オオタキの1/50シリーズの蒸気機関車にサイズが合う貨車で、説明書にも「蒸気機関車シリーズ」とあります。
機関車と違いアリイには引き継がれていないと思いますが、何かと有名です。
動くプラ模型の編成のひとつとして貨車が付属していることはあったものの、貨車それ1両でディスプレイ商品になっていた例は珍しかったと思います。
大きな一体成型の車体がまず目に留まります。派手な飾り帯などがあるわけではなく普通な感じです。
車体は銀成型、タイヤはメッキ済で、あとは黒整形です。屋根は梨地処理で何となくつや消しにされています。
他にデカール、接着剤、そして長さ7cmの真鍮線が1本入っています。真鍮線は自分で2つに切って解放テコとして使います。
ちなみに車体の大きさはこんな感じです。ちょっとした小物入れ。
(手前はNゲージのD51です)
今回再び組み立てたものは今世紀になってから中古で買い直したもので、価格は250円となっています。私が最初に買って組み立てたのは1974年頃で、そのときは300円ぐらいで飾り用のレールが1本付いていたような気がしますが、自信がありません。何かの記憶とごちゃまぜになっているかもしれません。
箱に描かれているシリーズです。プラ模型はこういうのが楽しかったですよね。このうちレ7000とタム5000は比較的中古でも見るほうだと思います。
説明書はきれいに書かれていてわかりやすく、また部品もゲートの位置などがよく考えられていて組み立てやすかったです。しっかり作られているキットだなと思いました。
貨車に前後の区別があることは、昔このキットを組み立てた際に初めて知りました。
私、プラ模型の組み立てを通じて知ったことって結構あるんですよね。
説明書にはあちこちに前後を間違えぬよう注意書きがあります。「このむきをずっとおわりまで続けよう」なんて書かれています。
台枠の接着から始めます。車体は一体成型されており、しっかりしているので形がまとまりやすいです。
サイズが大きいこともありますが、比較的細かいところまでモールドされており、ほどほどの精密感があります。
台車はこんな感じ。ブレーキシューなどは別途取り付けます。
輪心を接着する前に接着面のメッキをはがします。機関車なら車輪が多いので面倒ですが、2軸貨車はそうでもありません。
接着して組み立てた車輪です。プラ模型の車輪は、斜めにならないよう車軸に固定するのが難しいですね。
ブレーキシューを1本ずつ接着します。まっすぐに、ばらばらにならないよう接着するのが難しいです。
このへんからちょっと怪しくなってきます。
ブレーキロッドの組み立てと、その際のポッチの向きが記されていますが、
実際の部品ではポッチの方向が逆で、そのままだと部品同士の重なりも逆になります。
これを説明書通りに修正すべきか、そのまま進めるかも悩ましいところ…これを前提に他の部品の位置が決まっていることがありますからね。
でもまあ部品のなすがまま、収まりがよいように進めました(笑)。それが一番丈夫に接着できるような気がしまして。
細いところの接着があとから剥がれたりしてくると、割とストレスですからね。
ちなみにそれぞれの部品の名称はすべて部品表に書かれており、どれが何の働きをするのかわかるようになっています。
ブレーキ管が微妙に短くて前後の穴に届かず、熱で変形させて無理やり接着しました。
外見上目立つ足ブレーキまわりです。接着面積が十分とれない部品があり、収まりのよさ最優先で位置を決めて接着しました。
「D-13をこのように接着」とあり、L字形の細いD-13を接着するのですが―
―うーむ
修正(笑)
やっぱり接着面積が十分ではなく、このあと何度か取れました。プラ小片で補強してやれば付けやすかったかもしれません。
屋根と氷槽を取り付け。ここは特に問題ありません。
妻面の手すりやハシゴを取り付けて外形は完成です。ハシゴは中間付近の取り付け脚2つと、屋根に接触している片側の先だけで固定されているのでちょっと不安です。
デカールは奇跡的にまだ使えそうでしたが、念のため最初にスキャナーで取り込んでおきました。
スキャンしておいて正解でした。というのは本当にデカールは使えましたが、貼っている最中に先に付けたデカールを1箇所ぐちゃぐちゃにしてしまいまして、そこだけ透明デカール用紙で作り直しました。見た目にはバレません。
貨車1両とはいえ、集中力がいるところもあって、結構なボリュームを感じました。この感想は初回も今も変わりません。
箱絵 |
完成品 |
強度優先でまとめてしまったところもありますが、相応に手間がかかっているのと大きさもあって一定の満足感があります。
せっかくなのであちこちから。未塗装で組み立て、デカールを貼った姿です。
反対側です。
一部やはり合いが悪くて、相当削り合わせたところもあります。実物が正確に再現されているわけでもありませんが、「貨車のブレーキ装置って意外と複雑なんだ」とか「原理は自転車のブレーキと変わらないんだな」など、色々考えるきっかけになれば教材としても成功ですね。
生ぬるい組み立てではありませんが、昭和のプラ模型としては理不尽すぎるわけでもありません。完成すると嬉しかったので、たぶん良い商品なんだと思います。
同じ1/50、オオタキのD51と。
この連結がやりたかったのですが、残念ながらカプラーの形状がわずかに違っており、今のところ並べてあるだけです。この線路はD51付属のものです。これまた惜しいことに貨車の車輪幅がギリギリ合わず片側のフランジが載っています。いずれも確かめながら調整して作れば合わせることもできたはず…。※21mmゲージ
ご覧のようにD51とレ7000のディテール粒度には差があるものの、飾ると割と見栄えがします。貨車を何十両も作って長編成にした方もいらっしゃるのでしょうか。さすがにこのサイズの客車は発売されていませんでしたね。