「きかんしゃパーシー」の動力部は、すでに多くの方々によって、便利な鉄道模型素材として活用されています。
特にHOナローでは、数々のご作品や、そこから派生したキットのベース製品として親しまれています。
これがNゲージの蒸気機関車用となると、動力の大きさから難しいと思っていましたが、
「週刊SL鉄道模型」の特典機に使われているのを拝見すると、感じのよいレイアウトにマッチしてなかなか楽しそうです。
難しく考えず、フリーとして楽しむ方法もあるのだなと思いました。
まずは捕まえます。 |
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キャー | |
改造後です。 |
基本はパーシーを黒塗りにしたら和風レイアウトに馴染むかどうかという試みですが、国内ではサドルタンクは珍しいような気がするので、タンクを撤去したものです。
このサイトの比較コーナーではパーシーを取り上げていないので(キャラグッズや派生商品を全部拾っているときりがないので)、ここで少々比べてみました。
前:B20(ワールド工芸) |
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前:B20 |
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前:三井埠頭5号機(ワールド工芸) |
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前:三井埠頭5号機 |
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前:三井埠頭5号機 |
なかなかデカいやつですが、もとが絵本キャラなので縮尺が存在しません(もちろん、さらに遡って原形を想定することもできるわけですが)。そこが割り切れれば使い道は相当あると思います。
ボディーは前1本・後2本のツメでランボードに固定されています。アゴを上げるような感じで前のツメを外し、次に後端下部のツメを外せばボディーが取れます。 ランボードは前方左右、後方左右のツメで動力ブロックの突起に引っ掛けられているので、一つずつ慎重に外側に広げて突起を乗り越え、上側に取り外します。 なお、キャブの前後の妻板は下部のツメでボディーに引っかかっています。これを外せば屋根と妻板も外せます。 |
シリンダーブロックはまっすぐ前方に引き抜けば外れます。床板は中央のネジを外し、前端・後端にきつくはまっているツメを外せば取れます。
カプラーとスプリングが飛び出すのでご注意。
床板を外せば動輪とクロスヘッドを外せます。
動力ブロックのAB2箇所のビスを緩めれば左右に分離できますが、特別な必要がない限り開けないほうがよいです。スペース的にぎりぎりらしく、あまりちゃんとした絶縁ブッシュが設けられていません。一度開けて締め直しただけで、左右のブロックがネジ山を通してショートするようになり、走らなくなることがあります。
その気になればフライホイールの上端まで、2〜3mmは削れそうですが、その場合Aのネジは使えなくなります。
子供が使うことを考慮して完全密封型、メンテナンスフリーを目指していると思われ、内部はグリスでぎっしりです。
大事なことを忘れていました。モーターの後部の端子は、左右のダイキャストブロックにバネで接触しています。このバネをなくすと通電しなくなります。
私は何度かなくしました。カプラースプリングを少し切って、代わりに挟んであります。
試しにドックサイダーのボディーをかぶせてみたところ。
ドックサイダーは、煙突を左に回して緩めれば内部のウエイトが外れます。
ちょっと高くなりますが、すっぽり入ります。動力側かボディー側を少し削ってやれば、そこそこ収まりそうです。 ホイールベースは変わりますが、走行性能はもとのドックサイダーよりも良いので、足回りがだめになったドックサイダーをお持ちの方は試してみては…。ただ私は最後までやっていないので、結果がどうなるかわかりません。
かなり雑ですが、ざっと書きます。
サドルタンクを撤去し、そのまま動力にかぶせてみたところ。 ただ、上の溝からフライホイールやグリス漬けのギヤが見えているのもマズいかなと思い、薄いプラ板でカバーすることにしました。 |
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厚さ0.2mmの黒色プラ板を曲げてかぶせています。後端はキャブ妻板の∩部に下側から重ねて接着し、前端は煙室後部に上側から重ねて接着しています。 パーシーのサイドタンクは左右で形が違うのですね。ボイラーとの間隔が合わない箇所は適当にプラ板を張り重ねて調整しました。 |
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サイドタンクは、高さ10mm・長さ18mmに大型化し、厚さ0.5mmのプラ板で作って貼り付けました。 ドームは「型想い」で適当な機関車のドームの型を取り、光硬化パテを入れて固めたものです。光硬化パテは一度に2mmまでとなっていますが、2回やれば十分いけます。硬化時間は蛍光灯で2分なのですぐできます。 ボイラーが薄く、穴を開けるとそこから折れたり割けたりしそうだったため、パイピング等はしませんでした。でも、上から真鍮線などを接着して、ハンドレールらしく見せるとよいのでしょう。 キャブの出入口は切り開き、少し後方に広げて手すりを付けました。前面窓も下側に広げました。 |
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前面はフジミのプラ模型(C58)から写し取りました。型取りといえば「型想い」しか知らんのかいと言われれば…その通りです。 つかみ棒とライトは銀河モデル、解放テコはKATOのC62用、煙室扉ハンドルはワールド工芸のそれぞれ余ったパーツです。 |
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つや消し黒に塗装し、プリンターでナンバーを作って完成としました。 元の塗装に重ね塗りしましたが、後部側面にあった「6」の印刷文字は、段差が残るので1000番ペーパーで削り取っておきました。 |
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後ろは炭庫の柵を削り取った程度で何もしていません。 |
外形はパーシーそのままなので大きなものですが、2軸貨車シリーズには案外と似合います。
これはちょっと…?
私はフリー機をほとんど使わないので、このまま常用するかどうかはかなり微妙ですが、たまに走らせるには面白いと思います。
なおキャブ内の高さはそのままでも2mmくらい余裕があります。お好みによって屋根を下げることは十分できそうです。その場合、ボイラー側のバランスの考慮も必要なので、いくぶん大掛かりな加工になるかもしれません。
「週刊SL鉄道模型」の特典機関車は、ぱっと見ただけで「おやっ、これはB20をイメージしたのではないか?」と思わせるあたり、うまい作りになっていると思います。