Nゲージ蒸気機関車2017年のメモ>2017.3.19

アトラスと関水金属のパワーパック


関水金属(KATO)が米国アトラスの規格で、トミーはバックマンの規格で線路を発売していたころのことです。

アトラス説明書

これはアトラス製品(現地)の製品説明書にあった図です。
昔の関水金属の説明図には、この図をもとに作成された日本語版も使われていました。
なので、よく目にした図です。

関水金属説明書

これがその関水金属版です。1970年代のレイアウトプラン集に掲載されていたものです。
パワーパックの「ATLAS」ロゴは、「KATO」ロゴに置き換わっています。

わざわざ「ATLAS社ポイントの場合」とあるのは、最初期製品や、このころ登場した新しい標準ポイント(押ボタンスイッチとポイントコネクターを使用するもの)との区別のためと思います。

図に描かれている当時のパワーパックは次のようなものです。

アトラス製パワーパック

アトラス
このころよくあった形状のパワーパックです。Made in U.S.A.です。
・INPUT: 118V 60CY
・OUTPUT: DC 16.5V AC 18.0V MAX OUTPUT 3.75VA

関水金属製パワーパック

関水金属(KATO)
こちらは関水金属版です。いくつか変遷がありますが、比較的長く存在したMODEL NO.200です。Made in Japan(YAESU)です。
・入力: 100V 50〜60Hz
・出力: DC 0〜12V 0.25A  AC 17.5V 0.25A

似た形ですが大きさが違います。

アトラスと関水金属

左:アトラス 右:関水金属

関水金属のほうが一回り大きくなっています。

その後、トランジスター制御のパワーパック(MODEL No.22-010)が出ますと、さらに大きくなります。

アトラス・KATO200・KATO22-010
アトラスのは小さかったですね。ただ、私が知っているのはこれだけなので、同時期に他のモデルがあったのかはわかりません。

トミー製品はバックマンOEM(Made in HONG KONG)に始まります。やはり初期は似たような形をしています。

アトラス・バックマン・トミーナインスケール・トミックス
アトラスとバックマンは少し幅が違う程度で、ぱっと見たところでは同じものに見えるくらい似ています。

それだけで何のことはない話です。
これら初期の金属外装パワーパックは抵抗で速度を制御するので、モーターの電流によって速度調整がいろいろ影響を受けます。
最近の小電流で動く車両では急発進しがちです。


関水金属のMODEL NO.200には、外装の印刷デザインが変わったものや、プラスチックの筐体にリニューアルされたパワーパック・ジュニアなど、いくつかバリエーションがあります。
初期デザインのモデルにも、背面ターミナルの種類や、ディレクションスイッチの種類などに違ったものがあります。

プラスチックターミナル
ターミナルのつまみがプラ製のもの。
このタイプは、ディレクションスイッチの中立位置にもラッチがありました。
金属ターミナル太
金属ターミナルで、直径が太いもの。
金属ターミナル細
金属ターミナルで、直径が細いもの。ちょっとリード線を挟みにくいです。

同じころのバックマンやトミーナインスケールのパワーパックにも、外装の印刷デザインが異なるものはいくつかありますが、構造はどれも同じのようです(バックマン製でも日本向けは日本の電源規格になっています)。アトラスもそうですが、ターミナルの頭がマイナスネジになっており、締め付けにドライバーが必要でした。
今は各社とも工夫が凝らされて、結線は本当に楽になりましたね。


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