Nゲージ蒸気機関車2007年のメモ>2007.12.15(N700系新幹線)

N700系新幹線

2007.12.15

KATOとトミックスから発売され、もろに競作になっています。マイクロエースのはないんですね。


私は仕事では電車での近場移動か、飛行機での長距離移動かのどちらかが多いので、新幹線には滅多に乗ることができません。東名阪の移動などでたまに乗るときはとても楽しみです。速いし、乗り心地はいいし、足元は広いし、次々来るしで大好きな電車です。こんな立派な電車をよく作ったものです…。

全体(783+785)

トミックス トミックス(Z0) (拡大写真)
KATO KATO (拡大写真)

全体の感じは今までのトミックス、KATOそれぞれの新幹線シリーズに準じます。トミックスはピュアホワイトに近く、青帯はKATOに比べて赤方寄り、KATOは若干抑えたホワイトで、青帯はトミックスに比べて緑方寄りです。
写真はトミックスの基本セットに合わせて1号車+5号車で組んでいます。

783 先頭部

トミックス
トミックス (拡大写真)
KATO
KATO (拡大写真)

拡大写真は幅1200ピクセルです。ブラウザの大きさに合わせて縮小されているかもしれないので、ブラウザの画像拡大ボタンを押して原寸大にしてみてください(ズボラしてすみません…)。

連結部

トミックス
トミックス (拡大写真)
カプラーは通電式で、蒸機のエンジンとテンダーをつなぐドローバーに少し似ています。たぶん、レールや車両のメンテに不慣れな初心者の方でも、なるべく走行性を確保できるようにということなのでしょう。
KATO
KATO (拡大写真)
今回は、今までの貫通幌同士が連結するダイヤフラムカプラーではなく、全周ホロを表現したものになっています。

直線からR315に差し掛かるところです。急カーブを曲がるNゲージでは、こうした不自然な瞬間は避けることができません。

トミックス
トミックス
可動式幌枠同士が滑る、おなじみの構造です。カプラーは台車マウントなので連結が簡単です。
KATO
KATO
複雑な構造の全周幌枠です。結構動作がシビアで、慎重に連結して完璧な状態にしないと脱線を招くので要注意です。

どんなに精密に作られていても、Nゲージでは外観的にぶち壊しになる瞬間がどこかにあり、とたんにオモチャっぽくなります。でもそこがとてもよい…。

トミックス
トミックス
通電式カプラーを下側から見たところです。通電式ドローバーとフック型カプラーを合体させたようなもので、左右のリン青銅線によって通電します。
KATO
KATO
全周幌枠カプラーを下側から見たところです。ホロの下部と中央部に2個のフックがあり、これをきちんと相手側に差し込まなければいけません。さらに一番上にも小突起があり、最後にこれを引っ掛けるのが大切ですが、反対側が外れたりしてうまくいかないことがあります。

785 パンタグラフ周辺

トミックス
トミックス
KATO
KATO

どちらもプラ製ですが、KATOのほうは塗装の光沢のせいで、台座が一見金属製のように見えます。

ロゴ・印刷表現

トミックス
トミックス (拡大写真)
印刷表記は最近の各社製品の中では少なめです。ただし、「N700」のロゴは、KATOに比べて印刷線数(解像度みたいなもの)が明らかに多く、細部までつぶれることなく鮮明に出ています。
KATO
KATO (拡大写真)
方向幕、ドア下の靴ずりなど細かな印刷がたくさんあって見た目に楽しいです。屋根上にも号車番号が印刷されています。ロゴの印刷はちょっと粗くて一部が出ていません。

いずれもほとんどの表記が印刷済みのレディ・トゥ・ランで、私みたいな面倒くさがり屋にはぴったりです。

屋根上

トミックス
トミックス
滑り止め部分はシボ加工のようなプラモールド、その他は平滑な表現です。
KATO
KATO
光沢部分の様子が、ちょうど白いプラスチックの無塗装のような質感です。上から見るとトミックスよりもツヤがあるように見えます。

窓まわり

トミックス
トミックス
ガラス表面が少しくぼんで見えるくらい周辺のエッジが立っていて、ビシッとはめ込まれています。
KATO
KATO
ガラスのエッジが丸い、いつものKATO的表現です。

車体傾斜装置

トミックス
トミックス
こちらは傾斜しません。先頭部左右の上下分割に少し隙間があるように見えますが、模型を手に取って見ても特にわかりません。
KATO
KATO
お得意の振り子機構の応用でしょうか、カーブで自動的に少し傾きます。こちらは鼻先の2本のスジ彫りがちょっと目立ちます。

感想

あんな複雑な曲面を、両社ともさしたる違いなしに的確に表現できているのは素晴らしいです。普段蒸気機関車のような単純な形の車両ばかり見ていると、特にそう思います。

KATO製品は、「えっ、こんなところにも?」と思うほど、細かな印刷表記があちこちにあって本当に楽しいです。ただ全周幌枠カプラーの取り扱いが難しく、確実に連結するのが面倒です。恐らく歴代のKATOのカプラーの中でも最大級の難易度です。車両の取り扱い中に幌枠ごと取れてしまうこともありますし、きちんと連結されていないと脱線も引き起こすので、16両編成ともなると最初の1周は緊張します。連結が問題なくできれば、カーブで傾斜するギミックやカラフルな印刷表記は低学年の子供にも向いているでしょう。

トミックス製品は機構的な面では全体にあっさりしていますが、シンプル・イズ・ベストで、線路上でカシャン、カシャンと簡単に連結させてすぐに遊べます。通電式カプラーのおかげで、多少線路や車輪の手入れを怠っても走りますから、低学年のお子様へのプレゼントとしては安心できます。もちろん、ごひいきのメーカーがあれば、そちらを買うのが一番でしょう。


●比較した模型について


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