Nゲージ蒸気機関車2007年のメモ>2007.10.24(トミックスのポイントをユニトラックに)

トミックスのポイントをユニトラックに

改造ポイント

2007.10.24

私自身はトミックス・ユニトラックともにかなり適当に使っていますが、ユニトラックを使っている方に理由を尋ねると、広い道床・長い枕木・小さい犬釘・狭い複線間隔といった、外観的な好みという答えが多いと想像します。反面、「トミックスはいいなあ、あんなにたくさん種類があって」などと思われることはないでしょうか。


ポイントの改造

でも、そんな風に思っていないで、せっかくの豊富なトミックスのレールをユニトラックに改造してしまおうというものです。
ここでは、KATOにはない本線分岐型のポイント「N-PR280-30(F)」をユニトラックに無理やり接続しています。トミックスをお使いの方は「えっ?ユニトラックにはこれがないの?」と驚かれるかもしれませんが、ないんですよ!このポイントは、よく使われるR280の曲線半径のまま分岐するので、二重小判形のレイアウトを作るときなどにスペースを大幅に節約でき、大変便利です。
なお、逆にトミックスには、KATOでは当たり前の6番ポイントがありません。

トミックスとKATOの曲線

トミックスとKATOでは、線路の寸法規格が違い、曲線半径も違います。R280といっても、KATOはR282、トミックスはR280と微妙に違います。しかし、この程度ならメーカー言うところの「ユニトラックの持つ柔軟性」によって問題なくつなぐことができます。

直線側を切る

ここではKATOの4番ポイントに合わせて、直線側を124mmに切り詰めました。金のこぎりで切りましたが、レールは引っかかって切りにくいので、少し長めにニッパーで切って、つぶれた先端をヤスリで整えたほうが楽かもしれません。

曲線側は中心角30度で、KATOと同じですからそのままで結構です。

ジョイナーの加工

KATOとトミックスではジョイナーの向きが違います。どの線路でも接続できるように、一方はユニジョイナーがそのまま入るように道床を切り取りました。この加工にはタミヤの「カッターのこ」という小型のこぎりがあると大変便利ですが、金ノコやカッター、ヤスリでも加工はできます。また、トミックスのレールの底部はKATOのレールよりも少し幅が広いので、ヤスリで少し削らないとユニジョイナーが入りません。

もう一方(写真では下側)には金属ジョイナーを付けますが、トミックスのファイントラックのジョイナーはKATOのレールには付かないので、KATOの固定式線路用のジョイナーを使いました。

ジョイナー部の裏側

ひとつ注意点があります。ユニジョイナーをつけたまま接続できるように、道床の一部を切り取りましたが、裏側にはポイント機構の基板があるため一部を切り取りました。小型のポイントなどで切ってはいけない場合は、無理にユニジョイナーが入るようにしないで、相手側のレールにも固定式線路のジョイナーを付け、レール部分のみで接続するのがよいと思います。

他のジョイナーも加工

同様に他のジョイナー部も加工します。もともと付いているファイントラックのジョイナーは引き抜きますが、裏側の丸穴に出っ張っている突起を押して平らにしないと抜けません。道床から出ているガイドは切り取ります。

新たに取り付けたジョイナーは取れやすいので、ハンダ付けしてしまってもよいと思います(昔のステンレス製のレールでは、特別なフラックスを使わないとできません)。

高さを揃える

トミックスはKATOよりも道床が薄いので、そのままでは浮いてしまいます。厚さ1.0mmのプラ板を重ねればぴったりです。プラ板の道床幅はKATOと同じ25mmにします。
ユニジョイナーは底面いっぱいまでの厚さがあるので、この底板もユニジョイナーに当たる部分を切り取っておきます。

塗装

これで基本的な加工は終わりなので、色を塗ります。

ごま塩塗装

まず床板をグレーに塗ります。ここでは手っ取り早くGMのねずみ色1号を塗りました。

製品の道床の感じを出すために、不要な歯ブラシや固めの筆に少量の白を付け、ビンのふたの角でパッパッと引っ掛けて細かい白の粒子を散らします。始めは粒が大きいので、新聞紙などに飛ばして粒を小さくしておきます。難しそうに見えるかもしれませんが簡単です。ただ、意外に遠くまで飛んでしまうことがあるので、周りを汚さないように新聞紙などで十分カバーしてください。

ごま塩塗装の終わったところ

絵のお好きな方なら、他にも色々な方法を思いつくでしょう。中高生の方なら美術の先生に聞いてみてください。スプレーで白を遠くから瞬間的に吹くようにしても似たような効果は出せます。

乾いたら、加工の終わったポイントの下側に両面テープで貼り付けます。ちゃんと両側にバラストを盛って形を整えてもよいと思いますが、ポイントなので修理や可動性の確保のため、この程度にしておいたほうが便利かと思います。

枕木の塗装

トミックスの枕木は茶色ですが、ユニトラックに合わせて黒(つや消し〜半光沢)を塗っていきます。トミックスのファイントラックには、ユニトラックのような枕木の木目がありませんが、これを表現するには鉛筆で描き込むだけでOKです。写真は左側が本物のユニトラック、右側が鉛筆で木目を描いたものですが、そんなに違和感はないでしょう。

完成

完成

あとはユニトラックと接続し、適当に電気配線して遊ぶだけです。ユニトラックだけでは組めなかったレイアウトができるようになり、楽しいですよ。

こういう工作を最後まで終えるには、途中で「ん?始めから全部トミックスで組めばいいだろ」などと、疑問を持たないことが肝心です。
でも、このポイントに関して言えば、ユニトラックの純正でラインナップされていてもよいように思うのですが…。同じKATOのHOユニトラックでは、同じ用途のポイント(P490)がちゃんと用意されているんですけどね。
(おわり)


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