Nゲージ蒸気機関車>2009年のメモ>キハ71系「ゆふいんの森」
2009.7.18
マイクロエースとトミックスで競作になったキハ71系「ゆふいんの森」です。模型同士を比べると各社の考え方や表現の違いが色々あって、とても面白いです。
いつものことですが私は蒸機中心で、この車両についてはマニアックな知識は大してありませんので、へんてこなコメントがあれば適当に流してください。あまりに悲惨な間違いがありましたら恥ずかしいので、お知らせいただければ大変嬉しいです。
どちらも「登場時」セットです。
マイクロエース (拡大写真) |
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トミックス (拡大写真) |
どちらもグリーンのメタリックがきれいに塗られています。ゴールドの飾り帯は、マイクロエースのほうが太さ・濃さともにやや強い表現になっています。
キハ71の長さを比べると、マイクロエースのほうが1mm短く・トミックスのほうが1mm長くなっています。実物と比べてどうなのかはわかりません。乗務員室ドアと、その後ろの客室窓の間隔を見ると違いがわかります。
マイクロエース |
側面窓のフチは車体側モールドで、やや太目の表現です。座席の上部カバーが白く塗られている様子がよく見えます。 |
トミックス |
こちらも側面窓のフチは車体側表現です。全体的に線が細く、「YUFUIN NO MORI」の書体もたいへん細いです。 |
見所が盛りだくさんな場所で、人により色々な点の違いに目が行くと思います。
マイクロエース 曲面ガラスは金色のフチが車体側の印刷で、実物の滑らかなツライチ感が出ています。ワイパーは本体がガラス、根本が車体にモールドされて、うまくつながって見えます。 スカートの穴から見える床下機器はスカートと一体にすることにより、一緒に緑に塗装しています。 |
トミックス 曲面ガラスのフチはガラス側のモールドです。この異常拡大ではごつごつして見えますが、実際の模型の見え方はそれほど違和感はありません。 ワイパーは省略されていますが、エンブレムは曲面上に立体モールドされています。スカートの穴からはそのままグレーの床下機器が見えています。 |
マイクロエース 最初の側面写真の拡大版です。ドア前方の小窓は、間に車体のピラーをはさんで曲面窓と分離しています。窓枠そのものの表現には適しているのかもしれません。 |
トミックス ドア前方の小窓は、曲面窓と同一のガラスパーツに成型しています。前面ガラス全体の一体感を重視しているようです。 |
マイクロエース 屋根は車体側面と同じメタリックグリーンで塗られています。なお、ドアノブと靴擦りには銀が入っています。 |
トミックス 屋根部分は側面とは違うフラットグリーンで塗り分けてあります。排気管と信号炎管は別パーツで、登場時セットと更新時セットで使い分けるようになっています。 |
側面の各種モールド表現もずいぶん方針が違います。
マイクロエース 側面の各種のふたは車体表面と同一平面で、周囲のみ運河彫りされています。 なぜか後方の小窓の周辺のみ、やや金型の仕上げが足りないようで、平面性が悪くなっています(まあ実物の歪みはもっと派手ですが)。 |
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トミックス なおトミックスは窓ガラスの周囲まで比較的平面性がよく、厚みは感じません。 |
マイクロエース 屋根上のふたは逆で、マイクロエースは全体が凸表現になっています。 |
トミックス トミックスは屋根上のふたは屋根とツライチで、周囲が筋彫りされています。 |
マイクロエース(キハ70) 動力車のキハ70の側面です。エンブレムは車体に直接印刷されていますが、エンブレムの下地の緑色部分も一緒に印刷している点がトミックスと違います。 |
トミックス(キハ70) エンブレムは全体が凸モールドされ、車体色のメタリックグリーンの上に金色が印刷されています。本物でもくっきりと出っ張って見える部分です。 なお両社でシートピッチが違って見えますが、どちらも1窓2座席で、前後位置に少し違いがあるだけです。 |
マイクロエース |
トミックス |
トミックスはTNカプラー、マイクロエースはアーノルドカプラー装備です。トミックスの無線アンテナは自分で穴を開けて取り付けます。
マイクロエース ドア周辺の号車番号などの印刷がアクセントになっています。こういうものは駅でよく目に入ってくるものなので、何となく旅情を感じます。 |
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トミックス |
両社の製品化の特長が、それぞれいい感じで表現されているので、どちらのメーカーのファンの方も胸を張って所有できる模型ではないかなと思います。細部の表現は好みもあるので、相手方のほうがいいと思う点もあるかもしれませんが、このサイトの写真のような異常拡大ではなく、普通のNゲージに想定される使い方ではそんなに差はないと思います。
全体的な金型の作りなどは、トミックスのほうがシャープで安定した感じですが、マイクロエースのほうは技術的な事情もあるのかもしれませんが、Nゲージの実用的な使われ方として、このへんで線引きをしているのかもしれません。そのぶんを自社の得意な各部の印刷で補って雰囲気アップを図っているというような感じです。
走りに関してはどちらもよいです。個体差はあるかもしれませんが、マイクロエースが結構な健闘を見せ、トミックスよりも静かで、するすると滑らかに走りました。トミックスももちろん滑らかですが、駆動音はマイクロエースよりはやや高めです。よりディーゼルカーらしい雰囲気はあるかもしれませんよ(うるさいわけではなく、同社標準のレベルですので念のため)。
こちらはマイクロエースの前面です。 |
トミックス製品に市販のワイパーを取り付け、スカートのホースも? しかし、見るからに変なこのホースは、お察しのとおりかなり適当な3分間工作です。 |
スカートにセロテープを貼って、上からマジックで描いただけでした(笑)。はがせば元通りです。でも買った模型は工夫して楽しく遊びたいですからね。 |
なお上の写真で使ったワイパーは、銀河モデルのダブルアームロングタイプ(N-052)です。車体に0.3mmの穴を開けて取り付けました。