Nゲージ蒸気機関車>メモ>2006.10.5(Nゲージの蒸気機関車の牽引力2)

Nゲージの蒸気機関車の牽引力2

天賞堂 D51498+KATO セキ3000

前回は主にC62などの旅客機を中心に調べましたので、今回は貨物機のD51・9600を調べました。どれも平坦線では十分ですが、勾配になると違いが現れてきます。


はじめに

調べ方は前回「Nゲージ蒸気機関車の牽引力」と同じですが、簡単に述べます。

テストレイアウト

牽引する車両

テストの基準

定量的な基準がなく、前回と同様に主観に頼っています。

平坦線:正常に走って当たり前なので、速度調整せずに周回できることを基準にしました。

勾配線:実用両数と限界両数を調べました。

結果1 D51+セキ3000

メーカー形式平坦線勾配(限界)勾配(実用)備考
KATOD5130両30両30両まだまだ余裕あり
マイクロエースD5130両30両30両
ナカセイD51(全流)30両30両30両テンダードライブ。まだ余裕あり
天賞堂D51 49830両12両6両ゆるい勾配なら何とか
天賞堂D51 半流30両4両3両苦しいです

セキ3000は非常に軽いのですね。転がりも良好です。上の3つは、さらにタキ3000を7両連結してみましたが大丈夫でした。

天賞堂は坂が弱いのですが、あとで発売されたD51 半流・全流は平坦線でも非常に遅く、パワーパック全開でもスケールスピードにはとても達しませんでした。いつも急勾配という感じです。

結果2 D51+スハ44系

メーカー形式平坦線勾配(限界)勾配(実用)備考
KATOD5118両18両18両まだまだ余裕あり
マイクロエースD5118両18両18両
ナカセイD51(全流)18両18両18両
天賞堂D51 49818両3両2両勾配はおすすめしません
天賞堂D51 半流18両1両1両勾配は無理

セキに比べるとスハの1両はずいぶん重いのですが、平坦線ではもちろん何の問題もありません。安心して使ってください。

走らせるために天賞堂のD51を買うなら、最初に発売された標準型3種のどれかがいいかもしれません。坂は厳しいですが、スケールスピードは出るので平坦線なら楽しく使えます。半流と全流は常に徐行という感じで、普段ゆっくり走らせる私でもイライラしてしまいました。ただし、これは私の手持ちの数両に関してですから、一般的にそう言えるかはわかりません。

結果3 9600+セキ3000

メーカー形式平坦線勾配(限界)勾配(実用)備考
エンドウ960030両30両20両テンダードライブ
マイクロエース960030両30両30両まだ余裕あり
KATO960030両30両30両まだ余裕あり
トミックス960030両26両18両テンダーモーター
(参考)トミックスC5730両30両30両テンダードライブ

エンドウ・中村精密、トミックスのC57はテンダードライブで、ワールド工芸のようなイコライザーの工夫もない単純なものですが、結構パワフルです。テンダーの中までぎっしりウエイトが詰まっているので効果があるのでしょう。工夫がないのではなく、テンダーを少しでも重くする工夫をしている、と言えるのかもしれません。

KATOの9600はD51と違い、持った感じが軽くて頼りなく思えますが、この程度の勾配でしたらへいちゃらです。トミックスの9600はもう少し引けるのですが、挙動が不安定になったり、いかにも無理をさせているという感じがしてくるので、主観によりこのへんの両数にしました。少し見方を甘くすればもっといけます。

結果4 9600+スハ44系

メーカー形式平坦線勾配(限界)勾配(実用)備考
エンドウ960018両18両10両
マイクロエース960018両18両18両
KATO960018両18両18両
トミックス960018両8両6両
(参考)トミックスC5718両18両18両

何か計算が合わないな…という感じがするところがありますが、貨車と客車とでは重さ以外にも色々な違いがあり、条件がだいぶ変わるので、単純に比例はしない模様です。これに対しほぼ同じ大きさの客車で、重さだけが違うというもの(例:スハ44とスハ43)では、大体比例計算で行けるようです。

前回同様、ここにお示ししたのは、私が個人的に試した結果であり、結果には何の保証もありません。
橋脚の高さが厚紙1枚分変わっただけで、客車1〜2両分くらい結果に差が出ることがあります。

たったこれだけのことでも、毎日少しずつテストして1週間くらいかかってしまいました。基準が主観なので途中で変わってしまうこともあり、そうなったら初めからやり直しです。長い貨物列車を、1両ずつ連結しては走らせてを繰り返しますから、なかなか手間がかかります。


勾配を自由にレイアウトしたければ、KATOやマイクロエース製品を選ぶのが実用的ですが、逆に色々な機関車や列車を走らせたければ、レイアウトは平坦線にしておけばよいわけです。路盤は水平にして、周囲を掘り下げたり盛り上げたりすれば、土手や鉄橋などを作ることもでき、結構変化のあるレイアウトとなりましょう。


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