Nゲージ蒸気機関車2022年のメモ>2022.3.31

KATO D51 498(副灯付)

D51 498 左右側面

従来のD51 498(品番2016-1→2016-7)とは違う時期の姿として、商品名のとおり副灯の付いた仕様で模型化されました。最も大きく変わっているのはテンダーで、外装は丸ごと作り変えられています。
オリエントエクスプレス'88を含めると、KATOのD51 498にはテンダーの違いだけで3タイプが商品化されたことになりました。


全体

あとで従来のD51 498(品番2016-7)と比べてみます。

D51498(副灯付)公式側

D51498(副灯付)非公式側前方

D51498(副灯付)非公式側

KATOのD51 498はOE'88を除き、空気作用管の配管留めがない(根元だけある)横縞表現でしたが、今回から配管留めのモールドが付き、KATO得意の塗り分けもなされました。
なおOE'88では配管留めのモールドはあり、色は配管と同じ銅色というプラ製のNゲージでは一般的な表現でした。

塗装の感じは従来のD51 498と同様ですが、火室下部は真っ赤だった従来品に比べローズピンクっぽい表現になっています。これは4年前に発売されたD51 200と同様です。

従来のD51 498(品番2016-7)と

D51 498(副灯付)
D51498(副灯付)公式側

D51 498(副灯付)

D51 498(従来品)
D51498(従来品)公式側

D51 498(従来品)

先ほど述べた点のほか、キャブ側面に銘板の印刷が加わっています。

ナンバープレートは従来は取り付け済みでしたが、今回は地色が黒か赤かを選んで自分で取り付けます。これもD51 200と同様です。黒・赤ともに必要数の二倍の8枚ずつが付属しているのが何となく嬉しいです。余っているものを自分で青や緑にしてみるのも面白そうです。水性塗料で筆塗りして、金色の凸部に付いた塗料を綿棒で拭き取れば行けるでしょう(不要なナンバーで要テスト)。

D51 498(副灯付)
D51 498(副灯付)前面
副灯付
副灯には銀ブチとレンズも入っておりきれいな表現です。またデフが最近の薄型デフになりました。
D51 498(従来品)
D51 498(従来品)前面
従来品
もっとも、D51 498に関しては塗装にやや光沢があるため、従来品の旧デフも特に不利な見え方ではありません。
D51 498(副灯付)
D51 498(副灯付)煙突付近
副灯付
煙室後方の左右に集煙装置の取り付け座が付きました。ドーム前踏板の手すりの向きは従来品の逆になりました。
D51 498(従来品)
D51 498(従来品)煙突付近
従来品
D51 498(副灯付)
D51 498(副灯付)テンダー前妻板
D51 498(副灯付)
テンダーは上から見える装備のほか、前面の配管も大きく変わりました。増炭枠の高さにも少し違いがあります。
D51 498(従来品)
D51 498(従来品)テンダー前妻板
D51 498(従来品)
D51 498(副灯付)
D51 498(副灯付)ATS車上子
D51 498(副灯付)
ATS車上子は簡略表現から通常ディテールに変わりました。このため内部の床パーツの構造も変わっています。
D51 498(従来品)
D51 498(従来品)ATS車上子
D51 498(従来品)
従来品は真横に機器箱があるため(この写真では向こう側)、簡略表現のATS車上子がよく見えずに助かっています。

D51 498(副灯付)
D51 498(副灯付)テンダー上部を後方から
D51 498(副灯付)
機器類が大きく変わったほか、石炭が大粒で丸っこい表現に変わりました。

D51 498(従来品)
D51 498(従来品)テンダー上部を後方から
D51 498(従来品)

アングルを変えてみます。

D51 498(副灯付)
D51 498(副灯付)テンダー上部を上方横から
D51 498(副灯付)

D51 498(従来品)
D51 498(従来品)テンダー上部を上方横から
D51 498(従来品)

D51 498(副灯付)
D51 498(副灯付)テンダー後部
D51 498(副灯付)
後部は配管の一部が変更され、右のステップに暖房ホースが付きました。左側面の床下配管の取り回しも少し変わっています。
ライトは従来品と同様に導光部が内側に出ているので、点灯改造の際に便利です。
D51 498(従来品)
D51 498(従来品)テンダー後部
D51 498(従来品)
D51 498(副灯付)
D51 498(副灯付)テンダー底部
D51 498(副灯付)
底部です。ディテール変更以外に構造の違いはありませんが、中央左右にあった旧ケースの底板を差し込む丸穴がふさがりました(D51 200から)。
D51 498(従来品)
D51 498(従来品)テンダー底部
D51 498(従来品)
この丸穴です。ケースが変更されたのでもう使われないわけです。

テンダーはすっかり変わったので中身も見てみます。
それぞれ写真左がD51 498(副灯付)、写真右がD51 498(従来品)です。

テンダー中身の比較

テンダー中身の比較

D51 498(副灯付)のダイキャスト部と底部のパーツはD51 200と同じもののようです。ATS車上子のディテール表現も同じです。ちなみにC57 1次形も同じです(ダイキャストにある刻印もすべて同じ品番2016)。

ついでにエンジン部の動力ユニットです。動力部のAssyやライト基板が販売されていることから、この程度の段階まではユーザー自身による分解も想定されているのでしょう。

動力ユニットの比較

ライト基板が現在の部品になっている以外、見える部分は従来品と同形のようです。火室下部の塗装などが異なるのでAssy品番は別になっています(ついでに価格も少し上がっています)。

D51 498(副灯付)公式側前方から

D51 498はもともと完成度の高い模型でしたが、その後も再生産や品番変更を経て少しずつ改良されてきています。メーカーとしても力の入っている商品なのでしょうね。

2010年に新系列の初代製品(2016-1)のサンプルを幕張メッセで見た際も、その姿とコアレスモーターの連続低速走行にテンションが猛烈に上がったことを今も思い出します。こういう嬉しいことがあった日は慎重に帰らないと怪我をするな、なんて思いました。


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