第8回MM−1グランプリ






THE FINAL ROUND!!












X子:はいどうもー!
   決勝戦の司会を務めます「乙女の方程式」です!

Y美:いやぁ、今回もついにやってきましたねぇ。

X子:今を思えば平安時代、漫才の元となる「萬歳」が…

Y美:お姉ちゃん、それ前回と同じボケ!!
   そういう手抜き満載のボケはいいからルール説明をお願い!

X子:はい。決勝戦の流れですが、
   まず最初に決勝に進出した9組のネタを順にご覧いただきます。
   その後、9位から順に結果を発表していきます。

Y美:各組のネタの後には、それぞれ3名の審査員の方からコメントをいただきます。
   全員分の審査コメントは、最終結果発表後にまとめて紹介します。

X子:それではさっそく1組目の方にネタを披露していただきましょう。

Y美:トップバッターはこのコンビです、どうぞ!


エントリーNo.056

ボルケーノ
避難訓練
丘山: あーどうしよう。アイロンつけっぱなしで来ちゃったかもしれない。
    ということで俺、小学生にちゃんと避難訓練というものを教えたいから協力してくれない?

藤滝: アイロン消しに帰れよ!
    よく普通に続けられるな!?すげー心配だよ。

丘山: いや俺よくあることだから。これもう2年ぶり5回目くらい。

藤滝: 多いな!甲子園出場数かよ!学習しろよお前は!

丘山: とにかく俺のことはどうでもいいんだよ。
    そんなことより、学校が火事になった時子供たちがちゃんと逃げられるか心配なんだよ。

藤滝: …正直、そんなのお前が気にすることじゃないと思うけどな。

丘山: でも俺は心配なんだよ。
    1度でも子供たちが逃げ遅れるんじゃないかって考え出したらもうそのことばっか考えちゃって、
    ついアイロンもつけっぱなしになっちゃうんだよ。

藤滝: まず自分をなんとかしろよ!手元がおろそかになってんじゃねーか!

丘山: そこで小学生に火事の恐怖を知ってもらうために、
    リアリティが出る避難訓練を教えたいんだよ。だから一緒にやってくれない?

藤滝: …まぁとりあえず話してみてよ。拒否してもどーせ勝手にやり始めるだろうし。

丘山: 火事というのはこちらが嫌がってるのに勝手に始まるものだからな。

藤滝: うまくねぇよ。…で、リアリティが出るっていうのはどんな訓練を考えてんの?

丘山: それはね、まず、避難訓練の日を一切知らせず、普通に授業してたら突然「逃げろ」ってなるんだよ。

藤滝: あ〜、それはいいかもしれないね。

丘山: 「はい、じゃあこの問題分かるやつ手を挙げて。
     …誰もいないのか!?よーし、お前ら全員校庭に立ってろ。」

藤滝: どんな連れだし方だよ!突然そんなこと言われても子供ポカンとするだけだろ!
    そうじゃなくて、そういう場合まずはいつも通り授業を進めてるんだろ。

丘山: 「ここは約分して分母を6に揃えて…」

藤滝: そこに突然、火災を知らせるアナウンスが!

丘山: 『2XXX年、学校は核の炎に包まれた。』

藤滝: そんなんで始まるか!そこは給食室から火災が発生しましたとかそういうのだろ!

丘山: 『給食室から火災が発生しました。皆さんモグモグ落ち着いて校舎からモグモグ出て下さい。』

藤滝: 食ってんぞ!アナウンスの奴急いで給食室のもん食ってんぞ!
    で、火事だってわかったら、まず先生が言うんだよ。

丘山: みんな目をつぶって。やった人正直に手を挙げなさい。

藤滝: いきなり疑いから入るな!そんなことよりやるべきことがあるだろ!

丘山: 変な顔して薄目開けてる奴をあぶり出す。

藤滝: どんだけ犯人見つけてーんだよ!?そうじゃなくて子供たち逃がすんだろ!
    ハンカチで口を押さえて非常階段に向かってくださいって。

丘山: そう。みんな急いで逃げて、煙を吸わないでください。
    もし煙を吸ってしまうと、声が高くなってしまいますよ?

藤滝: もっと深刻な事態になるよ!それじゃむしろ吸いたくなっちゃうだろ!
    あと、急ぐのも大事だけど、避難の時に守らないといけない「お・か・し」ってあるだろ。

丘山: おとなしく・観念して・死を待つ。

藤滝: そんな絶望的なスローガンあるか!これから逃げるんだっつの。
    押さない・駆けない・喋らないだろ!

丘山: いや、でも俺のクラスでは確か「おかし」じゃなくて「おかしも」で、
    戻らないっていうのがあったような…。

藤滝: 確かにそういうのもあったりするね。それらを守って落ち着いて逃げるわけだ。

丘山: やっぱ俺のクラスは「おかしもち」で、近寄らないっていうのもあったような…。

藤滝: それもういいだろ別に。とにかく慎重に逃げるんだよ。

丘山: いや、やっぱり俺のクラスではJが出たらその回の間だけ3が最強で2が1番弱くなるっていう…。

藤滝: 大富豪の地方ルールの話なんかしてねーよ!
    つまりは、「我先に」じゃなく子供たちに順番を守らせて逃がすんだよ。

丘山: そう。慌てるとかえって遅れますよ。
    ほーら早く逃げないと、後ろから火の役をやってる田中先生もどんどん迫ってきてますよ。

藤滝: 何で火の役とかいんだよ!?
    リアリティ追求したのかしょぼくなったのか分からんぞ!?

丘山: タッチされた人は田中先生と交代で火の役をやってください。

藤滝: ただの校内鬼ごっこじゃねーか!小学生真剣身ゼロだよ絶対!
    火事は楽しいってインプットされるよ!

丘山: ちなみに田中先生にビームは効きません。全身バリアーしてます。

藤滝: 小学生向けの設定どうでもいいよ!遊びっぽさが増えたよ!

丘山: 一方そのころ校庭では
    「生徒がまだ中に!」
    「ダメです教頭!飛び込んではいけません!」

藤滝: どこにリアリティ追求してんだよ!?
    いらねーよそんな小芝居!そんなん見たら笑うよ小学生!

丘山: 「信じて待つんです!行っちゃだめです!…あっ!教頭!きょうとーう!!」

藤滝: 飛び込んだー!教頭飛び込んだ!訓練の何が彼をここまで駆り立てるんだ!?

丘山: さぁ、押したりしないでね。非常階段は危ないですよ。
    タバコ吸ってるヤンキーいますけど目合わせないでね。

藤滝: しれっと嫌な情報出た!っていうかこの状況はヤンキーも気まずいだろ!なんで小学校にいんだよ!?

丘山: タバコの煙は吸わないでくださいね。声が高くなります。

藤滝: ならねーよだから!お前にとって煙=ヘリウムか全部!

丘山: さぁ、そうこうしているうちに、
    校庭に出てきたクラスが次々と、演説したくてウズウズしてる校長の前に整列していく。

藤滝: ウズウズとか言わなくていいんだよ!
    …それで、みんなが揃ったらちゃんと全員いるか人数確認しないと。

丘山: せんせー。教頭先生がいません。

藤滝: 飛び込んだままじゃねーか!どんだけ小芝居に入り込んでんだよ!

