関水金属(KATO)が米国アトラスの規格で、トミーはバックマンの規格で線路を発売していたころのことです。
これはアトラス製品(現地)の製品説明書にあった図です。
昔の関水金属の説明図には、この図をもとに作成された日本語版も使われていました。
なので、よく目にした図です。
これがその関水金属版です。1970年代のレイアウトプラン集に掲載されていたものです。
パワーパックの「ATLAS」ロゴは、「KATO」ロゴに置き換わっています。
わざわざ「ATLAS社ポイントの場合」とあるのは、最初期製品や、このころ登場した新しい標準ポイント(押ボタンスイッチとポイントコネクターを使用するもの)との区別のためと思います。
図に描かれている当時のパワーパックは次のようなものです。
アトラス
このころよくあった形状のパワーパックです。Made in U.S.A.です。
・INPUT: 118V 60CY
・OUTPUT: DC 16.5V AC 18.0V MAX OUTPUT 3.75VA
関水金属(KATO)
こちらは関水金属版です。いくつか変遷がありますが、比較的長く存在したMODEL NO.200です。Made in Japan(YAESU)です。
・入力: 100V 50〜60Hz
・出力: DC 0〜12V 0.25A AC 17.5V 0.25A
似た形ですが大きさが違います。
左:アトラス 右:関水金属
関水金属のほうが一回り大きくなっています。
その後、トランジスター制御のパワーパック(MODEL No.22-010)が出ますと、さらに大きくなります。
トミー製品はバックマンOEM(Made in HONG KONG)に始まります。やはり初期は似たような形をしています。
それだけで何のことはない話です。
これら初期の金属外装パワーパックは抵抗で速度を制御するので、モーターの電流によって速度調整がいろいろ影響を受けます。
最近の小電流で動く車両では急発進しがちです。
関水金属のMODEL NO.200には、外装の印刷デザインが変わったものや、プラスチックの筐体にリニューアルされたパワーパック・ジュニアなど、いくつかバリエーションがあります。
初期デザインのモデルにも、背面ターミナルの種類や、ディレクションスイッチの種類などに違ったものがあります。
同じころのバックマンやトミーナインスケールのパワーパックにも、外装の印刷デザインが異なるものはいくつかありますが、構造はどれも同じのようです(バックマン製でも日本向けは日本の電源規格になっています)。アトラスもそうですが、ターミナルの頭がマイナスネジになっており、締め付けにドライバーが必要でした。
今は各社とも工夫が凝らされて、結線は本当に楽になりましたね。