Nゲージ蒸気機関車2009年のメモ>2009.8.6(タイフォン)

タイフォン

バンブー商会 タイフォン

2009.8.6

軽く20年以上前の製品です。今のDCCサウンドとは全然違うものです。懐かしいですね。


BBサウンドシステム

発売当時は買ったことがなかったのですが、模型店から出土したものをお譲りいただきました。

パッケージに「タイフォン」の文字

「ファーンからピィーまで無段可変」と期待させる文言が書かれています。製品にかけた夢、といえるかもしれませんが…。

バンブー商会は埼玉の会社です。埼玉はすごい土地です。自走するキ600を出してそのまま消えた「モア」(今の同名会社とは別)も埼玉。プラ製のD51でNゲージに挑戦しているリアル・ラインも埼玉。 金属でNゲージの蒸気キットを出すという偉業を成し遂げたワールド工芸もキングスホビーも埼玉。何を言われようと制式蒸機をほぼ完全制覇したマイクロエースも埼玉! 関水金属の工場も埼玉にありますね。そういえばアルモデルもトレインショップも!私は、埼玉には金魚の競りのために一度行っただけですが、何かとお世話になっている県です。

ちなみに味のある「タイフォン」の文字は、決まったロゴではなく手描きのレタリングです。パッケージの上面と側面とで形が違います。

基板の様子

譲り受けた状態では、すでに説明書などが失われていましたので、使い方や足りない部品はこれを見て考えました。

基板から線が2本ずつ、2組出ていますが、電源が2本とスイッチが2本に違いありません。
右側に2個あるのは磁石です。たぶんもともとは磁石で作動するリードスイッチがセットされていたのでしょう。黒い丸型の部品はスピーカー用の電子ブザーです。

電車の車体に収まる細いプリント基板に、当時の普通のディスクリート品の部品が並べられています。ICが1個とトランジスタが6石ほど見えます。 シルクハット型の2SA562に、ゲルマニウム・トランジスタの2SB135…。ICは無記名です。

基板のプリント面

表側からもパターンは見えますが回路は1層のようで、パターンも混んでいないので自分でエッチングして作ることも十分できそうです。まあ、今ならDCCサウンドに投資したほうがずっと現実的だとは思いますが、自分で工夫して作ってみるのは面白いことでしょうから。

リードスイッチ

その次は、リードスイッチの調達です。これはマルツパーツ館で買いました。かなり昔、学研の科学のふろくにも使われていたことがあります。回路は、一瞬でもスイッチが入れば「ファーン」と一定時間減衰するように作られているので、リードスイッチを使わない方法もあると思います。車体の下に出した2本の接点を、線路の間に置いた銅板で短絡させるなど…。

基板の取り付け

どの車両に組み込んでも良かったのですが(音が実物に似合うかどうかなどは、あまり心配する必要はありません。そういう問題ではありません…)、KATOの583系にしました。 青い熱線吸収ガラスが表現されているので、中に機械が詰まっていても目立たないと思いました。

中央部のイスを切り取り、基板の裏側を絶縁してセットしました。電源は、以前室内灯を取り付けたときの集電シューが残っていたので、そこにハンダ付けしました。あとはスイッチの2本のリード線を、リードスイッチにハンダ付けして完了です。

リードスイッチの取り付け

付属の磁石は棒磁石で、両端が両極になっているので、リードスイッチもそれに合わせて車体の長手方向に取り付けないと作動しません。
しかし、ここでは線路に初めから設置されている、マグネ・マティックカプラーのアンカプラーを利用することにしました。アンカプラーは、磁石の長手方向に対し直角に着磁しているので、リードスイッチも横方向に取り付けました。

半固定抵抗

基板についている半固定抵抗を回すと、音のピッチが変わります。箱に書かれている「ファーンからピィーまで」はこのことです。まあ実際には「プーンからチーまで」という感じかもしれません。

完成

昔、学研のNゲージに、ICサウンド搭載というものがあったのですが、それはこのBBサウンドシステムです。ホイッスルとタイフォンの2種がありましたが、中身は同じで、半固定抵抗のセット位置が違うだけだと思います(実際に比べていないのでちょっと怪しいですが)。
→【2016.10.28】実際に学研のホイッスルとタイフォンを入手されている方からお知らせを頂きました。少なくとも基板上の部品配置はそれぞれ異なっており、単純にトリマーの設定が違うだけというものではないようです。ありがとうございました。

ファーン??

さて、この回路は、磁石がない場所でも最初の通電のときに1回鳴ります。つまり出発のホーンがなります。これがなかなか良いです。あとは走行中、磁石をセットした位置に差しかかると鳴ります。また、鳴るのは前進時のみで、後退時には鳴りません。

実際の音ですが、絶対に実物と同じではないのでそこは誤解はないと思います。動画を撮れるろくな道具がないので、満足に音を収録できませんでしたが、興味のある方は再生してみてください。 周囲のノイズも大きくて、実際の映像がないとまるで悲惨なものになってしまうので、無理やり動画にしました。

低音(プーン?)sound1.mpg(806k) ※再生できなければ、あきらめてください。申し訳ございません。m(_ _)m

中音(プゥー?)sound2.mpg(0.9M)

笑われたかもしれませんね。ただ低音(プーン)のほうはまだ使えると思います。本当は、「ピィー」のはずの最高音も録ったのですが、なぜか再生すると走行音しか聞こえませんでした。ホイッスルとタイフォンが同時に鳴るような「ホゲ」音は出せません。

上の動画はパワーパック・スタンダードでの走行ですが、パルス式のKM-1+KC-1でも鳴り、そのほうがよりハッキリした音が出ました。1980年代のNゲージ用のギミックとしては、過度な期待さえしなければ、理解は得られたものと思います。実際に遊ぶと結構楽しいです。欠点は、大人がこれで遊んでいるところを人に見られると何か恥ずかしいということです。でも、今更ねぇ…。


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