丘山: 20分後、全員無事と分かった教頭がアフロになって戻ってきた。

藤滝: なんで頭焼けてんだよ!?訓練でどこ燃えてたんだ!?

丘山: 揃ったら校長の挨拶
    「えー、全員が揃うまで23分もかかりました。」

藤滝: 教頭のせいだよ!大半教頭のせいだよ!

丘山: 「1番早かった3年1組を見習いなさい。
     彼らはアナウンスが流れる前にはもう全員校庭に居て、余裕でドッヂボールまでやってましたよ。」

藤滝: 体育やってただろ!?全クラスのスタート揃えとけ!

丘山: で、最後に消防署の人に、消火器の使い方の実演をしてもらうわけよ。
    「皆さんこちらを見て下さい。ここで燃えている火を実際にこの消火器で消したいと思います。」

藤滝: あぁ。確かにそういうのやるよね。

丘山: 修行僧の方が歩き終わったら撒き始めます。

藤滝: なんで修行僧いんだよ!?裸足で火の上歩くやつだろ!?もっとふさわしい場所行け!

丘山: 「では実演します。安全ピンを抜いて、ホースの先端を持って、レバーを強く握って…。
     あ、間違えた。これ火炎放射器だ。」

藤滝: なんちゅうもんと間違えてんだよ!うっかり大惨事だろ!なんで持ってる!?

丘山: レバーを強く握り、火の根元を狙って、プシュウゥゥゥゥゥ!

藤滝: おぉ〜っ!

丘山: ではみんな、実演してくれた消防士さんに拍手。
    粉まみれの田中先生にも拍手。

藤滝: 火の役やらせてんじゃねー!ホンモノ焚いとけよ校庭なんだから!

丘山: 粉の上からでも修行僧に踏まれた跡が痛々しいですが。

藤滝: 何がしたかったんだよ修行僧!?ただ人踏んだだけじゃねーか!?

丘山: こうして訓練が終わったら、最後に放送室に行って、
    勝手に給食室のもん食った奴をボコボコにして終わり。

藤滝: 予定に組み込むな!確かに訓練に乗じて食ってたけど!?
    …っていうか全体的になんなんだよコレ!?

丘山: え?何が?

藤滝: お前が小学生にちゃんとした避難訓練を教えたいって言うからつきあったのに、
    全然まともな訓練できてねーじゃねーか!

丘山: え?だって今日は、俺がお前からの非難に耐える非難訓練だから。

藤滝: そういうことかい!もういいよ。


X子:ありがとうございました。
   第6回MM−1に引き続き、決勝のトップバッターを務めていただきました。

Y美:では今回も、さっそく審査員の方々からのコメントをいただきたいと思います。
   まず、今回初めて審査員を務めていただいたJack of Frostさん、いかがでしょうか?

 
・唐突な入りから始まりつつ、いい感じで話の中身に入りこめた気がします。
 ただあえて言うなら、最初のアイロンがそこまで中身に関係なかったのが気になりましたかね…。
 せっかく「アイロンつけっぱなし=火事」という関係があるのでうまく結び付けられればなお良かったのかなーと思いました。

 肝心の本題も良い感じの掛け合いで進んでいった感じです。ちょっとだけ気になったのが、
 【藤滝: ならねーよだから!お前にとって煙=ヘリウムか全部!】
 のような倒置法のツッコミが若干多かったという点ですかね。
 言葉で聞けば自然なんだと思いますけど、文章で見るとちょっとだけ違和感がありました。

 オチ間際になって、消火訓練の話は蛇足かなーと思っていたら、火の役をした田中先生のまさかの2回目。この天丼は完璧にしてやられました!


X子:なるほど。
   いきなり「完璧にしてやられた」との発言が飛び出しましたね。

Y美:続きまして、3回連続で予選から審査員を務めているスリーオールさんはいかがでしょう?

 
・「みんな目をつぶって」「お・か・し」など飄々と大きいボケが潜んでいるのが正統派らしくて良かったです。
 途中途中でぽつぽつと微妙なボケもあったのですが、全体的に見れば充実したボケが多かったと思います。


X子:そうね、正統派ながらもしっかりと笑いどころを作ってた印象よね。

Y美:では最後、予選審査員に着任して以降、初めて決勝でも審査を務めます夏草さん、いかがでしょうか?

 
・久々に画が想像できる漫才らしい漫才に出会えて満足。


X子:おお!あの厳しい審査でおなじみの夏草さんがこのコメントですよ。
   これは高得点が期待できるかもしれません。

Y美:さて、どんどん参りましょう。

X子:続いて、2組目はこの方たちです!



エントリーNo.060

生姜焼きが大好きなユウスケ
ユウ君DIARY〜ユウ君がいる限り悪は栄えない!〜
ユウスケ:菌は菌でもサルモネラな菌はな〜んだ!

パパ  :サルモネラ菌

ユウスケ:正解!さすが思考のねじまがった大人はこういうのに強いね!

パパ  :いくらねじ曲がってても、答えまでは一直線だったよ
     というわけで、どうも、今僕の隣にいるちっこい子供が生姜焼きが大好きなユウスケ君です
     僕は、この子のパパです

ユウスケ:じゃあ第二問パパイヤ鈴木はパパイヤ鈴木でも…

パパ  :いったん止めようかユウ君
     問題の前提が自由すぎるよ
     そこからどう続けて行くんだい

ユウスケ:パパイヤ鈴木はパパイヤ鈴木でも鉄を連金したパパイヤ鈴木ってな〜んだ!

パパ  :え〜っと自由なのは前提だけじゃなかったのね
     で、ちなみに答えは?

ユウスケ:パパイヤ鉄木!!

パパ  :うん、理解の範疇はとうに超えちゃったね

ユウスケ:あ、パパイヤ鈴木と言えば夜這いって怖いと思うんだ!

パパ  :後でしっかりパパイヤ鈴木さんに謝ろうね
     え〜っと夜這いって言うか、夜の暗い道の事かな?言葉は選んで発しようね
     確かに悪い人とか出てくるもんね、だからユウ君も簡単に悪い人についていっちゃだめだよ

ユウスケ:尻軽ユウ君じゃないからね!ホイホイ騙されてついて行ったりはしないよ

パパ  :言葉を選んでの意味は全く伝わってないみたいだね
     じゃあ例えば、暗い夜道で怖い人に「アメあげるからおじさんについてきて」っていわれたらどうする?

ユウスケ:危ない事や悪い事をしないという書類に指紋を貰う

パパ  :…強力な物的証拠だね〜
     そっか、そこまでしなくていいからちゃんと断わってね、ほらどうやって言うの?

ユウスケ:まだ会ったばかりですので、今日は食事まで!

パパ  :あぁ〜、アメが無理で食事はOKの判断はどうしちゃったのって感じだね
     そうじゃないでしょ?結構です!って断るんだよ、分かった?

ユウスケ:うん、5割は!

