Nゲージ蒸気機関車2010年のメモ>2010.3.7(トミーナインスケールのレイアウト)

トミーナインスケールのレイアウト

2010.3.7

試みた方がいらっしゃると思いますが、何度か登場している「トミーナインスケール」のカタログの表紙を飾っているレイアウト(大ターミナル駅のあるレイアウト)を、現在のトミックスのレールで組んでみました。


「大ターミナル駅のあるレイアウト」

当時のカタログ(株式会社トミーホビー課編集・300円)より写真を引用させていただき、一部をご紹介します。

トミーNスケール カタログ表紙 大ターミナル駅のあるレイアウト全景
表紙を飾っているのがそのレイアウトです。当時のトミー製品でまとめられた明るい雰囲気のレイアウトです。
(※TOMY N SCALEカタログ1975より画像引用)
末尾の見開きに詳細が紹介されています。タイトルは「見事に完成した大ターミナル駅のあるレイアウト」となっています。 まだ日本型家屋がなく、国籍不明の不思議な世界です。
(※TOMY N SCALEカタログ1975より画像引用)
トミーNスケール カタログ表紙 表紙を飾っているのがそのレイアウトです。当時のトミー製品でまとめられた明るい雰囲気のレイアウトです。
(※TOMY N SCALEカタログ1975より画像引用)
大ターミナル駅のあるレイアウト全景 末尾の見開きに詳細が紹介されています。タイトルは「見事に完成した大ターミナル駅のあるレイアウト」となっています。 まだ日本型家屋がなく、国籍不明の不思議な世界です。
(※TOMY N SCALEカタログ1975より画像引用)
大ターミナル駅のあるレイアウト部品図 現在のトミックスとは違う旧規格のレールです。 本線用の曲線半径は8インチ(203mm)と9インチ(228.6mm)の2種で、ポイントの分岐半径は8インチと19インチ(482.6mm)が用意されていました。
(※TOMY N SCALEカタログ1975より画像引用)

かなり大きく見えるレイアウトですが、曲線半径が小さかったこともあり、畳1枚に余裕で納まるサイズです。
これで立体交差もありますし、駅で機回しもできます。
中央右側には池を囲む観光鉄道のイメージでしょうか、本線とはまったく独立した私鉄があり、それが右下のターミナル駅に乗り入れています。 楽しそうです。


トミックス(ファイントラック)での構成

これを現在のトミックスで同じくらいのスペース(畳1枚)に組むためには、色々と工夫がいります。

特に問題なのが曲線半径です。オリジナルは本線がR228.6mm、観光線がR203mmとなっています。 これは現在の通常系列最小のC243よりは小さく、ミニカーブレールのC177より大きいという寸法なので、適合する規格がありません。
よって、C280とC243を基本にしました。

大ターミナル駅のあるレイアウト ファイントラック版

敷設サイズ(道床・橋脚含む)は1,710mm×820mmで、畳1枚に納まります。
基本はオリジナルと同様に、2種の曲線と基本的な直線で構成するようにしました。 成り行きで適当に組んだので理屈どおりではありません。特に本線のグレーのところの形状は単なる気持ちなので、つながった結果の線形は少し違うと思いますが、あまり気にしないでください。 もし無理があれば、適当に寸法を調整していただければと思います。
手持ちのレールを優先したので、あまり意味のない寸法の部分もあります(S72.5の存在など)。

複雑に見えますが、本線は単純エンドレスをひねった8の字から起点と終点が2本出ているだけです。
本フィーダーは赤のS70の箇所ですが、その下の引込み線が無通電となるため、C280-15のところに補助フィーダーを付けました。セレクタースイッチボックスを使って手動で通電します。

中央上部のグレーの破線は、オリジナルのカタログの路線図にはありますが、作例写真にはありませんので付けませんでした。計画路線か、廃止線なのでしょう。

実際の敷設例

実際の敷設例(部分)

手持ちの高架線路がないので、勾配の部分はPC勾配橋脚に直接レールを取り付けました。
なお、中央上部のC280からもう1本斜め下に分岐させて、ターンテーブルを設けることも十分できると思います(オリジナルでは、その場所はお山となっています)。

運転の方法

一見リバース線があるように見えますが、配線的には単純なエンドレスなので運転も簡単です。しかし、なかなか興味深いです。

列車が駅を出発

この駅はターミナル駅なので路線の終端にあります。
まず、下の出発ホームの列車が左方向に出発し、本線に入ります。

本線を走行

列車は本線の8の字を回りながら運転を続けます。

図では省略しましたが、このほかに観光線もあるので、そちらで別の列車を運転することもできます。

駅に到着

最後にポイントを切り替えて本線を抜け出し、出発時とは別のホームに逆向きで到着します。

帰路も同様です。電車や気動車ならそのまま向きを変えて出発できますし、機関車の小編成ならここで機回しをして出発することもできます。

駅を本線とは別セクションにしておけば、本線を列車が走っている間に、別の列車の機回しなどを行なって、出発準備ができます。

Nゲージの大特長が「省スペースで誰にもレイアウトが持てる」こととされていた時代のレイアウトなので、今のようなフル編成の電車をガンガン走らせるという用途には向いていませんが、 多くの人に「Nゲージなら何とか自分にもレイアウトが持てそうだ」という希望を与えたのではないかと思います。

レイアウト技法的には上手な部分もあれば、大急ぎで作ったような部分もありますが、当時の製品群によくマッチしたカラフルで楽しそうなレイアウトです。 Nゲージの楽しさをアピールするのにとても役立ったような気がします。

それは続いて登場する「トミックス」の初期カタログでも、数々のレイアウトに受け継がれています。


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