Nゲージ蒸気機関車>2007年のメモ>2007.10.20(違うメーカーの電動ポイントを動かす)
2007.10.20
この記事は、単に筆者がやってみたことを書いているだけですので、あえてまねはしないでください。むやみにやるとポイントやパワーパックを壊してしまう可能性があります。
昔はパワーパック・線路(電動ポイント含む)・車両は各社ごちゃまぜで、使用する人がそれぞれの動作原理を理解して好きなように配線していました。最近はメーカーごとにコネクタなども独自に規格化されており、特殊な制御電流や常点灯システムにも各社の方式がありますから、混用しにくいですし、混用できないものもあります。ただ、走行用電流は直流12Vと決まっていますから、走らせるだけならどのメーカーのパワーパックでも本来はOKです。しかし、電動ポイントなどはどうでしょう。
たとえばKATOのパワーパック スタンダードSは、低価格でコンパクトなのに(※)高出力で、速度の微妙な加減も簡単です。トミックスの常点灯基板も傷めないので、恐らくトミックスの線路につないで使用している方も結構いらっしゃることと思います。方法は単純で、トミックスのD.C.フィーダーNと、KATOのフィーダー線を切ってつなぎ合わせるだけです。昔のD.C.フィーダーNなら、写真のように特に簡単につなげます。 トミックスのパワーユニットをKATOの線路につなぐのも同じような要領です。私はどちらもごく普通にやっています。 ※本体はコンパクトですが、コンセントにはごろんとしたACアダプタが接続されることになります。電器店に短いACアダプタ接続用のコードが売られているので、それを使うとコンセントの隣の孔をふさぐことがなく便利です。 |
トミックスの線路にKATOのパワーパックをつなぐことができても、電動ポイントの駆動のためには専用のコントロールボックスが必要で、それはトミックスのパワーユニットにしか付きません(その方法しかメーカーは保証しません)。
現在のポイントは、KATO・トミックスともに直流2線式での駆動となっています。この2本の線にどう電流を流してポイントを切り換えるかということを考えますと、あまり多くは考えられません。内部には電磁石のコイルが2つ入っていて、間にある永久磁石が一方に吸引され、もう一方に反発することによって切り替わるだけですから、この2本の線に瞬間的に電流を流せば動きます。極性を逆にすると反対側に切り替わります。 写真は最近のトミックスのポイントですが、以前から直流式ポイントマシンを採用していたKATOも同じように動作します。ですから、正しい電圧を瞬間的に加えれば、本当はどんなスイッチで作動させてもよいはずです。 ポイントマシンのコイルには非常に細い線が巻いてあるので、電流は瞬間的に流さないと焼けてしまうとされています。最近はあまり書かれていませんので念のため…。 |
|
昔のポイント切り替えスイッチは、押しボタン式でもレバー式でも、使う人が瞬間的に操作しなければいけませんでした。しかし、今のポイントスイッチは、特に瞬間操作を意識しなくても、切り換えたい方向に一気にパチンと動かすだけで誰にでも安全に切り換えられます。 中身の逆転スイッチに工夫が凝らされていて、レバーの動作の途中で瞬間的に電流が流れるようになっています。従ってレバーを反対側まで一気に動かすことが肝心で、途中で止めたままにするとせっかくの仕掛けがパァです。 KATOのポイント切り替えスイッチも基本的には同じような理屈です。 |
|
念のためパワーパックのポイント用電源に電圧の違いがないか調べます。現在のトミックスのパワーユニットの場合、ポイント用端子をテスターで測ると約12ボルトとなっています。KATOの場合は左の写真のように、約14ボルトですからまずまず同じです。ロットによって違いがあるかもしれません。多少高くても瞬間的に通電するのが肝心なので、KATOのパワーパックにトミックスのポイントを接続しても、即座に爆発?するような惨事はなさそうです。 なお、Nゲージの走行用電圧は12Vということになっていますが、こちらもKATOは最大約14Vです(※)。旧トミーNスケールは約16V、トミックスの緑色の旧パワーユニットは約15V、現在のパワーユニットは約12Vです。特に昔のものは、使用するトランスの関係や、長い線路での電圧降下を考慮して高めになっていましたが、問題ありません。ふつう速度つまみを半分にも上げないうちに、車両の速度は実車のフルスピードを上回ってしまいます。鉄道模型を楽しむ方はそんな無茶な走行はしないでしょう。 ※パルス制御式のものは、微細な見方ではもっと高く、20Vくらいあったりします。しかし断続的なので、感度の悪いテスターやモーターにとっては12Vくらいの電圧として作用するというものです(正確な表現ではありませんが)。トミックスの常点灯車両をKATOのKC-1+KM-1で走らせてはいけないのは、こうしたことが関係しています。ただ、私はどうなるか実験済みなので構わず走らせています。 |
|
メカ的には問題なさそうなので、トミックスのポイントにKATOのポイントスイッチを無理やりつないでみました。私が個人的な興味でやっただけのことで、お勧めしていません。
動きをお見せできないのが残念ですが、ポイントスイッチのレバーを動かすと、トミックスのポイントがパチン、パチンと何ら問題なく切り替わってくれます。 |
|
上のような方法では、ポイントをいくつもつなぐときに、すべてのポイントのコードを加工しなくてはいけないですし、やはり他社のポイントスイッチで切り換えるのはちょっと気持ち悪いです。 そこで、ポイントと同じトミックスのポイントコントロールボックスを使い、それをKATOのパワーパックにつないでみました。 注意するのは、KATOのパワーパックのポイント用端子は向こう側がプラスなのですが、トミックスのパワーユニットの場合は手前側がプラスなので、コードをクロスさせています。ただ、逆でも別に差し支えありません。ポイントコントロールボックスに表記されている切り替え方向と、実際の切り替え方向が逆になるだけです。 複数のポイントをつなぎたいときは、そのまま右側に別のコントロールボックスを接続していくだけです。 |
こんなコードでつなぐ方法は安定しないので、KATOのポイントスイッチとトミックスのポイントコントロールボックスを合体させた、怪しい箱を作りました。
怪しい箱をKATOのパワーパックに接続し、トミックスのポイントを駆動します。この2個の箱は、間の端子をクロス接続してあります。 |
逆に、怪しい箱をトミックスのパワーユニットに接続し、KATOのポイントを駆動します。 |
普通におすすめできる方法は、たとえ走行用に他社のパワーパック/パワーユニットを使うときでも、ポイントの駆動は本来のパワーパック/パワーユニットと専用スイッチを使うというものです(つまらない結論ですみません)。 でもメーカーが面倒をみてくれるのは、走行用も含めてすべてを同一メーカーで揃えたときだけです。自分で好きなようにつないで何が起こっても、誰も責任を取ってはくれません。電気関係は全部自分で面倒を見たいという場合を除き、やはりそれが無難です。 |