パパ  :逆にどこが伝わったのか気になるくらいだね
     じゃあ覚えた事言ってみて

ユウスケ:けっこ!

パパ  :あ、ジャスト5割だったんだね驚いたよ
     逆に悪い人もびっくりするからそれはそれでありなのかな
     でも悪い人の中には力づくで連れて行こうとする人も居るからそういう時はどうしたらいいか分かる?

ユウスケ:背負い投げ!

パパ  :おぉ〜!出来るもんならやってみろ〜!
     ユウ君、相手は大人なんだから8歳の子供が背負い投げ出来るほど軽くないんだよ

ユウスケ:じゃあ、ドラゴンスクリューかDDT!

パパ  :背負い投げ無理だって言ってるのに良くそれが行けると思ったね
     んで、また技のチョイスもどうなのよ
     やっぱり体格差あるから立ち向かうのは無理があるかな〜

ユウスケ:ちっ…自分の力不足をここまで痛感するとは…
     ヘンリー老子の所へ行って修行をしなきゃ

パパ  :ユウ君、そんな少年漫画みたいな展開はユウ君の人生にはおそらく訪れてこないと思うよ
     だいたい誰なんだいヘンリー老子って

ユウスケ:筋骨隆々の画家だよ!

パパ  :体格を綺麗に持て余してるねその人は、というかユウ君は画家から何を学びとろうと思ったんだい

ユウスケ:DDT!

パパ  :あぁ〜、ヘンリー老子ワイルドだね
     いや、そうじゃないんだよユウ君
     悪い人に力づくで連れてかれそうになったら、大きな声で叫ぶ!で、近くの大人を呼ぶんだよ

ユウスケ:なるへそ〜

パパ  :ユウ君って本当に8歳だよね?

ユウスケ:あなたがそうであると言うのであればそうなんだろうな

パパ  :あれ、なんとなく距離感が出来てるなユウ君
     まぁいいか、じゃあ試しに大声で叫んでみようか

ユウスケ:貴乃花〜〜!!!!!!!もしくは若花田〜〜!!

パパ  :…まぁ強い事に変わりは無いんだろうけどさ、近くに貴乃花か若花田が居る確率は
     それはもう天文学的な確率だと思うよ
     そこは特定とかしないで、不特定多数の人々に呼びかければいいんだよ

ユウスケ:貴乃花部屋の力士〜〜!!

パパ  :うん、不特定の範囲もっと広げて行こうか
     結構近い所でちょっとだけ広げてもほとんど変わりはないからね

ユウスケ:相撲業界全般の人〜!!

パパ  :一歩ずつ着実に広がってるのはいいんだけどさ、相撲の枠から飛び出ようよ

ユウスケ:生命〜〜!!!!

パパ  :…飛び出た〜!
     ただ、生命〜〜!!!!で大人が来るか微妙な所だから
     だれか〜!!って叫ぼうね。分かった?

ユウスケ:1割は分かった!

パパ  :ん〜上の空だったのかな?
     っていうか逆に1割って何を覚えたのさ言ってみて?

ユウスケ:ドゥッ

パパ  :あ、「D」の発音だけね。納得したけどそこだけ分割して覚える方がよっぽど難しいと思うよ
     でも、ドゥッじゃあ、悪い人は逃げて行かないと思うから、ちゃんとだれか〜って、ほら言ってみて?

ユウスケ:誰か〜!!!パパイヤ鉄木に連れてかれる〜〜〜!!!

パパ  :あぁ、また出てきちゃったパパイヤ鉄木
     まぁ大人の耳に留まるとは思うけどさ、冗談だと思われて終わっちゃうからね

ユウスケ:実の父親に連れてかれる〜!!ぎゃーーー!!!

パパ  :あ、それ絶対家の近くで言っちゃだめだよ。パパ近所で信頼薄いんだから
     ユウ君、そんな事じゃ悪い人に危ない事されちゃうよ?

ユウスケ:現在進行形でされてるから大丈夫!

パパ  :……真面目に生きよう
     ユウ君、今みたいな対応だとビックリこそされると思うけど
     最終的には捕まっちゃうだろうからさ、ちゃんと…

ユウスケ:助けてー!!!誰かーー!!

パパ  :うん、それを待ってはいたんだけどさ。今言われちゃうとパパが変質者みたい…

ユウスケ:みたい?

パパ  :……ごめん
     ってなんで実の息子に謝ってるんだー!!
     ユウ君!今のうちはあんまり夜に外出を許してないからいいけど、例えばユウ君が中学生くらいになって
     弱反抗期になって夜外出したとしたらそれこそ悪いお兄さんだったりするかもしれないんだよ

ユウスケ:大丈夫!ユウ君タフマンだから

パパ  :時々時代を感じてしまうのは何故?8歳の我が子に時代を感じてしまうのは何故?
     じゃあ今からパパが悪いお兄さんやるからユウ君対応してみてよ

ユウスケ:年考えろ化けもん!!

パパ  :あれ〜?もう反抗期来ちゃってたのかな、それとも情緒不安定?
     とにかくやってみるよ
     おい!おまえ、金出せよ!

ユウスケ:じゃあ手続き済ませろよ!

パパ  :…わーお、さっきの書類申請の事かな?
     恐らく申請はしてくれないと思うから上手に受け流さないと
     …おい!お前金出せよ!

ユウスケ:持ってない!102円しかもってない!うちの父さんに頼んだって無駄だぞ!
     なぜなら父さんも金持ってないからな!辛いんだぞ!

パパ  :…気持ちの代弁ありがとー!!
     っだけど!それ言ってもしかたな……いや、案外ありかも知れないけどさ!
     「お前も色々大変なんだな…」ってなりそうだけどさ!

ユウスケ:理由分かるか!酒に消えるんだよ!

パパ  :あぁ〜同情の余地消えた

ユウスケ:最近は肝臓の為とはいってるけど、それこそお金が無いから…

パパ  :うん、リアルな話し続々だからその辺でやめとこうね
     パパだって自分への言い訳で必死なんだから

ユウスケ:でもパパ、もしくはパパテノン神殿

パパ  :パパで頼むよ。後者は何者なのよ

ユウスケ:男に生まれたからには戦わないと!

パパ  :良く言った!
     じゃあ何か習い事でもしておくかい?

ユウスケ:うん!ヘンリー老子に絵を習いに行く!

パパ  :…せめて、DDT習え〜
     そりゃ本職画家だからそうなるのかもしれないけどね、絵を習ってどう戦うのさ

ユウスケ:まず、絵を描くでしょ〜?それを売って金を稼ぐでしょ〜?で、そしたら内閣総理大臣になるでしょ〜?
     ほら!これなら負けない!

パパ  :あれ、緩やかに見える流れに一つ大きな段差が有るよユウ君
     金稼ぐ→内閣総理大臣ってそうとは限らないよ
     あと、勝つ手段が何日かまたいだ後の「権力」ってどうなのよ

ユウスケ:でさ、ヘンリー老子

パパ  :え、パパがヘンリー老子だったの!?初耳!
     パパの本職は画家でもないし、DDTも使えないよ!
     ユウ君はパパをなんだと思ってるんだい?

ユウスケ:変態!

