Nゲージ蒸気機関車2019年のメモ>2019.4.16

B6 2157タイプ(河合商会)の不動調べ

河合商会B6 2157タイプ

少し前のこと、しばらく動かしていなかった河合商会のB6(2157タイプ)を出してみたところ、まったく動かなくなっていました。→またかい(笑)。
これまたモーターが唸ることもなく、うんともすんともいいません。


ケースに入ったB6

今はなき河合商会が発売した最初のB6です。1994年頃の発売ですから、もう25年前です。
改めて、もうそんなに経ったのですか…。

走行テスト

昨年、トーマモデルワークスのB6(完成品)が発売されたとき、久々に出してみて、動かなくなっていることに気づきました。
25年も経てば動かなくなるものがあっても不思議ではありませんが、それにしても、モーターすら唸りません。

ちなみに同時期のものをもう1両持っていて、そちらは早期に不動品になっていました。

動かないのでつついてみる

指でつついたり、レールに押し付けたりしてみても、まったくダメです。
もともとダイキャスト製のフレームに問題が起きることがあった商品ですから、また変形していたら嫌だなァ…。

車輪を動かしてみると、アソビはある

車輪を直接指で動かしてみると、カタカタと前後にギヤのアソビを感じますし、左右にも揺動します。車軸がダイキャストフレームに膠着しているわけではなく、一安心でした。
しかし、3つの動輪の軸が平行になっていないようです。元々はスムーズに走っていたので、平行だったと思うのですが。少し変形は起きているのかもしれません。

ボディーを外す

中身を調べるためにボディーを外しました。
ボディー後部を左右に広げるようにして(ステップをへし折らないように注意)、動力ユニット後部を引き下げてずらしました。動力ユニット前方は、ボディーの端梁から後方に抜き取るようにします。

動力ユニット

やっぱり、軽く歪んでいるようで、モーターが前傾しており、左右の軸受けも微妙にずれていました。
この動力ユニットは購入時のままで、今まで交換したことはありません。

ギヤを指で回してみる

ウォームとモーターをつないでいる内歯車を指で回してみると、回りはしますが非常に渋いです。これはちょっとモーターの力で回転させるのは無理な固さかも。

回転を始めた

普通の走行電圧ではまったく動きませんでしたが、電圧を最大にしてモーターに直接通電したところ、思いがけず動き出しました。
音も大きく、ぎこちないものの、回転しています。

油の焼けるような、ホンコン製のトミーナインスケールのような、例の臭いが盛大にします。生きている証拠という感じがして、ちょっと嬉しい。
ただ、車輪に通電してみても、回転しないようです。

通電

ともかくモーターは生きていますし、回転もするようなので、分解清掃と調整で何とかなりそうです。
底板を外し、動輪を抜き取り、左右のフレームを分離しました。

分離したフレーム

フレームの表面に、ポツポツと白い点が無数にできており、何となくマズいことが進行しているような気がします。しかし崩壊前によくあるような水膨れ状の浮きはなく、すぐバラバラになることはなさそうです。 ただ、見てそんな気がしたというだけで、根拠はありません。

フレームの油

ギヤボックスのグリスは茶色の個体と化して、しっかり固まっています。
まあ、グリスは定期的に入れ替えるものですし(そんなに長期使うことを想定している模型でもないと思いますが)、古いものがこんな状態になっても、別段不思議はないかもしれません。

ギヤの油

とりあえず、これらの固着した油を取り除いて部品を洗えばなんとかなりそうです。というか、それぐらいしかすることがありません。

新しいグリスを付けたところ

別な油やユニクリーナーで古いグリスと汚れを落とし、代わりにセラミックグリスを軽く塗っておきました。あんまりきれいに見えませんけども。

モーター接点の調整

モーターに通電したところ調子よく回転したので、これでよしと組み立て直して線路に載せたところ…通電してもまったく動きません。
調べると、モーターの片側の接点がダイキャストフレームにきちんと接触しておらず、車輪からの集電ができていなかったようです。左右フレームの緩みやダイキャストの変形によって(これについては明確な証拠はありません)、モーターがぴったり固定されなくなっており、接触が悪くなったのかもしれません。
当初、レールに載せてまったく走らなかった原因は、グリスの汚れというより、こちらの問題だったようです。

接点を曲げ直したりして、微妙ながら何とかフレームに接触することができ、通電も確認できました。

通電準備

今度こそ

通電テスト

動きました。

動輪シャフトが平行ではなくなっており、新品の頃に比べれば音も振動も大きくなってしまいましたが(音は元々そんなに静かではなかったですが)、貨車を牽いて走り回る程度には復活しました。

ケースにしまう

というわけで、あとどのくらい持ってくれるかはわかりませんが、動けるようにはなったので元のケースで再び休んでもらうことになりました。
動く状態でしまい込むのと、動かなくなったものをしまい込むのでは、気持ちが全然違います。

この製品は別付けのパーツがたくさんありますが、ケース内のスポンジはパーツを付けた状態を考慮していないので、スポンジを適当にカットするなどの加工も要ります。
メーカーもなくなってしまったので、せめて自分の手で壊さないよう気をつけなければ…。


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