昭和40年代頃まで100円程度でたくさん売られていた、ゼンマイで走るプラ模型のひとつです。
買って組み立てて、遊んで壊れるまでのサイクルは1〜2時間でしょうか?
同じ模型が箱絵を変えて何度か再販されたりもしています。
これはクラウンモデルの「サニークーペ」で、私も組み立てたことがあります。その頃は100円だったように記憶しているのですが、今回組み立てたものは200円の表記になっています。
プラ部分は一体成型されたボディーとシャーシ、ガラスと座席、ホイールなどの小物パーツです。他にゴムタイヤとゼンマイボックス、接着剤等です。
典型的なゼンマイカーの部品構成です。
箱のふたの裏が説明書になっています。これも別刷りの場合があったと思います。
この手のものは組み立て方法も大体同じで、始めにゴムタイヤにホイールをはめ込み、次に車輪をシャーシに打ち込んで…という順番でした。
「強力ゼンマイでつっ走る!!」
エルエスのC62のゼンマイは高級ゼンマイ、これは強力ゼンマイと、それぞれの主張があるようです。
たいてい入っている頭。このデザイン、テストドライバー的なイメージなんでしょうか。
単純な形のゴムタイヤ。簡単なトレッドパターンぐらいあったように思ったのですが、これはつるつるでした。
始めにホイールをタイヤにはめこみます。
ホイールのフチをタイヤの内側の溝に挟み込むようにするのが本当ですが、それがわからず、こんな感じに表に重ねるだけで終わっていることがよくありました。
ホイールをタイヤにきちんとはめるのはなかなか難しいです。ゴムも固いですし、当時から難しかったことは覚えています。
4本終えました。壊してはいけないと緊張もあって、なぜか汗だく(笑)。
これからタイヤとゼンマイボックスを取り付けるシャーシです。
底部には簡単なトランスミッションなどの平面モールドがあります。
このテールライトのモールド、線がはみ出ていたり届いていなかったりで、何だかフリーハンドみたい…。
前輪はシャフトをシャーシに通してタイヤを打ち込みます。ハンマーによる打ち込み作業は一般向けのプラ模型でもポピュラーでした。
舵取り機構はなく直進専用です。だからといってまっすぐ走りもしませんが。
ゼンマイボックスを取り付けてシャーシは完成です。
このゼンマイボックスは前後にプラスチックの留め具を接着して固定しています。留め具を使わず、金属部のツメをシャーシの穴に通して折り曲げる固定方法も一般的でした。
ゼンマイ動力って実は大変コンパクトにできるのですね。ギヤボックス以外に場所を取るモーターや電池なども不要です。最近になってその良さを認識しています。
ゼンマイは錆もなく大変きれいでした。ゼンマイボックスは今でも模型店で売られていることがありますが、錆だらけのものもあるので注意です。
車内は1枚の板にモールドされています。
ここは運転席なんですが、すごく姿勢が固そう。
妙にリアルな表情です。何かに当惑しているようにも見えます。自分の運転に驚いてはまずい(笑)。
ボディー内側に一体のガラスを貼ります。
どこが接しているのかよくわからないパーツでして、少なくとも天井部分は浮いています。確実に触れている箇所はあまりないようで、接着剤をあちこちに付けても大半は効きません。
溶解形の普通のプラ用接着剤はやめて、ゴム系接着剤によるコンタクト接着にしました。
ドライバーの乗ったシートを接着して、室内にふたをするようにふさぎます。
衝突したときにシートとガラスが脱落することが多いので、しっかり接着したいです。しかし明確なポッチがあるのはシート前方だけです。
ボディーとシャーシを接着します。ぴったり合わず隙間埋めも削りもしていませんが、歪めてなるべく合わせはしました。
ついでにフェンダーミラーも接着し、乾くまで輪ゴムで留めておきました。
これが最後の部品でリアバンパーです。一見ランナーの一部のようで見落としてしまいます。
フロントのバンパーは別パーツではなく、ボディーと一体成型になっています。どうせ衝突すれば取れますから、フロントは一体でいいと思います。
当時どんなふうに遊ばれることが多かったのかを思い起こしながら組み立てました。小細工はしませんでしたが、丁寧にそのままという気持ちです。
箱絵 |
車のことはサッパリわからないんですが、用途的にこんなもんじゃないでしょうか。箱絵と同じでないのはわかりますが、それは鉄道プラ模型で大変慣れていますから(笑)。
せっかくなのであちこちから。何も手を入れず、ただ接着して組み立てた姿です。
箱絵と違って三角窓はないですね。
フェンダーミラーは取れやすい部品でしたね。
リアの造形、感じは捉えられていると思います。
愛嬌ある前面です。ナンバープレートや方向指示器のモールドがあると、また印象が変わったかもしれません。
金型の抜きの関係で、上下の合わせ目がこの位置にあるのでしょう。
ちなみに全長は約130mmで、縮尺の記載はありません。
ただ走るだけなので(笑)、動画などはないですヨ。
ぜんまいかぎはちゃんと金属製のしっかりしたものです。
何気にこれがないと走れない重要部品。ゼンマイボックスの構造によっては、プルバック的にタイヤを回してゼンマイを巻けるものもありました。
タイヤを押さえてゼンマイを巻きます。
ギリギリギリ…。
説明書の最後の掛け声です。
「さあ方向を定めておもいきり走らせよう!!」
ビューン…
というわけでもなく、するするする…と穏やかに加速していきました。大人なら十分追いかけられますし、まっすぐ走らないので狭い廊下ならすぐ壁にぶつかって安心?です。
今のところ無傷です。
これぐらい気楽に遊べるプラ模型も大変好きでした。
土曜日の午後の時間つぶしになるような感じのものですね。