パパ  :非常に分かりやすい結論が出たね
     実の息子に尊敬されるように頑張ろう


X子:はい、ありがとうございました。
   いやぁ、最初からなかなかの漫才が見られたのではないでしょうか。

Y美:では、審査員の方々からのコメントを頂戴いたしましょう。
   まず、久々にMM−1の審査員として復帰いたしました槍沢 雑さん、いかがでしょうか?

 
・「書類に指紋」「5割だけわかった」「相撲関係の畳掛け」などのユウスケの自由奔放でクールなボケもパパの諭すようなツッコミもことごとく外さない。
 ただでさえ切れ味鋭いフレーズばかりなのに、そこに「親子」が乗っかるからより破壊力を増していますね。
 二人の関係がネタに生かされていてすごく面白かったです。

 ただ、だからこそ、後半のパパいじりになってからパワーダウンしたところが本当にもったいないです。
 この一本だけでも二人の関係が伝わるぐらい二人のキャラクターが確立しているから、
 そこを生かすのは当然かもしれないですが、話が小さくなって、どうしてもネタへの興味が薄れてしまいました。

 終盤、コントに入ってからはパパいじりと本題が上手く絡んでいて持ち直したので、
 いじりの導入部でも本題とのリンクがもっと強ければなと思いました。


X子:なるほど。すごく良い所があるだけに、欠点が勿体無い、といったところでしょうか。

Y美:続いて、前回に引き続き決勝審査員を務めていただきますqqqさんはいかがでしょう?

 
・どことなくキンコメ+南キャン的なテイストを彷彿させられ、導入の仕方が挨拶ではなく謎かけから始まってみたり
 ただのボケツッコミだけで無く後半では主従関係を逆転させる事で笑わせたりと、
 色々と変則的な要素が垣間見れて好印象でした。ただ個人的な苦言を申すならば、
 練られたツッコミであるが故に、時々若干のくどさを感じてしまう時がありました。


X子:そうね、いろいろとクセのあるコンビ・漫才だったわね。

Y美:では最後。今回初めてMM−1の審査員となったFANさん、いかがでしょうか?

 
・ここも、単語選びのセンスがすばらしい。また、ユウ君のキャラ付けもね、見事ですな……
 ツボを有無を言わさずくすぐってくる感じで、おもしろかったです。


X子:おお…「見事」との言葉が出ましたよ。
   これまた期待できそうなコメントが来ましたね。


Y美:それでは、次に参りたいと思います。

X子:はい、3組目はこの方たちです!



エントリーNo.014

クラマエカナエ
ランキングジャンキー
倉前エイジ:はいどーも!クラマエカナエです!よろしくお願いします!

金江仁志:MM−1グランプリ初挑戦という事でね、気合入れて頑張りましょう。名前だけでも覚えて帰ってもらわないとね。

倉前:いやー、今日のクラマエは気合が入ってるよ!さっき昼ご飯に回転寿司で60皿も食べてきたからね!うっかり取りすぎちゃったお寿司はポケットの中に詰めちゃったけどね!

金江:気合の入れ方がいじきたねえよ。詰めたのは後でおいしくいただいとけよ。

倉前:あっ、そんなことよりねえカナエカナエ聞いて聞いて!最近クラマエすっごい嬉しい事があったの!

金江:おお、どうしたいきなり。何があったんだ?

倉前:この前クラマエはね、とあるランキングで2位を取ったんだよ!

金江:へー、2位か。なかなかやるな。何のランキングで取ったんだ?

倉前:「倉前エイジランキング」でだよ!

金江:なんだその奇怪なランキングは!何の順位を競うんだよ!

倉前:そりゃあ倉前エイジランキングって言うんだから、倉前エイジらしさを順位付けしたランキングに決まってるじゃん!

金江:・・・その倉前エイジらしさってのはなんだ?

倉前:それはクラマエも具体的には分からないけど、たぶん倉前エイジっぽい雰囲気を出してるかどうかってことじゃないかな?

金江:・・・なあさ、色々と言いたいことがあるが・・・。

倉前:ん?なによ?

金江:とりあえず・・・そのシステムだと、お前が1位取らなきゃおかしくないか?

倉前:1位って!・・・カナエったら考え甘すぎだよ!

金江:甘いもなにもねえだろ!倉前エイジのランキングで倉前エイジが1位取らなくてどうするんだよ!本家本元オリジナルだぞお前は!

倉前:カナエ、何でも1位を取るのは、才能だけじゃなくて、底知れない努力が必要なんだよ・・・。

金江:「倉前エイジである」って要素だけでもう完全勝利だろ!じゃあなんだ、1位は誰なんだよ、誰に負けてるんだよ!

倉前:1位は海苔だよ!

金江:まさかの人外だと!お前海苔に自分らしさで負けてるのかよ!

倉前:だって!海苔の倉前オーラが凄いんだもん!あれはもうどっからどう見ても倉前エイジにしか見えないんだよ!もう本物と言って良いんじゃ・・・。

金江:海草と己を見間違えるんじゃねえ!もっと自分に自信を持て!

倉前:そんなこと言ったって、カナエだってたまに海苔に向かって話しかけてるじゃないか!

金江:・・・マジかよ!?えっ、じゃあ、もしかして昨日コンビニで俺がどんなに注意しても米の上に寝転がってたお前って・・・。

倉前:・・・カナエはずっと海苔弁に向かって会話してたんだよ!

金江:ぬぉわなんて気持ち悪い客っ!なんでだよ昨日の俺はそんな極限状態だったのかよ!

倉前:いや、カナエは悪くないよ。そのくらい海苔の倉前エイジらしさが完璧だったってことさ・・・。

   だからクラマエは、せめてもの2位にランクインする事ができて、とっても嬉しいんだ!

金江:ああなんだろう、牛丼屋で「人気メニューをください」と頼んだらカレーが出てきた時のようなこの気持ちは・・・何かが理不尽すぎる!

倉前:ふふ、だけどね、クラマエも海苔に完全に負けを認めた訳じゃないんだよ!

金江:おおよかったその辺はまだ常識持ってた!

倉前:倉前らしさでは負けていても、別の方向から海苔に勝ってやろうと色々努力をしたんだよ!

金江:おお、おおやったれ!人間らしさを見せつけてやれ!

倉前:その結果、「海苔ランキング」ではクラマエがぶっちぎりで一位を獲得したんだよ!

金江:努力の方向性!なんでお前らそんなアウェイに強いんだよ!

倉前:それだけじゃないさ!個別に分けられた「アサクサ海苔ランキング」でも「韓国海苔ランキング」でも「海苔のつくだ煮ランキング」でもクラマエは一位を独占したんだよ!

金江:・・・お前って本当は海苔なんじゃねえの。

倉前:うん、そうかも、水に漬かると体がフニャフニャになるよ。

金江:そんな体になってまで海草ごときに勝ちたかったのかよ・・・てか最近どこに行っても磯臭くてたまらないのはお前のせいかよ・・・。

倉前:なんてったってカナエですらクラマエを海苔と見間違えるくらい完璧な海苔らしさだからね!ちなみにこの前カナエが喫茶店でモシャモシャほお張ってたの、あれクラマエの髪だよ!

