C62東海道形(新)に続いて、C62 2 東海道形が発売されています。
同じ2号機でも、10年前に発売された北海道形とは全体的に作り分けられています。実物の装備の変遷だけでなく、この10年間のメーカーの表現の変化や造形の見直しも混じっていますから、見比べると面白いです。
名称が漢字1文字しか違いませんから紛らわしいですが、すべて東海道形→北海道形の順に並べました。
ディテールの違いは全般にわたるため、言葉では全部書けませんので、写真でわかる範囲でしかご覧いただけず申し訳ありません。
東海道形はATS未装備の比較的すっきりしていた姿、北海道形はATSをはじめ晩年の北海道の装備が施された姿です。
C62 2 東海道形(2017-8) |
C62 2 北海道形(2017-2) |
東海道形は薄型デフで、ライトもLP42です。ナンバープレートは実物も途中で変わっているようですが、模型でははっきり表情が変化しています。
東海道形はデフ縁取りが銀、北海道形はデフ前手すりが銀とされています。なお北海道形は2017年の再生産品で、ハンドレールが樹脂製に変更されたものです。
北海道形には煙突を回してライトを消灯する機能があります。再生産品にもあります。
●ボイラー
C62 2 東海道形(2017-8)
空気作用管はランボードに沿っている目立たないものです。後部の手前に動力逆転機の作用ロッドが斜めに重なっていますが、そこも塗り分けられているのは驚きました。
C62 2 北海道形(2017-2)
空気作用管は目立つ位置にありますが、配管留めの塗り分けはおろか、そのモールドすらないのがKATOとしては大変珍しいです。同様なのはD51 498のみかと思います。私は普段使いのものには自分で追加しました。
細かいところではドーム前ステップの2段それぞれの上下位置も作り分けられています。ドームの砂撒器の位置も少々見直されています(模型では北海道形の2号機と3号機でも作り分けがありました)。
C62 2 東海道形(2017-8) | C62 2 北海道形(2017-2) |
タブレットキャッチャーの有無によるナンバープレート位置の違いや、ドロダメ、分配弁の耐寒カバーの有無など。
東海道形はまだ信号炎管がなく、キャブまわりはあっさりしています。
C62 2 東海道形(2017-8) |
C62 2 北海道形(2017-2) |
東海道形はテンダーにも白線が入っています。重油タンクはどちらにも装備されていますが、炭庫後部仕切り板が1枚か2枚か、増炭枠の有無、クレーンフックの追加やフード付きライトの増設で別物のようになっています。
C62 2 東海道形(2017-8) |
C62 2 北海道形(2017-2) |
北海道形のステップ最下段の後方が切れているのは、模型の破損ではなく作り分けです。後部水撒管の有無のほか、後部妻板の形状もまったく異なります。
C62 2 東海道形(2017-8) ATS未装備のため発電機は1機で、取り付け向きも北海道形とは異なります。
C62 2 北海道形(2017-2) 機器類も増え、目立つところの配管もずいぶん増えましたね。
上部中央を前後に走るボイラーケーシングの継ぎ目も、北海道形ではボルト列のみだったものが、東海道形ではスジボリがなされているなど表現の違いがあります。
C62 2 東海道形(2017-8) |
C62 2 北海道形(2017-2) |
東海道形では空気作用管の3箇所の末端が砂撒器の根元まですべて銅色に着色されています。各部の耐寒カバーや配管の有無の違いは全体にわたります。
C62 2 東海道形(2017-8)
C62 2 北海道形(2017-2)
ドームは砂撒器のほか、砂箱蓋の位置や形も変わりました。煙室上部のボルト表現などにも違いがあります。
部分、部分のみですが、写真で見ただけでも様々な違いが目に留まるかと思います。でも時代は違えど同じ機関車なんですよね。
梅小路に移ってからも変更され、現在はまた違った姿になっています。細かいところに手を加えて自分好みに作り替えていくのも模型の楽しみかと思います。自分で使うものならば、必ずしも厳密に実物の一時期と一致する必要もなく、好み優先で改造しても面白いです。
模型もC62 2 東海道形のほうがまだ若い機関車という感じが表れており、長年の運転経歴が刻み込まれた北海道形と対照的で、どちらも素晴らしい魅力を持っています。
北海道形はコアレスモーター動力のC62のトップバッターだったため、若干仕様が古くなったところもありますが、それほどでもありません。 ただ今後変更される機会があれば、薄型デフ、空気作用管配管留め表現、ATS車上子の精細化があればさらに喜ばれるかと思います。