんでした。
幸いかろうじて、ナガノのC62の付属レール(軌間16.0mm)には載るようでした。
もっとも、このキットは線路を走行することは考えられていないようで、レールは付属していません。市販の鉄道模型の線路を走れるというような記述もありません。
それでも自動車のようなゴムタイヤではなく、ちゃんとフランジ付きの車輪が付いているので、直接床に置いて走らせるのは気持ち的に何かすっきりしません。できれば何かレールの上を走らせたいです。
ギヤボックスはプラ製で、自分で組み立てます。
ナガノと似ていますが、ナガノのギヤボックスは金属製で、ギヤの個数も異なります。
モーターをゴム管で接続し、車体にセットします。ゴム管は案外劣化しておらず、そのまま使えました。
ボイラー内には平板状のオモリを入れます。これもナガノにそっくり。もちろん縮尺からして違いますので両者は同じではありません。相当参考にはされているようです。
ボイラーの左右を貼り合わせ、輪ゴムで縛って1晩置きました。
左右はぴったり合わせたのですけども、どうもギヤボックスが左右に若干傾いて付いたようで、あとで動輪を取り付けると片側に少し傾いてしまいました。
主動輪をギヤ軸に押し込みました。向こう側は90度先行させています。
金属製のギヤ軸には小さい羽が付いています。動輪の軸穴の形に合わせて打ち込むことにより、左右の向きを決めやすくなっています。
他の動輪を打ち込みました。
ナガノと決定的に違うのは、第1・第3動輪がギヤ連動していないことです。
連動はサイドロッドで行います。精度も素材強度も十分ではないと思いますが、うまく回るのでしょうか…? ドキドキ。
動輪のタイヤには少量の接着剤で輪ゴムを固定するようにと書かれています。しかし、輪ゴムは劣化していて使えませんでした。
輪ゴムをはめると、輪ゴム外周がフランジとほぼ同じ高さか、わずかにはみ出る程度になるようです。レールに載せるのではなく、平らなところに直接置いて走らせるのが正解なのですね。
代わりの輪ゴムは直径17mmのゴムベルトが使えそうです。テープレコーダーの修理用として各種直径のものが売られています。しかし、手っ取り早く動きを試すだけなら普通の17mmの輪ゴムでも良さそうです。
ただ、これをはめても(外見的にも)あまり楽しくなさそうだなと思って使うのはやめました。パッケージの側面にある完成写真を見ても、輪ゴムは付けられていないようでした。私はナガノのレールでいきます。
先台車・従台車を付けるために、それぞれの取り付け板にセンターピンを差し込んでCリングで留めました。
これらの台車は本当にセンターピンを中心に回転するだけで、横動はしません。
どうもこれでは、曲線のレールを走ることはできない…やはりそもそもエンドレスレールの周回は想定されていないような気がします。
テンダーのドローバーとの連結穴も丸穴が1個で横動はしません。
一方、曲線レールも走るナガノのC62では、台車もドローバーも左右に大きくスライドできるようになっています。
楽しいバルブギヤーの組み立てです。プラ製のロッドやリンクをプラ製のピンで留めていく普通の方法です。ただ、実物の動き方がわかっていないと、説明書の図だけを頼りに正しい組み方を判断するのは難しそうです。
ピンのごく一部にしか接着剤を付けてはいけないので(ピンが抜けないよう、しかしロッドが動くよう)、気を付けて組み立てます。
クロスヘッドは表・裏の2パーツでできており、間にスライドバーとメインロッドを挟んで裏表を接着します。結構確実な作りです。
ナガノのクロスヘッドは裏板がなく、メインロッドも裏側に差し込んであるだけなので、動作中に外れやすくなることもありました。
動輪に取り付けました。
サイドロッドで第1・第3動輪を連結しました。ロッドのピン穴は大きめです。第2動輪位置の穴はかなり大きい長穴のため、ズレが大きく出ることもあり、マズい場面も出てくるかもしれません。ギヤ連動の併用ならこれぐらいでよいかと思いますが。
ただプラ製ですし、穴を詰めたり逆に広げたりというような調整は色々試していけるかと思います。
ちなみに説明書では、連結棒のピン(突起)を下に向けるように書かれていますが、私はこれを油壷とみなして上向きにしました。
また説明書に忠実に組み立てますと、返りクランクの傾き方向も国鉄C62の逆となり、後傾してしまいます。
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