金江:言えよおぉっっ!!傍から見ればすげえ気持ち悪い二人組みじゃねえかっ!!俺も喫茶店になぜ海苔が置いてあるのか深く考えなかったけど・・・それでも頭を齧られてるんだからなんか抵抗しろやあっ!!

倉前:ねえ、カナエ・・・食ると暴れだす海苔なんて、あると思うの?

金江:うるせえ何ちょっと悟らせようとしてんだよ!

   てか、そもそも、そもそもだ!そのヘンテコなランキングは一体どこの、誰が集計して出した結果なんだよ!!

倉前:実はね、そういう何でもランキング付けをするサイトがあるんだよ!(i-Phoneを取り出し操作する)で、このランキング結果ってのは一人が勝手に作ってるんじゃなくて、

   このサイトを見た人達が「これにはこれが一番だろ!」って投票して出した結果なんだ!ほら、こんな感じ!(サイトを金江に見せる)

金江:うわあ・・・色んな数字が動き回ってて目がチカチカする・・・まるで株価だぜ。

倉前:何万もあるランキングがリアルタイムで変動しているからね。あっ、ほらカナエ!「金江仁志ランキング」もあるよ!

金江:もうなんでもアリだなそのサイト。

倉前:凄い!カナエ金江仁志ランキングで現在第一位だよ!凄いね、やるじゃん!

金江:いやそれが普通だからな!絶対に負けちゃいけない分野だぞそこは!

倉前:ああでも・・・!凄く僅差で二位にお米が並んでるよ!

金江:なんで穀類に追い詰められてるんだよ俺は!!誰だよ米に投票したヤツは!

倉前:ええと、お米に投票した人のコメントを見ると・・・。

   「どっからどう見ても金江仁志である、むしろなんでコイツが今まで金江仁志じゃなかったのかが疑問でしかたない。
                                                    金江母」
金江:オフクロおおお!!!アンタ米を自分の息子以上に考えるってどんな心情の変化があったんだよっ!!

   あっ!もしかして最近米袋かついで街に出かけてるのってこれが原因か!!

倉前:「米は重くても8キロ程、対する金江仁志は54キロ程。かついだ場合にどちらが楽なのかは明白である
                                              金江母」
金江:目覚ませオフクロっ!!俺は二足歩行できるけど米は自立すらできないんだぞ!老後の面倒見てやんねえぞチクショーッ!!

   てかそもそも何で俺が米に負けなきゃなんねえんだよ!こんなランキング信じられるかぁ!!

倉前:いや、信用性はあるから気を付けたほうが良いよこのサイトのランキングは。例えば「シシャモランキング」だとシシャモを追い抜いてカラフトシシャモが一位だし。

金江:確かにシシャモって言われたら細長い方を想像するな!

倉前:「織田信成ランキング」では、なぜか織田信長の順位がメッチャ低いし。

金江:そいつはそいつで別の伝説作ってるからな!もう祖先の面影が見えねえよ・・・。

倉前:「日本の総理大臣ランキング」にいたっては・・・もうみんな棒一直線状態だし!

金江:抹殺されるぞそのランキング!

   け、けどな!少しは信用性あると分かっても俺は断じて米に負けねえからな!田んぼから生まれたヤツなんて金江仁志じゃねえからな!

倉前:大丈夫だって、少なくとも今はカナエが一位なんだし・・・ってボエッ!?

金江:ど、どうした?すげえ間抜けな声出したぞ今!

倉前:く・・・倉前エイジランキングで、クラマエが5位に転落してるよっ!!アサクサ海苔と、韓国海苔と、海苔のつくだ煮が票を伸ばしまくってるよ!

金江:海苔一派の逆襲が始まった!てかそいつ等も努力の方向性を間違っていやがる!

倉前:こ、こうしちゃいられない・・・!今すぐ倉前力を高めないと!

金江:なんだその倉前力ってのは!女子力みたいに言うんじゃねえ!

倉前:「こうすれば倉前エイジっぽくなる」って投票者の皆さんがアドバイスしてくれるんだよ!えっと、さっそく調べなきゃ・・・。

金江:何様だよその投票者は!てかどうすれば倉前エイジっぽくなれるかなんてことを倉前エイジが聞くんじゃねえ!!

倉前:ふむふむ・・・「金髪アフロにすれば倉前力が50は上がる」か、なるほどね・・・。

金江:お前金髪アフロじゃねえだろ!倉前エイジは金髪アフロじゃねえだろ!

倉前:おお、「車を持ち上げるくらい筋肉ムキムキになればもう完璧な倉前エイジである」そうなんだ・・・!

金江:そうなんだじゃねえよ!お前筋肉ムキムキじゃねえだろ!車持ち上げた事とかねえだろ!

倉前:「純粋なインド人は生まれつき倉前力が高い」ああ、確かに!

金江:何が確かにだ!お前沖縄生まれ沖縄育ちだろうが!インド人だった覚えがあるのか!てかさっきからメチャクチャじゃねえかそのアドバイス!

倉前:ああもうこうしちゃいられない!漫才やってる場合じゃないよ!(舞台袖にはけようとする)

金江:おいまてお前!どこに行くつもりだ!

倉前:筋肉ムキムキになるためにスポーツセンターで機材を買いに行くんだよ!あっ、その前に美容院行ってアフロにしてもらわないと・・・そんなことよりインド人と入籍しないとっ!!

金江:落ち着け落ち着け!何勝手にパニックになってるんだよ!!まだ漫才終わってねえんだぞ!

倉前:ああでもまずは倉前エイジっぽい服装を買いに行かないと・・・そうだ、食事も生活習慣も倉前エイジっぽくしないと・・・

   ・・・もう、そもそも倉前エイジらしさってなんなんだよっ!!でもランキングで抜かされたくないよ・・・海苔に負けたくないよ・・・一位取りたいよぉっ!!

金江:クッソ馬鹿野郎っ!!!(頬を殴る)

倉前:クラブァ!!な、なに・・・カナエ・・・?

金江:・・・何がランキングだ!そんな他人が決めたものをいちいち気にしてるんじゃねえ!!お前がただ、お前の好きなように生きて、何が悪いって言うんだよっ!!

倉前:カ・・・・・・カナエ・・・!

金江:ヘッ、ガラでもなく熱い事語っちまったな・・・。

倉前:・・・・・・今ので金江仁志ランキングのカナエの順位が三十五位に転落したよ。

金江:チクショオオオオオ!!!!最早別人じゃねえかああっ!!

倉前:そしてお米が堂々の一位に君臨したよ!

金江:クソオオオオ!!何だよ世間から見れば俺より米の方が俺らしく見えんのかよ!!じゃあなんだ、今舞台に海苔と米が置いてある方がクラマエカナエっぽく見えるってのかよっ!!

倉前:海苔とお米・・・あっ!(ポケットを探る)

金江:どうした!?

倉前:・・・・・・・・・(海苔巻きを取り出し、舞台の真ん中に置く)。

金江:・・・・・・・・・!!

