Nゲージ蒸気機関車2025年のメモ>2025.6.30

C57 180号機 2025年リニューアル製品(トミックス)

2012年に発売された(もう13年前!)、C57 180号機がリニューアルのうえ発売されました。
実車の変化に応じた変更が行われているほか、いくつかの造形表現も現在の水準に合わせて新しくなっています。もともとトミックスのC57シリーズの中でも感じのよい模型だと思っていましたが、変わらぬ好印象です。


前回のC57 180(品番2005)と基本部分は同じです。おなじみの動力ユニットで良好な走りです。最初にC57 135で採用されてから16年になるので、今見ると普通の走りに感じるかもしれませんが、当初は驚きました。

2012年製品 品番2005の前回品です。

2009年製品

2012年製品

品番2005の前回品です。

2025年製品 今回のリニューアル品(品番2011)です。

2025年製品

2025年製品

今回のリニューアル品(品番2011)です。

初回品もC57 180号機の現行機(当時)として発売されたもので、トミックス初の3次形となっています。3次形はコンプレッサーの繰り出し管がランボード下にあるためボイラー側面はすっきりしており、ドーム前端が微妙に後方に傾斜してデザインが整えられています。プラ量産品でこのドーム形状がきちんと作られたのは、トミックス製品が初めてです。

180号機はさらに、ドーム前の大型手すりや、延長されたキャブ屋根などが特徴です。 今回の製品はかつてよりも装飾部分が減った時期の姿なので、前回品と比べやや落ち着いた雰囲気です。実物は何度か装飾が変わっていまして、ほとんど装飾塗装がなかった時期もありました。

前回品 今回品
2012年製品
スノープローがなく、ヘッドマークを付けるには給水温め器パーツの交換が必要でした。
2025年製品
スノープローが付けられており、ヘッドマークは給水温め器を交換しなくても付けられるようになりました。逆にヘッドマークを付けない時に給水温め器を別パーツに交換します。

デフ裏には2年前のC55やC58と同様、補強のリブ表現が追加されました。トミックスがこの表現を採用するのは他社に比べてだいぶ遅れましたね。
ライトのレンズには縦縞の模様が表現されたということですが、小さなNゲージのスケール感では効果は薄いと思います。写真で並べてみると、前回品よりもレンズが曇っているように見えるのはこのためです。もちろん点灯には支障ありません。
先日のKATOのD51標準形と同様、煙突を回してライトを点灯・消灯させることが可能です。

前部のつかみ棒・エアホース・テールライトはユーザー取り付けで、テールライトの取り付けには穴あけが必要です。0.5mmドリルの使用が指定されていますが、0.6mmのほうがよいかもしれません。小さいほうから試しながら穴を開けるといいですね。

前回品 今回品
2012年製品
発電機の配管などは表現的に省略されており、キャブの窓は全閉でした。
2025年製品
発電機の配管が追加されて今風の表現となり、そしてついにキャブの窓が開きました。人形を乗せても効果的でしょうね。

2012年製品

2012年製品

2012年製品

反対側です。この頃はまだATS発電機が国鉄現役時代のような小型で済んでいました。

2025年製品

2025年製品

2025年製品

ATS機器の更新によりATS発電機も大型化しました。こちら側から見ても配管の追加は効果的です。

テンダーも変わっています。C57 180 門鉄デフ(品番2007)のときにも変わりましたが、さらに変わっています。

2012年製品

2012年製品

2012年製品

ハシゴは片側1か所で、上面の機器類もシンプルでした。

2025年製品

2025年製品

2025年製品

ハシゴが左右2本となり(品番2007 門鉄デフから)、ATSの更新のため上部の機器箱も変更されました。

後部ライトは従来のクリアなレンズで、後退時に点灯します。

なお取り付けているカプラーはKATOのマグネティック・ナックルカプラー(短)です。ポン付け可能です。CSナックルカプラーもOKです。
製品の標準はアーノルドカプラーで、付属のTNカプラーも取り付けられます。つまり客車がトミックスだろうがKATOだろうが何でも行けるということです。

動力ユニット

動力ユニットの形状は前回品と同じに見えますが、以前は赤っぽかったダイキャスト部はかなり黒っぽくなりました。その代わり光沢があってテカテカです。
ただ、大きな動輪に隠れますから、ダイキャスト部分は外部からあまり多くは見えません。

なお動輪の少々のヒケはまだあります(逆にそこぐらいにしかない)。もっと小さなメーカーであればもっと大きなヒケがあちこちにあったりもしますが、トミックスにはすべて克服してほしい望みもあります。


以上ですが、もともと微妙に保守的な表現を取っていた部分が現在普通の表現に近づき、全体的にさらに一段完成度が上がった印象です。まあ基本は16年前のC57 135に遡る模型ですし、価格も価格ですから、手を入れるのは必然だった面もあるのでしょう。

かっこいいですよ。ケースの袋から取り出した時、おーっ、とか言いそうになりましたもの。

前方から
前方上方から
2009年製品

ナンバープレートが、近年は金色が割とボテ気味で文字が不明瞭になっている傾向がありまして、私の買ったものもそうだったのですが、C55のときに歯ブラシで軽くこすって余分な金粉を取り除く方法を教えていただき、今回もそうして文字をすっきりさせることができました。ありがとうございました。
なお試してみる方は、最初は予備の1枚ぐらいを使って、柔らかいブラシでごく軽く試して感じを見るのがよいと思います。欲を出して擦りすぎると剥がれたりかすれたりする恐れもあると思います。くれぐれもご自分の判断で。


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