Nゲージ蒸気機関車2009年のメモ>2009.11.21-セキ3000に石炭を積む

セキ3000に石炭を積む

そのうちやろう、やろうと思ったまま10年たってしまいました。使ったのはKATOのセキ3000です。新品のままでは常に空荷になってしまいます。

2009.11.21


私は石炭列車が集積する街で育ったので、9600がセキの長編成を石炭桟橋の上へ押していく光景は馴染みのものだったはずなのですが、あまりにも当たり前すぎて、細部についてはあまりよく覚えていません。

1日目(試作)

石炭の原形を作ってから、何かで型をとって量産しようかと思っていましたが、固まる時間や修正時間などを考えると一晩でたくさんできるものではなさそうです。セキも何十両も持っているわけではないので、型は取らずに少しずつ作ることにしました。

紙のフタを考える

実際に石炭を満載して固着すると重くなりすぎますし、使う石炭も増えて大変なので、一番上に紙のフタを作ってその上に石炭を薄く固着することにしました。

いくつも作るので、フタは単純な屋根型としました。まずは古名刺の裏に1枚だけ作図しました。屋根の高さは5mmとし、幅と長さは貨車に合わせました。

紙のフタ試作

内側には3箇所のリブがあるので、その部分を少し切り欠いてはめこんでみました。

石炭は、モーリンの「CL-01 石炭 N」を使いました。リアル・ラインのD51にも付属しているものです。
そのまま紙の屋根に撒いても滑り落ちてしまうので、それをどうするかが考えどころです。まずは、木工用ボンドを原液のまま屋根に塗って、その上にバラバラと撒いて指で押さえつけました。 しかし、なかなか難しいです。石炭が落下すると、なぜか残りの接着剤がすぐに乾いてしまいます。接着剤はかなり厚めに、たっぷり塗っておくのがコツのようです。

モーリンの石炭がなければ、よく売られているKATOやトミックスのバラスト(後者は撒きやすいが粒が粗い)、砂絵用の砂も使えます。積荷の種類にもよりますが、かなり細かく見えることもあるので、カラーパウダーでもいい場合があるかもしれません。

残りの石炭を撒く

ざっと接着できれば、残りの石炭を上から撒いても滑り落ちなくなるので、下地が見えない程度に石炭を撒きます。

次に木工用ボンドを少し水で薄め(牛乳より少し濃いぐらい?)、スポイトでまんべんなく滴下しました。高いところからボタボタ落とすと石炭が散ってしまうので、スポイトの先に少し水滴を作り、それを石炭に近づけて吸わせるような感じです。
余分な接着剤はティッシュペーパーで吸い取りますが、ある程度浸っていたほうが固着力が強くなります。このまま1晩乾かします。

試作完了

一応できました。モデルにした写真が、たまたま非常に大盛りだったため、結構オーバーな感じになってしまいましたが、空荷に比べればかなり生きている感じがします。少し屋根の地肌が見えているところがありますが、あとで黒で塗ればわからなくなります。
続きはこの試作ほど大盛りにせず、少し下げて作ることにしました。

2日目

もう少し作り足してみることにしました。

型紙

数が増えると、いちいち定規とコンパスでケガキしていては時間がかかるので、後日作る分も含め、一度にコンピューターで作図しておきました。プリンター用の厚紙(工作用)に印刷して終わりです。

変な考えだとは思うのですが、自分の趣味の工作にコンピューターを使うというのは、何かずるをしたような気がしてあまり好きではありませんでした。でも便利な道具です。また、コンピューターによって初めてできるようになった工作技法などもあるんですよね(私は、持ち合わせていませんけど…)。やっぱり時々は使ってみるのがトクみたいです。

屋根の組み立て

うっかり、左右3箇所のリブの切り欠きを作図するのを忘れてしまい、そこだけは結局貨車を当てて現物合わせで切り取りました。

内側には3箇所に三角形の控えを接着してありますが、役立っているのかどうかわかりません。

両面テープを使った一次撒き

最初の試作で、一層目の石炭を木工用ボンドで貼り付けるのが面倒だったため、今度は両面テープを使ってみました。 両面テープを屋根に貼ってから、石炭の上に擦りつけて指で押さえました。ただ、隙間だらけで、あまりくっついている手ごたえがありません。

木工用ボンドで固着

あとは上から石炭を撒き、木工用ボンド水溶液を垂らして固着します。

初回と違い、下地が木工用ボンドではないので呼び水にならず、スポイトで垂らした木工用ボンドが吸収されません。そのまま玉になってはじかれてしまいます。
そこで木工用ボンド水溶液の中に、1〜2滴の中性洗剤を垂らすとうまくいきます。このへんは線路にバラストを撒くのと同じ要領です。

完成(2) できました。しかし両面テープに直接くっついている第1層の石炭の固着力が弱く、指で擦っているとボロボロ取れてくることがあります。 木工用ボンドによる固着が不十分だったのかもしれませんが、この方法はやめ、木工用ボンド原液で第1層を接着する方法に戻すことにしました。

ケースに入れたところ

もうひとつ調べておくことがあります。石炭を積んだままケースに入るかどうか…。
初回生産品の、コキと共用のトレイでも、2回目以降の新トレイでもそのまま入ります。 初回のトレイは、ガタつき防止のために入っているスポンジの帯を外しておきます。外した帯はトレイの下に入れておけます。

3日目

屋根の一括組み立て

今度は一気に4倍の数を作りました。早く作るために、小さい切断や折り線のナイフのスジは、定規を使わずフリーハンドです。上から石炭を盛るので多少の曲がりは関係なくなります。

石炭撒き

石炭の1層目は木工用ボンドの原液に戻しました。屋根の上にどっぷり接着剤をのせ、ヘラで手早く伸ばしてから石炭の中にまぶしつけました。あとは上から石炭を撒いて、木工用ボンド水溶液を垂らして固着します。

なお、周りにはみ出して固着した石炭を取り除くのは結構面倒です。この石炭は石英のため固く(まあ砂みたいなもの)、カッターで削ろうとすると刃がすぐ傷みます。すでに切れなくなっているカッターの刃(Lサイズ)を使って、少しずつ取り除きました。

完成(3)

この方法でよしとしました。つや消し黒をまとめて吹き付けて、下地の白い部分を隠し、さらなる固着を兼ねました。だいぶ数が揃いました。

4日目

もういいです(笑)。

完成

9600とセキ3000

運転しても急に生き生きとした感じになって楽しいです(セキには道外禁止帯が付いていますが、この96は九州タイプ)。駅などでは空荷のものも用意しておくと感じが出ます。

石炭は超山盛りのままですが、一応カマの高さよりは低いので、トンネルを抜けたらすりきり一杯ということはなさそうです。

(2013.10.20補足) KATOよりセキ3000の石炭積載済みタイプが予定され、積荷の石炭パーツの別売も発表されました。これを使えばぐんと楽になります。


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