8年ぶりにD52のバリエーションとして、「D52 129・山陽本線」が追加されました。
一緒に「D52 235・函館本線」も予告されていましたが、今回一緒には発売されませんでした。
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D52シリーズの初回発売は、18年前の2000年です。
今回の模型も、成型や立て付けは当時から変わっておらず、昔ながらのマイクロエースのつくりです。最近始めた方が見るとずいぶんレトロな模型かもしれません。
ただ今回は昔のD52と比べ、有意な差もひとつあります。
前回発売の「D52 468 梅小路保存機」と並べてみます。
A6409 D52 468・梅小路保存機
(拡大写真)
こちらは前回の製品です。
保存機がモデルのため、各部の色入れなど装飾が多めでした。
A6406 D52 129・山陽本線
(拡大写真)
今回の新製品です。アクセント色はランボードの白ぐらいで、全体に落ち着いて見えます。
今回は前回とは違い、現役時代のイメージかと思います。枯れ過ぎず・派手過ぎずで、一般のレイアウトに馴染みやすいように感じます。
各部の立て付けはもっと良くしてほしかったのですが、そのへんは変わっていません。微妙に前のめりになっている感じです。
さて、一番大きな仕様変更は、モーターが小型化されたことです。
先々月のE10もモーターは変わっていましたが、基本的には従来と同型でした。今回は有意にサイズが変わっています。
前回の製品(D52 468) | 今回の製品(D52 129) |
もともとマイクロエースのD52は、車体が長かったD51の動力を元にしていたため、キャブからのモーターのはみ出しが大きくなっていました。
今回は後部の手すりのあたりまでモーターが引っ込み、はみ出しは感じられなくなっています。
ダイキャストブロックの後端は切り詰められずに残されています。キャブとテンダーの間の渡し板に見立てるのもよいですし、カットしてドローバーも切り詰め、機炭間隔を詰める改造も効果的かもしれません。
動力ユニットは前回同様、全体がすっぽりダイキャストブロックに覆われているものです。
ライトはLEDに変更されました。薄い黄緑色という感じの点灯色でしたが、これは見る環境によって異なるかもしれません。LEDではありますが、電球式と同様に、前進時も後退時も点灯するようになっています。
前回は黒成型になっていたモーションプレートが、なぜか昔々の銀成型に戻っています。
また、動輪は実物と逆の左先行です(これは前回と同じ)。
モーター押さえは後ろにまっすぐ引き抜いて外せます。
モーター押さえをよく見ると、上部にメーターのようなものが、左右に座席が付いています。
ちょうどバックプレートの中央部を、真後ろに引き伸ばした格好になっているのかもしれません。
ということは、モーター押さえのど真ん中にある、この丸い記号のようなものは…
もしかしたら焚口なんでしょうか??
割と焚きにくいような気がしますが…。
モーターは長さ15mm・幅10mmです。断面はBトレモーターと同じ大きさで、長さは4mm長くなっています。
モーター本体は黒い絶縁テープに巻かれ、後ろの端子に細いリン青銅板がハンダ付けされて、前方に折り返されています。これがダイキャストブロックとの間に挟まって通電しています。
ちなみに私は以前よくマイクロエースのモーターをBトレモーターに交換したのですが、ほとんど同じ方法で集電していました。特別な絶縁テープではなく、マスキングテープを巻いて黒に塗っていただけですけど…。
絶縁テープには何か漢字のようなものが書かれていました。
ひとつは「力」だと思いますが、その左の文字がいまひとつ判読できず(ちょうど一部絶縁テープも破れていまして)、何と書いてあるのかちょっと気になります。
新旧のモーターを後ろから見たところです。こうして見るとずいぶん違います。
昔からこんなモーターが使えれば、マイクロエースの蒸機も、もう少しバランスのよいデザインで作れたものがあったかもしれませんね。モーターだけがネックだったというわけでもないのでしょうけども。
走りのほうも昔のままで、最近の製品に比べるとややゴリゴリした感じはありますが、動きは安定しており十分普通に遊べると思います。
モーターが引っ込んだため、キャブ廻りの印象はやはり相当良くなっていますね。値段もガッツリ上がっていますけど…。
全体の作りもシンプルですから、改造のベースにもしやすいと思います。
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