倉前:・・・・・・・よ、よし!美容院行ってくる!!(舞台袖に走る)

金江:待てゴラァ!!身代わり置いて逃げるんじゃねえ!!(それを追いかける)

倉前:あ、カナエ!「空を自由に飛びまわる事ができれば金江力が120アップ」だって!

金江:出来るかあああああ!!!



(二人退場)






海苔巻き:(倒れる)


X子:ありがとうございました。
   こちらも初出場ながら、なかなか見ごたえのある漫才でしたね。

Y美:ではまず、FANさん、いかがでしょうか?

 
・パワーのあるネタですねえ。この設定からの広げ方、ボケ方、見事です。
 殴ってからの展開が違う方向に行ってしまってる気はしますが、これは決勝に残るべきネタだと。


X子:なるほど。……残りましたね!

Y美:…ええ、そうね。
   続きまして、夏草さん、いかがでしょう?

 
・ボケをゼロから創りあげるネタ、それゆえボケも構成も上手いし面白い。
 ただツッコミが空回ってる印象、もう少し単純な語彙選びがあってると思います。


X子:なるほど。まぁ、いろいろ凝られていたネタではあったわね。

Y美:では最後、槍沢 雑さん、いかがでしょうか?

 
・ただとんがったセンスのみで勝負するのではなく、構成もしっかりしているところはさすがですね。
 意味のないツカミだと思ったい寿司がオチ前に回収された時には唸りました。


 このネタに関しては、ナンセンスなやり取りと展開にはまれるかどうかという好みの問題になると思うので、純粋に笑った量をそのまま点数化しました。
 今後もセンスと構成両方とも優れたネタを期待しています。


X子:なるほど…この「笑った量」というのが多いのか少ないのか、気になるところね。


Y美:どんどん参りましょう、4組目はこの方たちです!



エントリーNo.018

くるぶしソックス
能収大激怒
ろぺす:はいどうも、くるぶしソックスです。

おまりー:・・・・

ろぺす:まあ頑張りたいなあって言ってるんですけど

おまりー:・・・たい。

ろぺす:え?今なんて?

おまりー:・・・したい。

ろぺす:いやだからなんて?



おまりー:優勝したい。




ろぺす:



おまりー:という訳で優勝について本気出して考えてみました。


ろぺす:


おまりー:この企画ではやはり一つのライン、そう決勝進出というラインが非常に重要になってきます。
     なぜか。その理由はこの企画の審査システムにあります。
     決勝にて審査員数が増える。つまりはそう、決勝に進出すればそこから逆転も可能だということ。
     裏を返せば決勝に駒を進めない限りは優勝はありえないということです。


ろぺす:言っとくけどお前今アホほど当たり前の事を4行使って言ってるよ


おまりー:私は考えました。どうすれば決勝に進出できるか。
     そして気が付きました。全体に付けた平均に対する決勝進出者につけた平均点が最も高い審査員を狙えば、
     勝利する確率は飛躍的に上昇するということを!


ろぺす:あっこいつめんどくせえ



おまりー:つまりはそう、夏草さんを狙い撃ちすれば!決勝進出への可能性は飛躍的に上昇する!!


ろぺす:お前普通に漫才楽しむ気無いの



おまりー:ここで前回夏草さんが高得点を付けた組をザッピング致しましたので御覧ください。

     whitewhite
     生涯探求
     天然亭一門


ろぺす:ゲテモノばっかじゃねえか


おまりー:(敬称略です。)


ろぺす:俺お前のそういう細かい配慮するとこ嫌いじゃないよ


おまりー:そして、私はこの三組から4つの傾向を導き出しました!


ろぺす:えマジでそれは気になる


おまりー: 1!!ちんぽを出す!!
      2!!固有名詞を出す!!
      3!!感嘆符を使わない!!
      4!!空を飛ぶ!!



ろぺす:あぁ俺等のMM-1終わった


おまりー:という事で!もっかい漫才します!!お楽しみに!!


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(月に向かって発射される蛭子能収のちんぽ)


ろぺす:こいつ一行に七割五分詰め込みやがった



おまりー:はい!!どうも!!くるぶしソックスです!!しゃーおら!!しゃーーすぞおら!!おらしゃー!!


ろぺす:なのに3番ルール守る気0じゃねえか。県道を走るアイルトン・セナ並みに守る気0じゃねえか。


おまりー:最近はバントの構えをした細木数子の走馬灯が桂馬の動きで巡る毎日ですけどろぺすさんいかがお過ごしですか!!


ろぺす:意味わかんねえよなんで一昔前のネット大喜利NGワード羅列したんだよ


おまりー:そうですね!僕は蛭子能収のちんぽにまたがって通勤する事にはまってますね!!


ろぺす:お前のマイカー今大気圏突破してっぞ


おまりー:そうそれでね!!こないだも通勤してたんですけどね!!


ろぺす:あとお前この前生活保護申請してただろ泣きそうな顔で


おまりー:信号待ちしてた時にね!なんと!!隣を何かが過ぎ去って行きましてね!!


ろぺす:そして断られてただろ泣きそうな顔で


おまりー:何かと思ったらね!!


ろぺす:もう漫才終わっていい?


おまりー:右半身の無い少女が


ろぺす:事情が変わった






おまりー:おっ!!食いつくねえ兄ちゃん!!


ろぺす:いやいいからいいから早く続きを




おまりー:ききたい?


ろぺす:ききたい。


おまりー:実を言うとですね、まあその右半身の無い少女ですね、


ろぺす:(ごくり)


おまりー:驚く事に左半身も無かったんですけど


ろぺす:


おまりー:スッポンポンだったんですけど


ろぺす:うんあのさお前知ってる?1ひく1は0だって事




おまりー:でまあとにかく僕は会社に遅れるからそのちくわぶのアクセルをベタ踏みしまして


ろぺす:蛭子能収さん本当ごめんなさいコイツ悪気は無いんです





おまりー:でまあなんとかギリギリ間に合いましてね


ろぺす:ちょっと待ってちょっと待ってちょっと待って、お前絶対定職ついてないけどとりあえずきいとこ、どこの会社行ってんの


おまりー:NTT南日本


ろぺす:黙れや




おまりー:いや!!NTTがなんの略か聞いてから黙れやって言って!!


ろぺす:…あぁ、悪かった悪かった、そうだな、よし聞こ



おまりー:ニトログリセリン

ろぺす:黙れや



おまりー:ニトログリセリン南日本

ろぺす:東西南北に分けるほどニトログリセリンに特需生じてねえよ。Tが一個迷子だしよ


おまりー:でね、まあ自分の席に座ろうとしたんですけどね、気づいたんですよ・・・!!


ろぺす:何に


おまりー:僕の席で… 
      全身の無い少女がブリッジをしている・・・!!!





ろぺす:今日の分の薬飲んだ?



おまりー:もうこれは完っ璧にホラーですからね!!駐車場に急いでポケットからお札と釘を取り出すと
     一心不乱にちくわぶにお札を打ち付けまして!!


