ホワイトノイズ音声を走行用電流と一緒にレールに流し、車両で拾ってスピーカーを鳴らす方式です。
今までに度々紹介されており、模型誌のご作品の中にも、この仕掛けを組み込んだものがいくつもあります。
過去のTMSを読み返していて、今更ではありますが試してみました。よくわからずやっている部分もありますので、不正確なところがあると思いますがご勘弁ください。
ほか、各号の機関車のご作例なども参考にさせていただきました。ありがとうございました。
ザーッというホワイトノイズの音声をレールを通して機関車に送り込み、機関車に積んだスピーカーを鳴らします。
音源は外部にありますが、音は機関車から出ます。
高周波を利用して実用性を高めた市販品も存在し、ある程度の普及もみせていますが、ここで作ったものは単純に音声そのものをフィーダー線に混合して車両に流し、スピーカーで拾います。
混合された電流をそのままスピーカーに流すと、出力の大きいパワーパックの直流電流でスピーカーがだめになる恐れがあるので、間にコンデンサーを入れて直流をカットします。音声信号は交流として振舞うので、コンデンサーを通り抜けてスピーカーに流れます。
そのほか地上側の回路としては、やはりパワーパックの電流が音源(FMラジオ等)に直接流れ込まないように阻止するコンデンサーと、逆にノイズ音声がパワーパック側に流れ込まないように阻止するコイルを仕掛けます。
音を機関車で作り出すのではなく、ホワイトノイズ音声を外から送り込むので、そのための音源が必要です。
昔はFMラジオの局間ノイズが使われました。ただ、今のラジオは電子選局により「局間」の概念がなかったり、局間のノイズが自動的にカットされたりするので、使えないこともあります。
幸い、どこの国で作られたのかわからない超安物のラジカセがあったので、それを使いました。
ツェナーダイオード等を利用したホワイトノイズ発生回路もよく紹介されています。
PCや携帯オーディオからMP3等でノイズ音声を再生したり、ノイズ発生アプリを実行して利用する方法もあります。ただそのままでは音が小さいのと、製作のミスでPC内部にパワーパックの電流が直接流れてはマズそうです。私は間にどうでもいいアンプ(PC用のアンプ内蔵スピーカー)を挟んで試しました。
ここに書きますのは私のずさんな作例であり、個人の限られた環境のみで通用しているものです。
製作された結果については一切の責任が持てませんのでご了承ください。明らかな間違いがありましたらご指摘いただけますと大変嬉しいです。
パワーパックとフィーダーの間に割り込んでノイズ音源を送り込む地上回路と、スピーカーを積んだ車載回路からなります。
図1 地上回路 (1)FMラジオに接続するジャック (2)無極性電解コンデンサー 100μ(マイクロ)50V (3)チョークコイル(トランスで代用) (4)パワーパック(走行用端子)接続コード (5)フィーダー接続コード |
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図2 車載回路 (6)無極性電解コンデンサー 10μ 25V (7)スピーカー (8)シンクロ接点 |
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コンデンサーは10μとか100μとかの容量になると電解コンデンサーになりますが、極性があってはまずいので、無極性(=両極性・双極性)電解コンデンサーを使います。 スピーカーのインピーダンスが8Ωくらいなら車載用は10μ、100Ωくらいなら2.2μなど、変えている例もあります。 普通の(極性のある)電解コンデンサーを2本使い、マイナス極同士をつないで使う方法もありますが、特に車載用はスペースが小さいので、1本で済む無極性のほうが簡単です。 |
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チョークコイルはどういうものを用意すればよいか、はっきりわかりません。最初の記事に関しては「小型トランスで代用」とありましたが、小型といっても相対的に色々ありますものね。ここはパワーパックの電流も通ります。 ラジオ用の1mH〜4mHくらいの高周波チョークでは、低周波の音声信号は通してしまいますから使えません。波形を調べる道具もないので効果のほどはわからず、色々なトランスをつないでみて、音の様子(変なノイズが入らないか)や走り方の影響を見ながら決めました。 結局、ベルトが溶けて回らなくなっていた古いテープレコーダーから電源トランス(写真右上)を取り出し、その2次側のコイルを使いました。これが一番「感じ」が良かったです。あと最近の小型のものは別ですが、昔のごろんとした重いACアダプタ内にもトランスが入っていると思います。 |
