Nゲージ蒸気機関車>蒸機の工作>B6動力の簡易置き換え(3Dプリンター)
河合商会のB6の変形してしまったダイキャストブロックを、3Dプリントによる樹脂パーツで置き換えたものです。
何年も前からいくつかのご作例が存在します。私にもできるのかしらとやってみました。
2024.4.30
まずジャンク品のB6を入手しました。
ところどころ破損しており、部品の取り付けもところどころ間違っていますが、この遊びには十分です。
ダイキャストブロックは一見形を保っています。しかし左右別々に変形しており、長さも高さも左右で異なります。表面にブツブツと白い点が現れて痛々しいです。
モーターも車軸も斜めになってしまい、通電しても唸るばかりでまともに動きません。
令和の現在になっても、奇跡的に動力の状態がよいB6が出土することもありますが、運しだいですね。
3Dプリンター用に3D CADで作図しました。
問題はダイキャストブロックの採寸で、正確に値を拾いにくいうえ変形もしているため、とりあえず一度造形して具合を見ながら2度ほど微修正しました。
私の3Dプリンターと造形能力では十分な精度は出ませんけども、ギヤもモーターも動輪も生きていますから、少なくとも車輪の回転はできるはず…。
集電はなるべく簡単にするため、1本の0.3mmリン青銅線を曲げて差し込むことにしました。
軸受けよりも少し下側にリン青銅線を配置し、車軸に接触するようにしています。
斜め造形でも直立造形でもなく、この向きのまま造形しました。何度も試行錯誤するので、1回あたりの造形時間が短く済む方法にしました。
サポートは真下に大量に付けました。
3DプリンターはPhrozen Sonic Mini 4K、樹脂は14か月入れっぱなしのxUltrat(黒)です。時間をかけてしっかり二次硬化させました。
ところで昨年秋にxUltratの販売店が閉店してしまったため、手持ちが尽きたらもう私が使える樹脂はありません。真剣に、次はどうしよう…。
リン青銅線を軸受け部分に差し込んだところです。第一動輪の部分のみわずかに下に曲げて、若干のサスペンション性を持たせようとしていますが気休めです。
これでも結構ちゃんと集電されました。
後部はUターンさせて少し外側上方に曲げ、モーター接点に直接触れさせます。従って配線用のリード線やハンダ付けは不要です。
3Dプリントしたフレームに全部の部品を取り付けたところです。
一見しっかりしていますが非常に軽く、そのままではモーターの重さで尻もちをついてしまいます。ボディーをかぶせると、煙室にウェイトが入っているために何とか持ちこたえます。
ギヤの軸受けは3Dプリントでは正確な直径の真円にならず、少し小さめに造形してドリルでさらいました。
河合商会のB6の動力には少なくとも2種あります。元にしたのは改良前の動力で、第2動輪にもギヤが付いていて連動しています。
第2・第3動輪の位相をギヤの歯で揃えても、第2動輪ロッド穴が微妙にずれ、最適ではなかったです。軸距離やギヤ穴の位置がまだ不適切なのだと思います。
そのままでも一応走りましたが、1時間経たないうちに動きがぎこちなくなってきたため、第2動輪のギヤはなくしてロッド連動としました。これは改良後の動力と同じです。
遊べはします。走りはご覧の通り、変形が始まったダイキャストよりはましな程度です。それでも走ると走らないとでは大違いなので意味はありました。
プラ2軸貨車なら平坦線で5〜6両程度にしておくのがよさそうです。
少し前方にウェイトを載せられるよう形を工夫してもよかったかもしれません。
途中で気づきましたがこれを常用するわけでもないので、急に面倒くさくなりまして。