Nゲージ蒸気機関車>2006年のメモ>2006.6.30

古い貨車の小加工2つ

昔からあるKATOのワム80000は、近年まで500円で買えたため大変重宝しました。
が、大きいKATOの蒸気機関車に合わせたのか、ごろんとした大きさなので、最近の機関車や新しい貨車と並べると、大きさが揃わなくなってしまいます(用途を考えればそんなに大きい問題ではないと思いますけど…)。
ワム80000は数年前にリニューアルされ、2両セットでブレーキテコがついた仕様となりましたが、古い単品がたくさん手元にあるので、それらを適当に切って高さを下げてみました。

安い貨車なので、加工もお金をかけずにその辺の材料で済ませてみると面白いと思います。

2006.6.30

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ボディを切り詰める

上廻りを外し、裾を1ミリ少々切り詰めるだけです。それでは裾のディテールがなくなってしまうじゃないの!そうですね。でもここでは高さを下げようとしているので、そのへんは気にしないのです。
蒸気機関車の加工と同じで、ただ切っただけですが、何両も加工することを考えて、なるべく高さを揃えやすい方法を考えたほうが便利です。

上下の分離 ワム80000の上下は、4箇所のツメで止まっているだけですから、簡単に分離できます。
従来品(品番8007)も、リニューアル品(品番8039)も同じですから、互いの床板を入れ替えることもできます。
ケガキ用ナイフの準備 一緒に引かせる貨車の高さなどを考慮して適当に切り詰める高さを決めます。私は10円玉にカッターの折れ刃を重ねた高さとしました。理由は単にそのへんにあったからです。
ケガキ 貨車を平らな場所に置いて、カッターの刃を水平に滑らせて裾をケガキます。手を切らないように、10円玉が浮かないようにして、数回スジを入れます。
木製スペーサ その前に、写真のような内側にぴったりはまる木片を作っておくとよいです。というのは、ナイフに力を入れると側板が内側にたわんでしまい、スジがまっすぐに入らないからです。
残りをカッターで切る しっかりスジがついたら、カッターで切り落とします。中央の扉が一段高くなっていますが、この前後でカッターがあらぬ方向に曲がりやすいので、力を加減しないと悲惨な傷跡を残します。とはいえ写真のようなLサイズのカッターなら、5〜6回も引けば切れてしまいます。
内側のリブを削る

内側4箇所のリブを、下げたい長さだけ削ります。やりにくいですが、床板をはめて様子を見ながら少しずつ削りました。削りすぎたら、少し上下を浮かせるようにして、両面テープなりゴム系接着剤なりで止めればよいので大丈夫です。

なお、逆に床板の側面を上から切り詰める方法もあります。

高さの確認 上下を組み合わせてみました。左の2両が未加工の現行品、右の2両が高さを下げた旧製品です。この高さでトミックスのワム80000とほぼ同じ(ほとんどスケール)ですが、他の貨車とのバランスもあるので、このあと若干浮かせました。

ブレーキてこを作る

プラ板にケガキ

長らく省略されていた側ブレーキです。現行製品ではついていますので、簡単なものを3種類の方法で作ってみることにしました。

まずはプラ板バージョンです。0.5mm厚プラ板に、鉛筆で適当にけがき、ナイフで切り抜きます。
目分量なので2つの形が違います。かっこ悪い…!

取り付け部の補強 取り付けは2箇所を床板に接着しますが、補強を兼ねた直角三角形のプラ小片を、タミヤセメントで貼り付けておきました。タミヤセメントはプラ同士を溶かして一体化させる接着剤なので、しっかり接着すればものすごく丈夫です。乾いたら床板にゴム系接着剤で取り付けました。
真鍮線で作る

次は真鍮線(早い話が針金)です。

これはハンダ付けしてあるわけでも何でもなく、一本の真鍮線(直径0.5mm)を、一筆書きのようにペンチで折り曲げただけの単純なものです。

野蛮なエッチング

最後に野蛮なエッチングです。

ラジオなどを作るときに使った、プリント基板のエッチング液の廃液が手元にあるので、廃液処理してしまう前に使ってみました。
厚さ0.2mmの真鍮板に、セロテープとICテープで適当にマスクを作ります。裏面は一面にセロテープを貼りました。

エッチング中

45℃に温めた塩化第二鉄(サンハヤトのプリント基板用エッチング液)にジャブ付けします。少し溶けてきたところですが、それにしてももう疲労が進んで真っ黒な液です(今回も、お金を使う工作ではないので)。

2FeCl3+Cu→2FeCl2+CuCl2…?ウソくさいです。私は1モルがどういう単位だったかすら覚えてないのです、現役の高校生の方笑ってください。

塗装前のブレーキ 手前から真鍮線、プラ板、野蛮エッチングです。少量作るだけならプラ板がよいように思います。野蛮なエッチングは論外(笑)。数が多ければエッチングは有利のはずですが、こんな方法ではマスクを作るのに時間がかかるので、効率が悪いです。

完成

これで良くなったのかどうかは別ですが、ブレーキてこを塗装して車体に取り付けた様子です。ステップも付けていないんですから、ブレーキ操作などできそうにありません。シルエットだけですね。

プラ板
プラ板

真鍮線
真鍮線

野蛮エッチング
野蛮エッチング

何もなし
何もなし

切り詰めていないもの
未加工の現行品(品番8039)

トミックス
トミックス

ワム90000と
ワム90000をサンドイッチしたところです。

9600で牽引
今回試作した4両を9600で牽引している様子です。

もともと十分遊べる貨車ですし、他社製品もあるので無理に改造する必要もないかもしれませんが、構造も単純ですからちょっとしたひま潰しにはなります。

今見ると素朴な模型に見えるかもしれませんが、初めて手にしたとき、揃ったプレス表現や微妙な茶色の塗装にちょっと感動したことを思い出しました。私はその前に紙で作ったことがあるのですが、うまくいかなかったからです。300円くらいだったトミーの貨車に比べれば値段は高かったですが、さすが市販品は違うなと思いました。でも、何しろ昔のことですからね…。

おまけ

野蛮エッチングで使ったICテープを使って、ついでにもう一つの安い貨車をいじっています。[次ページへ→]


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