KATOのC62常磐形のシリンダーを、上部の傾斜が大きいタイプに交換して、感じを見てみました。
2007年以来、KATOの新シリーズのC62には色々な形態が登場しているので、部品の組み替えで変化を付けることもできます。
上部が外側にやや大きく傾斜しているシリンダーブロックは、新シリーズ初期のC62東海形、18号機、コアレスモーターのC62 2、3号機、の4つです。
このうちC62東海道形・18号機は、シリンダーブロック上部のランボード分割などが今と異なるため、加工なしにはC62常磐形に流用できないようです。ここでは未加工で済むC62 3号機を使いました。
一応、交換すると次のようになります。
実物にも形状差異がありますが、模型表現としてどのへんに注目するかにより(広がりの大きさや、ランボードとシリンダーの段差の有無、他)、好き好きかと思います。
シリンダー交換後(上部広がり大) | オリジナル(上部広がり小) |
ちなみに品番203・2003の旧製品のシリンダーブロックは、ランボード幅いっぱいまで使ったストレートでした。当初はロッドがプラ製で厚かったので、シリンダーがはみ出さないようにするにはご苦労もあったかもしれません。
今の製品は小さくなったぶん、車幅方向の構造の制約がさらに厳しくなっているのに、このへんの表現に変化が付けられているのはすごいと思います。
最初は普通に、それぞれのシリンダーブロックを外して交換してみました。
ただほとんどの場合、ラジアスロッドなども外れて再組み立てするはめになりますし、バラバラになると「やっちまった」感が大きいですし、組み立てや再調整が面倒なこともあります。
シリンダーブロックは単体販売されていないので、動力ユニットごと買うのであれば、丸ごと入れ替えたほうが簡単そうです。
C62常磐形とC62 2・3号機の動力ユニットの違いは、シリンダーブロックのほかはランボード(およびランボード付属パーツ)ですから、ランボード一式を入れ替えて動力ユニットを交換すれば、外見上はシリンダーブロックが入れ替わったのと同じことになります。
シリンダーやロッドなどの走行系を分解する必要がなく簡単なので、こちらをご紹介します。
C62常磐形です。
作業中、ポロポロ外れやすい従台車とテンダーは、最初に引き抜いておきました。
どこかの貸しレイアウトの線路上に、従台車だけ残してきてしまった、なんていうことが1度ぐらいはあるのかも。気が付いたらC62がテンホイラーになっていたとか。
ボイラーを外しました。
初めに後部ランボード(動力側に付いています)を両脇からしっかり持ち、キャブの床板の下に指をかけて、キャブ側を徐々に引き上げました。
「ヌパッ」という感じで後部が浮いて外れるので、
…煙室扉周辺の部品が飛び散らないように押さえながら後ろを引き上げつつ、前方のホゾも外して(このとき「ミシッ」とか「パキッ」とか部品が外れるイヤ〜な音がする)、ボイラーを取りました。
イヤ〜な音程度で済めばいいですが、こんなふうに雑に分解すると、本当に壊れることもあるのであった。
ランボードを少しずつ横に引き抜いて外しました。要所でダイキャストブロックにはめ込まれています。
けっこうきついです。
配管や給水ポンプなど、ランボードに付いている部品が取れることがあるので、元通り付けておきます。
外したランボード一式を、C62 3号機(または2号機)の動力ユニットに移植します。
こちらはC62 3号機の動力です。シリンダーブロックの上部が外側に広がっているものです。
ランボードを外し、代わりに先ほど外したC62常磐形のランボードをはめ込みました。
私が使ったC62 3の動力ユニットは初期ロットのため白色LEDなので、C62常磐形の電球色LED基板に交換しました。
2017年の再生産品では、電球色LEDに変更されているため、そのままで行けます。
ウェイトを載せてからボイラーを元通りはめ込み、テンダーと従台車を取り付けて終えました。
これでおしまいです。シリンダーブロックだけを外して交換するより楽かなと思います。
こんな感じになるということがわかりましたので、一通り遊んでから元に戻しておきました。
加工前提なら、実際にシリンダーブロックを切り込んで上部の角度を変える方法もあります。今回と逆でC62 2のシリンダーブロックの傾斜を垂直にし、C61の動力として使ったことがあります。