Nゲージ蒸気機関車>2014年のメモ>D51一次形(東北仕様)
KATOの新系列のD51では初の「なめくじ」が発売されました。
なめくじは、旧製品から数えても7年ぶりです。
2014.12.21
写真はKATOの旧・新製品と、同じく東北型のリアル・ラインです。
KATO D51なめくじ
品番2009の旧系列製品です。少なくとも2007年までは生産されています。
KATO D51一次形(東北仕様)
(拡大写真)
今回発売された新系列の一次形、いわゆる「なめくじ」です。一般的なものよりも高い位置にある副灯、開放キャブの防寒カーテン、背の高いテンダーの重油タンクなどを表現しています。
リアル・ライン D51 1青森機関区
これは青森機関区東北最終仕様とされています(おもにイベント用の姿)。ほか、副灯付きでつや消し塗装の、盛岡機関区現役仕様も発売されていました。
ご覧の通り縮尺以外にもKATO新旧の形状違いは色々あり、表現の差かプロトタイプの差か、今の私の知識では判断が付かない箇所もあります。
図面と実機の形態が違っていたりもしますからね。
今回のD51一次形(東北仕様)は、今年発売されたC57 4次形同様に進歩している部分がいくつかあります。
先輪・従輪のスポーク抜きや、薄型デフなどです。
標準形と並べてみます。
KATO D51一次形(東北仕様)
KATO D51標準形
テンダー台車はもちろん、従台車も作り分けられています。今後C57の一次形が出るとしたら、このテンダー台車が使えそうですね。
個人的には、なめくじドームの継ぎ目はもっと控えめにしてほしかったと思います。実物はあんな太い溝ではないので、手に取るたびに目に飛び込んできちゃうんですヨ…。ここは旧製品のほうが自分の中のイメージに合っていました。
後方からです。(拡大写真)
テンダーに乗った背の高い重油タンクが特徴です。
ランボード上の小形オイルポンプ箱は、標準形とは少し変えられていて、手回しでポンプを作動させるハンドルがモールドされています。
スノープローを装備しています。丸みのついた煙室の外周や、上部の浮いているのにあっさりした手すりの表現がいいですね。
模型のD51ではあまり区別されないことが多いのですが、標準形と一次形のキャブの形が作り分けられています。
たぶんプラ製品では初めてではないかと思います。
一次形(東北仕様)
前後長が短く、屋根も短いキャブ。
しかし、後ろに防寒カーテンがあるために長さが比べにくいので、
カーテンを外してみました。
標準形
こちらは標準形です。こうして見ると結構違いますよね。
一次形ではキャブ・ランボード下の配管モールドも細々と変わっています。
カーテンは、上部と下部の4箇所のツメでキャブにはめ込まれているので、外すことができます(ツメを壊しそうでちょっと怖い)。
外したカーテンは標準形のキャブにも付けることができます。
たとえば北海道形にも開放キャブ+カーテン付きのものが結構あったので、利用できるかもしれません。
でも紙を折りたたんだり、貼り重ねたりして、工夫して作ってみるのも面白いでしょうね。
標準形のテンダーとは、台車のほかにも違いがあります。
こちらは一次形のテンダーです。
試しに一次形のテンダーを外し、標準形のテンダーを連結してみたところ。
青色の部分の長さが違うので、こんなことをするとカーブでエンジン側の配管と当たってしまい、ほとんど直線しか走れなくなります。
こんな必要性はないでしょうけど。
しかし中身(石炭部分)には互換性があるので、重油タンク付きの中身をそっくり外し、標準形テンダーに入れ替えることはできます。
あとは防寒カーテンを外し、副灯を取れば(写真は塗りつぶしただけ)一次形ノーマル仕様に近くなります。
おっと、ぜひ動力逆転器が欲しいものでした。そうなるとちょっと面倒です。→というわけでこれはボツ(笑)。
1号機にしようとすると、デフ点検口の形が特徴的に違うのでちょっと困ってしまいますね。角ばっているうえに上下に狭いんですよね。
まあナンバーさえ何とかすれば雰囲気は出ると思いますが。
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KATO D51標準形 |
今回のD51一次形(東北仕様)で意外だったのは、縮尺が小さくなったのに窮屈感がなく、ゆったりして堂々とした前面であることです。以前発売された標準形より余裕を感じます。
煙室扉の外周が丸いこともありますが、それだけでもないようです。
ひょっとして標準形より車幅を広くデフォルメしたのかと思ったのですが、測ってみると同じでした。デフの見かけが薄くなったことも効いているように思います。
写真では違いがはっきりわからないかもしれませんが、実際に標準形と一次形を手に取って見比べると、明らかにデフが薄く、もう金属製品並みです。一部の金属製品より薄いぐらいです(薄いといえばリアル・ラインもプラ製なのに薄いです)。
こちらは標準形のデフです。
昔からなされてきた工夫で、矢印のあたりでデフの裏側を斜めに削いであり、前から見たときに厚みが出にくいようにされていました。
こちらは一次形(東北仕様)のデフです。
C56やC57 4次形と同じ手法ですが、斜めの削ぎ形がなくなり、あたかも薄い平面デフのようになりました。前から見た断面も薄くなっています。
なお強度確保のためか、前方上部と煙室をつないでいるステーは若干太くなっています。
副灯は煙室前面の間にはめ込まれているので、フロントパーツを外せば取ることができます。
分解については「やる人はやる」ものなので簡単に書きますと、煙室扉の裏側のツメを内側に押して外し、デフのステーを傷めないようにフロントパーツを前方に抜き取る…という感じです。
キチンと改造する方は、外した穴を埋めて塗ったりされると思いますが、手軽に済ませたい場合は(私なんかそう)そのままでもあまり目立たないと思います。
かなり拡大した写真でも、意識して見ないとこんなものだとスルーできるのでは。
今後、副灯のないタイプも発売されることを期待するなら、当面の間に合わせには十分だと思います。気が変わってまた付けたくなっても簡単に戻せます。
ただ分解組み立ての際、デフのステーには本当にご注意を…。
動力ユニットは標準形と同タイプで、前方フライホイールの形が少し違うようです。
ウェイトも標準形ドームと同じです。前のほうに実際に給水温め器が入っていたら面白かったですね(誰が見るんだか…)。
いつものコアレスモーターです。
今までの搭載製品によって微妙に違いがあり、リード線の付け根が穴から出ているだけに見えるものや、すっぽ抜け防止?のために何かで固着されているように見えるものなどがありました。
単なるバリエーション追加と思いきや、地味であっても実物の印象に近づける努力が続いていることは嬉しく思いました。
いつかはあのATS車上子も…?
(おわり)