ろぺす:もう色々と何を解決する気だよ


おまりー:取り出すお札、鳴らすトンカチ、遠くで聞こえる誰かの悲鳴。


ろぺす:多分だけどそれ蛭子さん


おまりー:やがて断末魔も聞こえなくなりましてね、
     手間かけさせやがってとスッキリした気持ちで僕はタイムカードを挿した訳ですよ


ろぺす:今世紀最大の趣旨のフィルダースチョイスだよ。当初の目的が樹海に迷い込んでるよ


おまりー:しかしその時にまたも僕は気づいてしまったんです!!!!!


ろぺす;その前にお前の主治医の電話番号教えて



おまりー:このビル・・・
       6Pチーズだって・・・


ろぺす:20分後に反省会な




おまりー:だから次は裂けるチーズに就職したいなって考えてるんですよ!!


ろぺす:俺等の仲もたった今断裂したがな


おまりー:とりあえずがんばりますよ!!


ろぺす:いやまずお前裂けるチーズって意味分かんない、どんな仕事するつもりなんだよ


おまりー:そうですね、ふだんは全世界が見渡せる玉座に座り、
     戦においては8本足の馬スレイプニルにまたがって百発百中の槍グングニルを操る仕事です。


ろぺす:いやお前それ北欧神話における片目とひきかえに知恵の泉の水を飲んで太古の知恵を身に付け、
     クワシールの霊酒を手に入れて詩を世にもたらしたアース神族の最高神オーディンじゃねえか


おまりー;ありがとうございました


X子:ありがとうございました…いやはや、今回もすんごいのが決勝に上がってきましたね。

Y美:これまた審査員の方々の反応が楽しみなところです。
   まず、ネタの中にも名前が出てきた夏草さん、いかがでしょうか?

 
・これは云わなくても分かると思うんだけども、
 私がいじられたいじられなかった関係なく、今回ダントツで笑いました。
 量的にちょっと物足りないかな。


X子:!! 出ました、「今回ダントツ」です!
   夏草さんのダントツは他との差が大きそうなだけに、期待が持てるんじゃないでしょうか!

Y美:一方で、他の方々との認識の差が気になるところです。
   スリーオールさんはいかがでしょう?

 
・前半が凄まじかったです。衝撃を受けました。
 その前半の風速が強すぎたせいか後半に若干息切れを感じましが、それを補ってもまだ余るぐらいのパワーがありました。


X子:おお…こちらも絶賛系のコメントが来ましたね。

Y美:では、決勝審査員のqqqさんの感想はどうでしょうか?

 
・三点リーダーを使わず行間スペースを効果的に用いた、沈黙などの間やテンポの緩急表現が個性的で、
 「月に向かって発射される蛭子能収のちんぽ」の爆発力は9組中1・2を争うくだりでした。
 ただこのネタってボケとツッコミの面白さよりも、それ以外のさりげない箇所に見られる
 癖のある練られた節回しが面白く、同時にこのネタ本来の良さだと感じたのでそこを評価すべきだなと思いました。


X子:おおー…こちらも基本的に「褒め」系のコメントでしたね。

Y美:ここで取り上げなかった残りの3組の感想も同じく絶賛なのか、はたまた…!?


X子:さて、どんどん参りましょう。

Y美:はい、5組目はこの方たちです!



エントリーNo.047

デンドロカカリヤ
迷子
小泉:ハイどうもーデンドロカカリヤです。よろしくお願いしますー。
   いきなりなんですけどね、こないだデパートに行ったんですよ。
   そしたら迷子のアナウンスが流れてたの。それ聞いて
  「ああ、僕も小さい頃はよく迷子になったなぁ。」なんて思ったんですよ。

渡部:・・・ふっふ・・・あっはっはっはっはっは!

小泉:ど、どうしたんですか急に?

渡部:いや失礼。・・・葉巻を1本吸っていいかね?

小泉:ダメですよ。漫才中ですから。
   話に戻りますけど、渡部さんは小さい頃迷子になった経験とかありました?

渡部:迷子、ねぇ・・。ふっふ。生まれて此の方、私はずっと迷子だ。

小泉:・・・どういうことですか?え、まさか本当の家で育ってない複雑な家庭とか?

渡部:君は、面白いことを言うね。

小泉:何一つ言ってませんよ。

渡部:私は一度だって、自分が今ここに居るのが正しい、そう思ったことはないんだよ。

小泉:いや、そんなことないですよ。
   渡部さんは今こうして漫才しているのは正しいことですって。僕も助かりますし。

渡部:君は愚かだ。誰が決める?国か?政府か?はたまた神か!?

小泉:どうどうどう!熱くならないで!

渡部:自分だよ。自分の存在意義を自分で認めなければ、それは迷子なんだよ。

小泉:よく分かんないです。

渡部:・・・葉巻を1本吸っていいかね?

小泉:だからダメだって。

渡部:他人に認められればそれでいいだと?馬鹿を言え。

小泉:言ってないです。

渡部:「我思う、ゆえに我あり。」偉い人の言葉だ。

小泉:そこは調べましょうよ。

渡部:なんかデカイ人だ。

小泉:デカルトですよ。
   だいたいその言葉も自分の存在意義と迷子に関係ないですよね?

渡部:まだ分からんか君は!探せ!探すんだ!!自分を探すんだ!!

小泉:どどういうことなの!?僕はここにいますよ!

渡部:一生!一生を掛けて探すんだよ!!
   自分に何が出来るのか!はたまた出来ないのか!

小泉:ああ!「自分探しの旅」みたいな?

渡部:馬鹿を言え!!ペッ!ペッ!
   そんな青くて薄っぺらいものじゃない!一生を掛けて見つかるか見つからないか!いわば人間の宿命だ!!

小泉:いろいろと難しいよ!あと、なんでツバ吐いたんですか。

渡部:でも・・・私はまだ見つからないよ。探しても探しても、ずっと迷子だよ!

小泉:もう具体的に探し方がわかんないですよ。

渡部:・・・街の図書館、早朝の土手、廃駅のプラットホーム!ないよ!!

小泉:どうなったら正解なんですか。

渡部:「いませんかー!?僕はいませんかー!?」いないよ!!

小泉:いないよ!おっしゃるとおりだよ!もしいたら都市の伝説だよ!

渡部:なにを・・・なにをすれば・・・。己を認めてあげられるんだろう・・・。
   昔住んでいた平屋・・・。すこし、小さく見えた・・・。

小泉:知らないよ!!それ自分が成長して大きくなったからじゃないの!?

渡部:あの綺麗だった庭も・・・野草のやりたい放題だった・・・。

小泉:どうでもいいよ!前の家の庭事情はどうでもいいよ!

渡部:玄関のドアが開き、知らない女性が悲鳴を上げたよ・・・。

小泉:・・・それ今現在の住人だよ!!
   だったら、あんたのしてること不法侵入だからね!?女性もビックリだよ!

渡部:すこし、小さく見えた・・・。

小泉:初対面だろ!それとも平均的な女性と比べて!?どういうことなの!?

渡部:私は走った・・・。走って走って歩いたよ・・・。

小泉:疲れちゃった。

渡部:「畜生!!どこに行けば会えるんだ!!本当の私に!!」
   海を越えた。

小泉:海外!?この、よくわかんない自分の存在意義を見つける旅で!?

