Nゲージ蒸気機関車>蒸機の工作>鉄道院160形の組み立て(1)
ワールド工芸の小型機関車キット(製品化協力IORI工房)です。
日本の鉄道開業初期に導入された形式群のひとつで、後に増備された後期形がモデルです。このタイプの1両が明治村で長く保存運転されているので、結構多くの方が目にされていると想像します。
2019.12.27
この記事は筆者自身による組み立て結果をご紹介するもので、途中の失敗もそのまま記載されてしまっています。
組み立て方の説明ではありませんのでご了承ください。基本的に下手なので、これを見て組み立てると下手になると思います。
キットはここ最近のタンク機のキットに比べれば、やや大きい箱に入っています。
各種材質のエッチング板、ロストパーツ、ギヤ類や小ネジなど多数の部品から構成されています。
鉛筆ほどの太さしかないボイラーや、微妙な屋根のカーブは曲げ済みになっています。
いつものワールド工芸の事前サービスで、屋根が曲げられているのも本当にありがたいです。
いつも通りではないのは車体本体(キャブ+タンク)です。
通常のワールド工芸のキットでは、車体はあらかじめ折り曲げられて簡単な箱形になっており、それを見て「うわー小さい!」などと新鮮な出会いがあったものですが、その大特長は今回オミットされてしまいました。
板の取り方の都合などもあったのかもしれません。なおこの部分の曲げ自体は簡単で、どなたにもできます。
あとは従来のキットとの違いは特にありません。南薩鉄道5号機、ナスミスウィルソンA8、雨宮20tCタンクなど、今までのワールド工芸のタンク機の構造に少しずつ似た部分があり、どことなく馴染みを感じるキットです。
先に車体(キャブとタンク)を曲げました。
内張りの部分を180度折り返し、ぴったり重ねました。裾の部分(折り目に当たる部分)は浮きやすいので、折り目をヤットコで押さえて平らにしておきました。
あまり力を入れてギュッと挟むと、リベット表現などがつぶれてしまいますけど…。
先に裏板を仮固定するため、後方3箇所のハンダ穴にハンダを流しました。
固定の前に前方の直角曲げを行うと、重ねた2枚の板のズレによって、折り目が取れることがあるからです(別に取れても付け直せばいいですが、一手間増えるので)。
また、一番前の穴にはまだハンダを流さずにおきました。
側板の前端近くをヤットコでずれないようにくわえ、タンク前方部を直角に曲げました。
2枚重ねの直角曲げなので、外側の板には少し角にRが付きます。
うっかり引っ掛けたりしてめくれないようにするため、内外の板の合わせ目にも、ハンダを薄く流して固定し、ヤスリでまっすぐにしておきました。
結構、忘れていたところに限って引っ掛けちゃったりします。
大事な裾のラインにもハンダを流し、平ヤスリでヤスってまっすぐにしておきました。
わずかな出っ張りがあっても、床板を張り付けるときに隙間ができて、見苦しくなってしまいます(車体が小さいので、少しの隙間や曲がりも外見に大きく影響します)。
折り曲げ部の突起がわずかに残っている程度なら、床板側に逃げの凹みがあるので何とかなりますが、程度によっては吸収しきれないことがあります。
車体の左右に挟み込む、前後の妻板と底部パーツ(A1-5)をそれぞれ貼り合わせて準備しました。
後部の妻板は、A1-3・A1-4のばらばらな2枚を貼り合わせるので、ずれないように注意です(他は2つ折り)。
左右その他に飛び出している短い突起(矢印部)は、車体内張りの小穴にはまって位置決めするためのピンですが、これが板厚より長いと取り付けの際に隙間ができてしまうので、軽くヤスって気持ち短くしておきました。このあとの類似の箇所もすべてそうしています。
最初に前後の妻板と底部パーツをすべて挟み込んで仮組みしてから、先に後部の2枚を車体にハンダ付けしました。
左右の側板がねじれないように、平らなところに置いて位置を決めました(裾のラインがまっすぐになっていることが前提です)。
床板は2枚の板を貼り合わせます。
下になる板(D1-3)には、4箇所に位置決め用のツメがあるので、直角に起こしておきました。これをガイドに2枚を重ねました。
2枚がずれないように慎重に位置を合わせたら、最初に1箇所のハンダ穴にごく少量のハンダを付けて軽く仮留めしました。
何でわざわざ車体に載せて仮留めしたのか謎ですけど…。
写真では、先端の端梁部を折り曲げていませんが、先に直角曲げしておいたほうがよいと思います。ちょっと考えあって曲げずにいたのですが、あとからでは重ねた板の厚みが邪魔になって、直角に曲げるのが難しくなりました。
枠の内側をつないでいた仮ブリッジを切除し、改めて細い部分の全体にハンダを流してきちんと固定しました。
床板の縁のパーツです。細いので変なところで曲げないように緊張します。
後部の端梁を折り曲げて貼り重ねました。バッファーの根元の部分は、つづら折りの3枚重ねになります。
床板に縁を固定しました。熱膨張の逃げは一番前側に取ることにしました(極端に延びるものでもないかもしれませんが、意識だけ)。
表側にハンダが浸みてはみ出さないよう、あまり浸みないハンダを使って、ごく少量ずつ溶かし付けました。
細いボイラーは丸め済みです。
煙室部分はロストですが、煙室前面・煙突・煙突キャップはそれぞれ別パーツです。まっすぐ接合する必要があります。
煙突を煙室にハンダ付けしました。まっすぐ付けるために何度もハンダを溶かして微調整をやり直しました。
ボイラーのパーツ単体で見てまっすぐに見えても、車体に取り付けると曲がって見えることがよくあるので、ボイラー部を車体にテープで仮留めしながら作業しました。
一緒に写っている四角い金属棒はウエイトです。今回は塗装後に接着しました。
煙室パーツと煙室扉の裏側は、はみ出た部品の足やハンダを削り取って、ぴったり合うようにしておきました。
煙室扉の固定は、ボイラーを床板に固定したあとに行いました。
キャブとタンクの裾がまっすぐになっていることをもう一度確かめてから(最後のチャンス)、床板にぴったり合わせ、内側からハンダ付けしました。
ボイラーが水平になっているか、左右に傾いていないかに注意して、ボイラーを床板とキャブにハンダ付けしました。
ずっと仮組みしながらボイラーのパーツを取り付けていたので、それほど苦労はありませんでした。
このあとホワイトメタルのドームも接着しました。
底部の3か所にある、下廻りを取り付けるネジ穴に、M1.4タップを立ててネジを切っておきました。
これで上廻りの接合は終了です。
なんじゃあ
こりゃあ
いつ歪んだ?なぜ歪んだ?
いつ歪んだ?なぜ歪んだ?
最終的には何とかごまかしたんですが、いまだにこんなことをやっているようでは問題あるゾ…。