Nゲージ蒸気機関車2019年のメモ>2019.7.21

加悦鉄道1261号機(トーマモデルワークス)の動力など

先日発売された、加悦鉄道1261号機の動力についてです。
2018年以降の同社Nゲージ小型Cタンクの動力は、日車Cタンク動力改良版→龍ヶ崎4号機→(B6完成品)→加悦鉄道1261号機、の時系列になっています。
今回の動力は龍ヶ崎4号機の直系の後継機のように思えますが、中身は違っています。


龍ヶ崎4号機(2018年)と加悦鉄道1261号機(2019年)

龍ヶ崎4号機と加悦鉄道1261号機

前回のキット龍ヶ崎4号機(写真左)と、約1年後に発売された加悦鉄道1261号機(右)です。

そういえば、龍ヶ崎4号機のあと、トーマモデルワークスからはNゲージの蒸気機関車のキットは発売されていないように思います(…ですよね?)。その後のB6も加悦鉄道1261号機も完成品です。加悦鉄道1261号機は今後キットの予定もあるようですけども。

龍ヶ崎4号機の上下分離

龍ヶ崎4号機の上下分離です。
下廻りは黒に着色済みの金属エッチング板で、コアレスモーターを縦向きに固定しています。
輪心はホワイトメタルなので、下廻りではここだけ黒塗装が必要です。

加悦鉄道1261号機の上下分離

今回の加悦鉄道1261号機の上下分離です。勢い余ってボイラーまで外していますが、付けたままでも下廻りは外せます。
コアレスではないおなじみのアルモーターが使われています。龍ヶ崎4号機のコアレス動力は、普通にパワーパックの出力を上げると速度変化も大きく、ちょうどよい速度に留めるにはやや操作が微妙になりますが、こちらのモーターは速度変化がそれほど大きくないのであまり神経を使わずに運転できます。

左:龍ヶ崎4号機の動力 右:加悦鉄道1261号機の動力

左が龍ヶ崎4号機、右が加悦鉄道1261号機です。
日車Cタンク改良版や龍ヶ崎4号機では、黒いプラスチック板をベースとして左右のフレームを留めていましたが、今回の加悦鉄道1261号機ではプラスチック板がなくなっています。
集電ブラシの構造は完全になくなり、集電はフレームの軸受けのみとなりました(今までも、それで問題なく走っていました)。

左:龍ヶ崎4号機の上廻り 右:加悦鉄道1261号機の上廻り

ちなみにそれぞれの上廻りの裏側です。
左の龍ヶ崎4号機では、下廻りのプラ板が入り込む部分が広く開口しています。
右の加悦鉄道1261号機では、モーターを除く全体にわたる底板が付いており、この上にサイドタンクやキャブを載せて固定する方法です。上廻りがまっすぐ、まとまりやすいかもしれませんね。

加悦鉄道1261号機のモーター

龍ヶ崎4号機では、コアレスレスモーターのリード線に金属のラグをハンダ付けし、それを床板にネジ留めしていました。
加悦鉄道1261号機(写真)では、モーター端子にリン青銅線をハンダ付けし、その先端はフレームの穴に差し込んで弾力で接触させています。

全軸ギヤ連動で、第1動輪ロッドピンは省略されています(このクラスの模型では割と普通のこと)。第1〜第2動輪と、第2〜第3動輪の軸距離が違うので、それぞれの間にあるアイドラーギヤの直径が違っています。

動輪とロッドの取り付け方法は龍ヶ崎4号機と同じで、ロッドは六角ロッドピンで輪心に留められています。底にあるプラスチック板のネジを外せば、動輪を外して軸受けを清掃することもできます。

なお、絶縁側のフレームの固定ネジにはプラネジが使われています。頭が黒くて一見プラネジかどうかわからない箇所もあるので、組み立ての時に間違えて鉄ネジを使うとショートの恐れがあります。

一見同じものでよさそうに見える動力でも、そのつど変更や改良がありまして、まったく同じものは少ないです。それぞれ最適なものをと研究していくと、終わりがない旅なのかもしれません。

B6 2120形〔完成品〕の動力

オマケです。昨年2018年には、やはり完成品としてB6 2120形が発売されていました。高屋根キャブのB6です。
2013年に発売されていた、キットのB6とは異なります。

B6 2120形の上下分離

下廻りの3個の鉄ネジを外せば上下を簡単に分離できます。

B6のキャブは側面窓の開口部が大きいですが、モーターは平らに横置きされているため、真横から見るとモーターがまったく見えません。

上:旧B6の動力 下:新B6の動力

写真上は、2013年発売のキット版、下が2018年の完成品です。
ギヤ伝達の様子は基本的にどちらも同じですが、フレーム構造が大幅に変わっています。キット版では内外2重の構造で、外側がダミーフレームであり、内側フレームはギヤと動輪が付いた状態ですっぽり抜き取ることができました。その代わり車輪を軸受けから外すことはできず、軸受けを清掃するには内側フレームを丸洗いするしかありませんでした。

上:河合商会 下:トーマモデルワークス

こちらは河合商会のB6の動力です。時々膨張粉砕の悲劇を呼びます(写真の動力もすでに不動です)。
2013年のトーマモデルワークスのB6キットの動力は、河合商会のボディーにはギリギリ入りませんでしたが、2018年の動力(写真下)はキット版より短いので全長はクリアしています。

河合商会+トーマモデルワークス

そのため、河合商会のプラ製ボディーにすっぽり入ります。このままでは、止まるところがなくてぐらぐらして使えませんが、きちんと固定構造を作り、ウェイトを積み、工夫してカプラーを取り付ければ代わりになるかもしれません。

ただ、トーマモデルワークスのB6動力は別売されていませんし、完成品もすでに品切れなので、河合商会の動力置き換えとしてはもったいないです。崩壊したダイカスト部を別の材料で作り直してモーターとギヤを収め、集電を別途行うほうがいいかもしれません。大手術になりますけど…。


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