渡部:女性達はみな、己の肌を布で隠し、まるで自分の存在を否定するようだった・・・。

小泉:・・・アラブ諸国だよね!?ちょっと危ない匂いがするよ!

渡部:「一緒じゃないか・・・!私と一緒じゃないか・・・!!」
   私は気づかされたよ・・・。知らぬ間に、見えない布で自分を覆い尽くしていた・・・。
   すべてをさらけ出さなきゃ、自分は見つからない!

小泉:意外と収穫あったのね。
   あと別にアラブの女性は、自分の存在を否定してるわけじゃない思うけど。

渡部:私は国に帰った。

小泉:はっや!!それだけ!?収穫それだけ!?

渡部:まずは自分を認める努力をしなければいけないんだ・・・!
   好きになろう!もっと自分を好きになろう!

小泉:なんとなくだけどOLっぽいよ。

渡部:それから私は温泉に行った。

小泉:・・・いやだたの「自分探しの旅」じゃん!!
   え!?なに、結局!?散々いろいろやってそれかよ!!あんたさっき「青くて薄っぺらい」とか言ってツバ吐いたよね!?

渡部:「これで見つからなかったら諦めよう。」リュックを背負って決意したよ・・・。

小泉:楽しむ気満々だな!

渡部:探したよ・・・街の図書館、早朝の土手、廃駅のプラットホーム・・・。
   乗る予定の電車を探したよ!!

小泉:どこにも来ないよ!!廃駅ですら貨物列車とかだよ。

渡部:隣町でやっと、電車に乗れた・・・。

小泉:そんな達成感有り気に言われても。電車よりも自分を探さなきゃ。

渡部:山の陰、雲の切れ端、雑誌の置かれた網棚、ぜんぶ探したよ!!

小泉:それ電車からの風景楽しんでるだけじゃねえか!

渡部:海苔弁に付いてるはずの醤油、探したよ・・・。

小泉:話変わってんだろ!いつの間に駅弁買ったんだよ!自分探しでしょ!?

渡部:それでもないよ!自分自身は見つからない!!
   ないよないよ!おいしいよ!ないよ!

小泉:海苔弁食ったな!?途中、海苔弁食ったな!?

渡部:いつになったら・・・自分を認めてあげられるんだ・・・!
   この人生の迷子に終止符が打てるんだ・・・!!

小泉:この話に終止符を打ってほしい。

渡部:・・・小さな、旅館だった・・・。

小泉:急に着いたね。

渡部:少し、小さく見えた・・・。

小泉:小さいって言っただろ。

渡部:私は温泉へ急いだ・・・。部屋のお菓子には目もくれず・・・。

小泉:テーブルに和菓子置いてあるけども。

渡部:服を順々に脱ぎ、一枚の布だけを下半身に巻こうとした、でも!!
   なにを学んだんだ・・・イスラエルの女性からなにを・・・。
   私はすべてをさらけ出し、扉を開けた。そう、湯気の立つ向こうへと!

小泉:そこでアラブ諸国が活かされるの!?全裸になったところでだよ!

渡部:満たされた湯船に体を沈める。硫黄の匂いが、ツンと鼻を突く。
   「そうか・・・そうだったのか・・・。私は間違っていた・・・。」
   文字通り裸になった私は、初めて自分の愚かさに気づいた。

小泉:あんたは違うベクトルで愚かだよ。

渡部:「いいんだよ、迷子で。自分自身を探す過程が、その努力が、己を創るんだ。
   存在意義?そんなもの見つかるわけがない。なぜならそれは、人が生まれてから死ぬまで、常に変っていくものだから!!」

小泉:・・・いやどのタイミングで気づいたの!?なにキッカケ!?硫黄!?

渡部:「私たちは迷うことができる。・・・これほどの幸福があるだろうか・・・!!」

小泉:なんで迷うことが幸せなの!?よくわかんないよ!!

渡部:───壁の外側に居ると思ったら、それは内側だった。

小泉:もう全体的になに言ってんの!?全然こっちに伝わんない!!

渡部:───存在が、意味を超えた。

小泉:もはやうっせえよ!!馬鹿なんじゃないの!?
   なに最後ダメ押しみたいに言ってんの!?まったく筋が通ってないからね!?
   最初に「探せ!探すんだ!!」とか言ってたクセに!滅茶苦茶だよ!

渡部:人生は、終わりなき迷子だ。

小泉:その喋り方やめろおぉ!!もう時間返せよ!
   散々喋って、結局あんたの一人旅の話じゃんか!!

渡部:長靴は、恋愛と似ている。

小泉:・・・それはホントにわかんないよ!!もうあんたアホだ!!
    それっぽいこと言っているけど、中身スッカスカだよ!!

渡部:人間が、自己探求を怠ったとき。それは人間ではなくなるとき。そういうことだ。

小泉:あははー!!深ーい!深ーい!・・・これでいいか!!満足か!!
   もうとっととオチ付けろよ!

渡部:・・・人間とオチは、似ている。

小泉:深ーい!!深ーい!!

渡部:人間もオチも迷子だから。

小泉:深ーい!!深ーい!!いい加減にしろ!!


X子:ありがとうございました。
   いやはや、こちらもこちらで凄かったですね。

Y美:スリーオールさん、いかがでしたでしょうか?

 
・ネタを読み終わった後にコンビ名を見るとなんだか納得のいくニュアンス出してるなーと思いました。
 最初から最後までひたすら面白かったです。
 すこし小さく見えた、が毎度しっかりツボを突いてきて、存在が意味を超えたで吹き出してしまいました。


X子:おお、「ひたすら面白かった」とのコメントをいただきました。

Y美:続きまして、qqqさんはいかがでしょう?

 
・葉巻のくだりからふっと引きこまれ、ダラダラする事もなく出だしからの勢いを保ち続け、
 終始ニヤニヤしながら最後まで一気に止まる事なく読み込まされました。 
 進行するにつれてただの中二病キャラが露呈していく展開は、まさに緊張と緩和を扱った一つのお手本のような出来でした。
 「なんとなくだけどOLっぽいよ」「全体的に何言ってんの!?」「長靴は、恋愛と似ている。」が特に良かったです。


X子:そうね、いつの間にか、だんだんと面白くなっていった、といった感じなのよね。

Y美:では最後、FANさん、いかがでしょうか?

 
・最初、渡部が哲学的な方向に走っててとっかかりづらかったんですね。読み手と距離があるというか。ですが、
 『渡部:「いませんかー!?僕はいませんかー!?」いないよ!!』
 ここで完全に引き込まれまして、以降の展開、旅の話からまた哲学的に戻るあたり、すばらしかったです。
 笑いと合わせて、作者さんの表現したいことも表現出来てるようで好印象でした。


X子:なるほど。これまた好印象のコメントが来ましたね。

Y美:こちらも同じく絶賛コメントが3組続きました。やはり残りの3組の評価が気になるところです…



X子:前半戦、5組のネタ披露が終わりました。

Y美:後半戦では、いったいどんなネタが繰り広げられるのでしょうか!?

後半戦に続く