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FMラジオのノイズはヘッドホンジャックから取り出しました。ラジオ側はステレオですが、車両側はモノラルになります。 最初の記事では、ステレオのラジオには必ずステレオプラグを使い、図のようにLRの2本をまとめるようにとあります。こうしなくても、普通にモノラルプラグの接続コードを使えば問題ないと思ったのですが、実際にやってみると、記事のとおりステレオプラグの2接点をまとめたほうが音量が少し大きくなりました。 ただし、普通のモノラルプラグのコードを使っても多少音が小さい?程度ですし、特にアンプを挟むのであればそのままでよいように思います。 ヘッドホンコードの芯線は、熱によって表面の絶縁被覆を溶かす方式なので、ハンダごての先端にハンダをよく載せて、そこに浸すように何秒かおいてハンダめっきします。 |
地上回路は適当なラグ板にまとめてテストしました。 この状態で色々な車両・いくつかのパワーパックを使い、最適な(といっても手持ちの部品の中ですが)トランスの選択やコンデンサーの容量を確かめました。 |
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ケースは余っていた食品入れです。このトランスは特に発熱しないのでプラ容器でも大丈夫ですが、気持ち的にはもっとちゃんとしたケースに入れたいところです。 |
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完成です。ステレオプラグは先ほどのように電線のまとめ方を変えたため、ちょっと体裁悪いです。熱収縮チューブなどあればすっきりまとまるのでしょう。 このプラグをFMラジオなどのヘッドホンジャックに差し込みます。あとはフィーダーをつなぎ、レールにスピーカーを当てて「シューッ」と音がすればOK。 |
無難に旧製品のKATO製D51を使いました。構造が単純で(ライトもない)、回路が間違っていても壊す要素が少ないからです。使い道も広いですし…。
スピーカーは石炭の裏側に上を向けて取り付けるので、石炭にドリルでボツボツと穴を開けます。 私は最初、何も考えずに1.2mmくらいで開けたため、さすがに気になるようになり、あとで1つずつパテで埋めて狭くしました。 |
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穴をあけた石炭をバッフル板?とみなしてスピーカーを固定しました。 |
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無極性電解コンデンサーをテンダーの床に置き、片方の集電板とスピーカーに柔らかいリード線(ヘッドホンコードの芯線)でつなぎました。 最初、電解コンデンサーを集電板に直接ハンダ付けしたのですが、コンデンサーの硬いリード線に負けて集電板が浮き上がることがあったので、フニャフニャのリード線に変えました。 写真ではわかりにくいですが、次のように配線しています。 線の色分けは成り行きです。 |
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配線を傷めないようにウェイトを置き、ネジ留めしました。ウェイトは未加工です。ちょうど後ろの切り欠き(一部の旧製品でコンデンサが入っていたところ)に電解コンデンサの頭が収まります。 この状態でスピーカー部をかぶせやすいよう、石炭の側板の角穴は下に切り開いておきました。 なお、ウェイトを入れないほうが、テンダー全体がエンクロージャーとなり、いくぶん聞きやすい太い音になります。 |
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今度はエンジンの接点です。当初気が重かったのですが、作ってみると割と簡単でした。 接点のバネはある程度弱くしたかったので長めにとり、第二動輪に接触させることにしました。 床下に余裕がほとんどないので、アンカプラーなどにつっかえないよう注意が要ります。ネジの先が貫通して金属部に接触してはいけません(音が出っぱなしになります)。 第二動輪の裏側には、約120度の扇形に切ったセロテープを2箇所貼りました。よって動輪1回転に付き2回のチャフ音になりますが、Nゲージではちょうどよいかもしれません。 |
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完成しました。レールに乗せて変箱をつなげばOKです。
さて、誠に申し訳ないのですが、手持ちのボロい道具とヘボな腕では、動画も音声もまともにとれませんでした。 →宇宙一汚い動画 約20秒 MPEG-1形式・2.03MB|MPEG-4形式・1.35MB |
ちょっとした工作の割に面白く遊べました。
ですが、上記のようにいい加減に作っている部分が結構ありますので、ここで何かをおすすめするものではありませんのでご了承ください。
動輪のコンタクターが意外と簡単に作れたので、DCCでもチャフシンクロ付きのデコーダーを使ってみたくなりました。動輪の動きに音声が直接シンクロするのはとてもいいものでした。